デート⑥
「シアン、これからどうする?」
従魔登録が終わったのでもうシアンと一緒に居る意味もないけど。
せっかく街に出て来たんだから私は買い物でも行こうかな。
「もう、大丈夫なのか?」
「うん、ちょっと気持ち悪くなっただけだから」
「そうか……リルディアは何かしたいことはあるか?」
「せっかくだから買い物行こうかなーって。 なぁに? 私とデートでもする?」
ふふ、なんちゃって。
シアンがデートってか、女に興味持つなんて考えられないか。
でも、五年ぐらい片想いしてるってサバイバル演習の時言ってたけど、その子とはどうなったのかな。
「買い物ぐらい付き合ってやってもいい」
シアンにしては珍しいわね。
まあ、久々の買い物だから荷物持ちにでもなってもらいましょうか。
「じゃあ、デートしてあげるわ。 私とデート出来るなんて滅多にないんだからね?」
よし、まずはアクセサリーからでも見ようかな。
私はシアンの腕に抱き付いたままアクセサリーショップに向かう。
このアクセサリーショップは結構有名なお店であり、値段もピンからキリまで。
可愛い一般向けのアクセサリーや、魔方陣が刻まれた冒険者向けのアクセサリーもあるらしい。
一度は行ってみたかったのよね。
中に入れば壁紙め白で清潔感はあり、平民用と貴族用で別れているみたい。
まあ、大抵の貴族は商人を屋敷に呼ぶから学園の貴族女子用かしら?
今はまだギルドの仕事もしてないし、今までのお小遣いだけだからあまり高いのは買えないけど。
今は我慢するしかないわね。
「シアン、会話の魔道具だって。 どれぐらい遠くまで使えるんだろうね」
やっぱ魔道具のアクセサリーは高いわね。
でも、魔石にある魔力を使ってるから魔力のない私でも使えそうだし。
会話の魔道具はいらないけど解毒の魔道具があったらほしいわ。
物理も魔法も大丈夫だけど毒殺は可能性あるからね。
もう、玉の輿に乗るまで私は死にたくない。
「……どれか買うのか?」
「欲しいけど、ギルドの仕事受けてからかなー。 なんなら、買ってくれてもいいよ?」
「……」
男とこんな感じで話すのは暁以来かも。
あ、この青色のネックレス可愛い。
でも、金貨十枚って高くない?
Fランクの依頼じゃ何十件やっても貯まらないわよ。
今はまだ名に縛られてるから奢ってもらうことも出来ないし。
学園卒業したらさっさと家出るから問題ないけど。
「……シアン、ちょっと席外すわね」
シアンに一言告げると私はお店の人にトイレを借りることにした。
……生理現象は仕方ないわ。
トイレから戻るとやはりと言うべきか、シアンは女に囲まれていた。
あれだけのイケメンが一人で居たら逆ナンに合うのも当たり前よね。
私は逆ナンなんてみっともない事しないけど。
「お待たせぇ、シアン!」
にっこりと笑顔を作りながらシアンに駆け寄るとぎゅっと腕に抱き付く。
周りの女はいきなりの私の登場に不愉快に思っているのか睨み付けてくる。
「……それほど待ってない」
シアンが私を拒絶していないのを見れば目を見開いて驚く女達。
シアンって怒る時はあるけど本当にいつも無表情だよねー。
たまに笑ってる時はあるけどライアが居る時ぐらいじゃない?
「リル、お腹空いたりなぁ……。 ご飯食べに行こっか!」
「そうだな」
私は女達を敢えて無視しているが、シアンは本当に興味ないのか私の言葉に頷いている。
シアンって人に対する興味って薄いよね。




