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異世界へ

 


「んっ……」



ここどこ?

私は死んだんじゃないの?


周りを見回してみれば何もない白い空間。

一瞬病院かと思ったけどベッドもテレビもないのに病院は有り得ない。


ただ、白い空間にあるのは私1人。




「起きたか?」


「誰?」




声が聞こえたと思えば白い空間に1人のおじいさんがいきなり現れた。

服装はバスローブみたいに見えるけど……。




「バスローブではない」




……何このおじいさん、私の考えがわかるわけ?

ってか、誰よ。




「儂は神じゃ」



頭イカレてんの?って言いたいけどさっきから私は声に出してないし、嘘じゃないのかもね。

死んだら神様に会うなんてファンタジー小説みたい。




「お主は男に刺され病院で息を引き取った。 今はお主の葬式をしているようじゃ」




あの両親が葬式ねぇ……。

どうせお金を使いたくないからってショボい葬式なんでしょ。

死にたくなかったけどあの両親から離れられるなら天国のがマシよ。




「お主の彼氏達が集まって修羅場になっているようじゃな。 男に貢がせて捨ててる悪女じゃのに」


「だから?」



私は死んだんだから今更修羅場になっても関係ないし。

騙される方が悪いんじゃない。




「反省はしておらんようじゃな」



反省?




「私は何も悪い事してないわ。 別れる事は悪い事なの? プレゼントを貰うのは悪い事なの? だったら半分以上が悪女になるわね」



神様だか何だか知らないけど敬語を使う必要なんてない。

私は神なんて崇めていないんだから。




「……お主には罪を償って貰う。 儂が管理しているもう1つの世界、アルホートに前世の記憶を持ったまま転生し罪を償うんじゃ」


「罪を犯してないのに償うわけないじゃん」


「意見は聞かぬ。 アルホートは魔法がある世界じゃが、お主は魔法は使えん。 しかし、それでは罪を償う前に魔物に殺されて死んでしまうかもしれんので3つだけ願いを叶えてやろう」




どうせ何言っても無駄なんだから生きれる方法を考えなきゃ。


身体能力はいらない、もしムキムキになってしまったら最悪だもの。

容姿は今のままの方がいい、可愛い私が失われては大変よ。

魔力は魔法が使えないからいらない。


……こんな事が現実にあるんならファンタジー小説読んどけばよかった。

小説や漫画なんて興味なかったから知らないし。



「まず、私の容姿はこのままで」


「向こうでの容姿は地球での容姿のままと言う事じゃな。 赤ん坊からじゃから幼い頃も地球での幼い頃と同じにしよう」




幼い時から私は可愛かったからそれでいいわ。

私の可愛さがあればどんな世界でも色んな男を虜に出来る。



「因みに魔物って意志あるの?」


「うむ、魔物には知性がある。 人間は魔物に知性があるのは上位ランクだけと思っておるからな」




魔物がどんなのかわからないけど知性があるのなら会話出来る方がいいよね。

もしかしたら人間よりその世界の事がわかるかもしれないし。




「2個目は魔物と会話が出来るようにしなさい」


「魔物に好かれる、ではなくていいのか?」


「そんなの私のプライドが許さない」




私は今までどんな男も虜にしてきたのよ?

魔物だからって神様にお願いして好かれるなんて嫌に決まってる。

私自身だけだったら愛されないみたいじゃない。



「して、3個目は?」


「どんな魔法でも物理攻撃でも威力を吸収してその威力を私の好きなタイミングで返せるようにしなさい」


「すぐに反射じゃのうて吸収してからでええんか?」




反射だったら私の意志関係なく攻撃する事になるから嫌。

誰かが怪我しても何も思わないような冷徹人間にはなりたくないの。

怪我させるなら自分の手で。




「よし、ならその3個の願いを叶えてやろう」


「用が終わったならさっさと転生させなさい。こんなただの白いだけの空間に居たくない」


「罪を償えば儂はお主の前に現れる。 さあ、罪を償って来るんじゃ」




あっ、何か意識がぼーっとしてきた。


私に罪の意識なんてない。

だって、私は何も悪いことはしてないもの。


ただ、罪の意識があるとしたらあんな世界に暁を独り置いて来ちゃった事だけ……。



 

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