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ぶりっ子少女の夢は玉の輿  作者: 猫目 しの
異世界の日々
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ギルド登録

 


トスシルナ家は潰れ、何事もなかったかのような生活を送っている。

ディオ先生はまだ私のこと疑ってみたいだけど、何も言って来ない。


まあ、無実な生徒に危害を加えることは出来ないからね。




「一週間後にサバイバル演習をするぞー」


「サバイバル演習ですか?」


「ああ、このクラスは31人だから五人班と六人班に別れろ」




ディオ先生の言葉にクラスはガヤガヤと騒ぎながら班を作っている。

問題なのは私たちだけど。


サラ、アリス、レイア、クリュス、セルディア、ライア、シアン、私、いつものメンバーだと八人だから二人足りない。

そして、私はビッチ達とは一緒に組むのは嫌。

まあ、それは向こうも同じでしょうし。


私はライアとシアンと組みたいけど、クリュスとセルディアは私と組みたいって言うでしょうし、ビッチ達もシアンと組むって言うでしょ。



「どうするぅ?」


「私はシアンと組むわ」



やはりレイアが一番に言うと思った。

レイアはシアンを気に入ってるみたいだし、あわよくば彼女の座も狙ってるしね。




「私だって、シアンと組みたいですよ!」


「私もっ」





レイアが言ったからかサラとアリスもシアンと組むと言い出す。

予想通り過ぎるわ。




「僕はリルが心配だからリルとに決まってるだろう」


「俺もリルちゃんとがいいなっ」



守ってもらえなかったら困るけど、クリュスとセルディアと一緒だったらライアと組めなくなる可能性があるわね。

ライアはシアンと組むでしょうし。



パワーバランス的に女一人じゃ駄目だからビッチの誰かと組まなきゃいけないけど……。

そんなの絶対嫌!


って、あの二人……誰とも組もうとしないで二人で端に居るけど。

確か名前は……。





「フィアちゃんとアルトくん、二人は組まないのぉ?」




いきなり話し掛けたからかビクッと体を揺らす二人。

女の方がフィア・レティー。

男の方はアルト・レティー。




「……私たちは……」


「俺らと組む頭の正常な奴は居ねえだろ」




二人は獣人だ。


猫の耳に尻尾、それが獣人の証であり、人間とは違う。

貴族のほとんどは獣人を嫌っていて、帝国に居る奴隷の半分は獣人らしい。


獣人は魔物と同じだと言い討伐しようとする貴族も居る。



私には関係ないけどね。





「じゃあ、リルと一緒に組もう?」



あのビッチと一緒に組むぐらいなら全然知らないけどこの二人と組む方が全然マシ。

獣人と人間なんて、外国人と日本人の違いくらいなんだから。


私の言葉に驚いたのか二人とも目を見開いている。

まあ、一応私も貴族だし?





「リル、魔力ないから弱くてもいいならだけどぉー……」


「い、いの?」


「俺ら獣人だぞ?」


「関係ないよぉ! それに、リルのが足手まといになるもん」




まあ、足手まといになるつもりはないけどねぇ?

場合によっては力出すかもそれないし。





「ありがとう」




目元を潤ませながら微笑むフィアはちょっと可愛いかもだけど、私の方が可愛いわ!




「なら、僕らもいいかな?」




にっこりと笑みを浮かべていたら声をかけてきたのはライアだった。

後ろにはシアンもいる。




「これで五人だろう?」


「ライアも一緒なのぉ? リル、嬉しいなぁ!」




知らない奴と組むかもって思ってたのに棚からぼた餅ってやつ?

セルディア達は獣人嫌いだから一緒に組むなんて思ってなかったしね。




「よ、よろしくお願いします!」


「よろしく」



「フロレイン、死んでもリルだけを守れ」




私と組めなかったからかセルディアが悔しそうにしてるし、ビッチ達も私を睨んでる。

あはっ、いい気味。




「おーい、決まったのならリーダーを決めてチームを言いに来い」


「僕はシアンを推薦しようかな。 シアンって、ギルドランクBだしね」


「凄いですね!」




フィアはキラキラとシアンを尊敬してるような目で見ている。

確かにギルドランクは上から帝、SS、S、A、B、C、D、Eだし。

まだ学校に入ったばかりの私たちはほとんどがE、もしくは私のようにまだギルドに登録してない生徒も居るのに。




「シアン、すごぉい!」


「……自慢することじゃない」


「だったら、フロレインがいいな」




問題なくシアンに決まったし、あっちもセルディアになったみたい。

後はディオ先生に報告して今日はとりあえず終了。


この後はチームで特訓したりするから私たちのチームはギルドに向かうことになった。

サバイバル演習の森には低級の魔物もいるから戦うことに慣れておかなきゃならないみたいだし。




ギルドに向かう時にセルディア達も一緒に行こうとしてたけど、サバイバル演習では敵同士になるしね。

私も力見せたくないし?





