デート
「リルディア、こっちだ」
私は今、シアンと街を歩いてる。
それには訳があるんだけど……。
演習の途中だけどデスドラのことをディオ先生に話す為に元の場所に戻った私達。
「わかった、デスドラの事は面倒だが俺から話しておく」
いつもの通り怠そうに頭をガシガシと掻きながら言うディオ先生。
……私のこと鋭い目で見てるのはわかってる。
まだ疑っているんでしょうね。
「お願いします」
「おー」
気付かない振りをしながらディオ先生から離れると小さなため息をつく。
あんな疑ってます的な視線を向けてくるなんてシアンとかにバレたらどうするの。
「明日はギルドに行くのか?」
デスドラが出たことによってサバイバル演習は中止。
騎士団が調べに来るので明日は休みになっていた。
「僕は城で今回のことを父上と話してくるよ」
「俺らはちょっと用事があるからな」
「うん……ごめんね」
ライアもアルトもフィアも駄目。
まあ、フィアはキルクと契約してるから早めにギルドに行かないといけないだろうけど。
私は特にやる事ないけど、私に興味持ってないシアンと二人でいてもねー。
シアンはライアの事が好きっぽいし。
「リルディアちゃんと二人で行ってきなよ」
にこにこと笑顔を浮かべながらライアは言うけど、シアンは断るんじゃない?
「……行くか?」
「私はどっちでもいいけど」
「なら、明日は9時に校門前で待ってる」
……って、ことでシアンと二人で出掛けることになった。
セルディアは凄くシアンを睨んでたけど。
まあ、ただギルド行って終わりだろうから今日は買い物でもするかな。
私はいつも可愛いけど今日はお気に入りの薄い黄色のワンピース。
もちろん、何かあった時の為用にいつも通りナイフとペチパンは穿いてきたけどね。
可愛いから買い物中に誘拐されちゃうかもしれないし。
「制服姿じゃないとやっぱ変わるわね」
私は私の可愛さをもっと引き立てる為にお洒落してきたけど、意外とシアンもお洒落してる様に見える。
可愛い私の隣を歩くんだからお洒落してもらわないと困るけど……シアンって前世では見たことないくらいのイケメンだからね、まだ十歳だけど。
釣り合うって言えば釣り合うかもしれない。
「……そんなに見るな」
私に見られてそんな不機嫌そうにするなら何で出掛けること承諾したんだろう?
ライアが言ったからかなー。
「はいはい」
まあ、シアンが落とせないのは仕方ない。
私が落としたいのはライアだし、落とせなくても妃になれればそれでいいけど。
「はぐれるな」
学園からギルドまではちょっと遠いけど鍛えてるから問題はない。
ヒールを履いてても戦えるように訓練はしてるしね。
ふらふらと屋台や店を見回ってる私が気になるのかシアンが私の手を掴んできた。
手を繋ぐ、じゃなくて迷子になりそうな子を捕まえてる感じなのがムカつく。
「迷子になんかならないわよ。 それにその掴み方ちょっと痛いんだけど」
「……」
私が文句を言えばシアンは無言のまま普通に手を握ってきた。
やっぱり迷子の子扱いしてるんじゃないでしょうね。
ムカつくけどシアンは離しそうにないから諦める、意外と頑固なのよね。
「早く行くわよ」
面倒だし、このままギルドにへと向かう。
帰りにシアンには何か奢らせよう。




