デート⑨
「ライア? 好きだよ」
「……そうか」
無表情ながらも少し残念そうにしているシアン。
恋のライバルになるんなら残念そうにしているのも当たり前よね。
まあ、私はライアに恋してる訳じゃないけど。
「だって、ライアと結婚すれば王妃になれるじゃん。 シアンは知らないかもしれないけど五大貴族ってそれほど良くないんだよね。 私は魔力ないから居ない者扱いだし、だけど政略結婚には使えるからちゃんと学園にも通わせてはくれてるの。 当たり前の事だけどね」
「ライアだからって訳じゃないのか?」
「そうね、私は早くあの家から出たいのよ。 でも、貧乏は絶対に嫌。 王妃になれば贅沢出来るじゃない」
面倒な転生なんてしたんだからこの世界では幸せになるんだから。
貧乏な生活なんてしたくないし、子供を産むのも悩むのよね。
夫婦になるのならセックスは仕方ないけど子供産む事なんて考えたことないもの。
でも、王妃になるのなら子供産む事も仕事の内だからやらなきゃね。
「お金があればいいのか」
「うん、最低な女だと思う?」
可愛い私が言うのは問題ないけど、私以外の女が言ってたら馬鹿だとは思うわね。
でも、愛だの何だの言っても浮気したり離婚したりするじゃない。
生物学上の父親だって愛人を囲んでるみたいだし。
母親だって何してるかわからないわ。
そんな目に見えない物なんて信じれるわけない。
その分、お金は信用出来るわね。
「いや、リルディアが良いなら良いんじゃないか。 人の価値観なんて誰かに文句言われる必要もないだろう」
正義感がありそうなシアンなら何か少し言ってくるかと思ったけど。
勿論、何か言われても私の価値観を変えることはなかったけどね。
「だが、家から出たいのならライアは止めていた方がいい」
「どうして?」
「王家に嫁ぐと後ろ盾とかで問題が起きる。 ライアは優しい男ではあるが王家の者としての責任もあるから愛だので選ぶことはないだろう」
シアンの言ってることもわからなくはないわね。
私って可愛いけど家から出たのなら貴族ではなくなるし、平民の女を王妃にするってのも物語の中ならあるかもしれないけど、ここは現実だしね。
でも、あの家に居たまま嫁ぐのも嫌なのよ。
絶縁出来るのならいいけど、絶対に口出してくるに決まってるわ。
セルディアが当主になるのを待つのも有りかもしれないけど、それだといくら私が可愛いからといってめ若さがなくなるわ。
まだ二十年は先だろうし、生物学上の両親を殺して早めにセルディアに当主になってもらうのもいい。
その場合は捕まらない様に気をつけなきゃだけどね。
「んー、それを考えると平民になるとしたら大商人くらいがマシなのかしら」
日本なら貴族なんてないからもっと簡単だったかもしれないわ。
本当にあの神ムカつくわね。
「……冒険者は考えてないのか?」
「冒険者? えー、お金持ってるの?」
イメージ的に冒険者って荒っぽいし、お金とか貯金してないイメージなんだけど。