「ここが俺が入ってるギルドの“竜騎士”だ」


「初代ギルドマスターが何頭もの竜を討伐したからこの名前になったんだって」





初めて見るギルドは予想以上に大きい。

確かにギルド員がたくさん居るなら大きくなければ駄目なんだろうけど。





「シアンくん! 今日学校は?」




受付の前に行けば頬を赤らめた女、推定二十歳前半なんだけどショタコンなの?

シアンがいくらイケメンだったとしてもショタコンはないわ。





「今日はサバイバル演習の為にみんなでギルド登録に来たんですよ」


「そうなんだー!」





シアンやライアにはにこにこと笑顔見せてるのに私やフィアを見る目は笑っていない。

可愛い私やフィアがシアン達と一緒に居るのが嫌なんでしょうね。


わかってるからこそムカつくわ。




「シアンー。 ギルド登録ってどーするのぉ?」




わざとシアンの腕に抱き付けば醜いほどに顔を歪めてる受付の女。


年考えれば?

社会人と小学生ぐらいの年齢なんだからさ。





「基本的に魔力と属性を計ってランクを決めるんだが……」




少し言いにくそうにしてるシアンが何を言いたいかわかったわ。

私には魔力がないから計ることも出来ないもんね。


受付女が私を見て蔑んでるのがわかる。

盲魔も嫌われ者だもんねー?




「じゃあ、リル登録出来ないのぉ?」





まあ、今までとった素材は素材屋に売ればお金になるみたいだからギルド登録しなくても問題ないみたいなんだけどね。

このムカつく女の顔見てたら登録したくなったわ。




「ねえ、ギルドマスターに聞いてみたら?」


「そうだな」




受付女はライアの提案が気に入らないのか更に私を睨んでるけど、周り見たら?

化粧で誤魔化した顔が醜くなって他のギルド員が驚いてるんだけど。


受付は会社の顔なんだからそんなに睨んじゃいけないですよー。




「マスター呼んで貰っていいですか?」


「えっ、あ、ごめんねー。 マスターは今日居ないの。 今日は他の子だけ登録してこの子は帰ってもらったら?」




本当はフィアも気に入らないけど私が一番気に入らないんでしょうね。

今もシアンの腕に抱きついてるのにシアン嫌がってないもんね。

ただ気にしてないだけの可能性高いけど。




「なら、今日は訓練所だけ借りようか? リルディアちゃんだけ帰すなんて可哀想だし」


「私は、いいよ」


「俺も」




やっぱ他のビッチ達とティアは違うわ。

受付女はライア達の言葉にどうしようとオロオロしてるし。

マスターが居ないってのも嘘っぽいしねー。





「リル、みんなに迷惑かけたくないよぉ。 リルは待ってるからティアちゃんやアルトくんは登録してきてぇ?」


「えっ、でも……」


「大丈夫ぅ!」




受付女のフォローしてるわけじゃないけどみんな居ない方がこの女もボロ出すでしょうね。

ここは監視カメラみたいなのないみたいだから。


周りにたくさん人居てボロ出すならただの馬鹿だけど。




「じゃあ、案内させるわね」




受付女は他のギルド職員の人を呼べばシアン達を連れて中に入っていった。

もちろん、私の前には受付女。




「あんた、さっさと帰りなさいよ」




シアン達が居なくなればすぐ威圧的な受付女ってやっぱ馬鹿?




「リル、シアン達を待たないとぉ……」




こんな女怖がる訳ないけどわざと体をビクっと震わせ涙を目に溜める。





「このギルドはあんたみたいな盲魔が来る場所じゃないわけ。 私のシアンは優しいから何も言わないのよ」





私のシアン、ねぇ?

やっぱショタコンなんじゃん。



 

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