表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぶりっ子少女の夢は玉の輿  作者: 猫目 しの
異世界の日々
121/123

嵐の前の静けさ③

 


『リルディア、そのを右に曲がると人間たちがいるぞ! 左は大きな部屋に繋がっていたな』


「今解放して目覚められても面倒だからゴブリンたちを全滅させるまではそのままにしてるわね。 騒がれても面倒だし、危険がないのならギルドの人間呼んでからで問題ないわ」



私に関係ない人たちだから死んでもどうでもいい。

でも、これで捕まってる人間が死んでたら私の責任にはならないかもしれないけど、ギルドから私の評価が落ちるかもしれないし。

それはそれでギルドランクは上げたい私としては困るわけよ。


だからと言ってゴブリンを全滅させる前に起こして面倒なことになってしまったら嫌でしょ。

足手纏いを連れて歩いてもし途中でゴブリンが目を覚まして襲い掛かって来たら、他の人間が怪我をするならいいでしょうけど私が怪我をしたら最悪だもの。



『まっ、僕らはリルディア以外どうでもいいからどっちでもいいよ』


『人間を無視して進むなら左だな。 だが、この先の部屋には眠らなかったゴブリンが一匹いるみたいだ、戦う準備をした方が良いぞ』



正直妖精であるミィたちの能力を疑うなんてことはしない、でも起きてるゴブリンが居るってことはネムリソウが効かないゴブリンが居るってことね。

ゴブリンの上位種、ゴブリンナイトやゴブリンアーチャー、ゴブリンメイジぐらいなら私一人でもどうにか出来るけども、もしゴブリンキングが居るとしたらランクBのパーティーで倒せるって感じなのよ。


今の私じゃどう考えても一人じゃ勝てないわね。



「それってゴブリンのどの種類かわからないわけ? ゴブリンキングだったら無視した方が楽なんだけど」


『ゴブリンキングだな!』



……元気よく言うことでもないでしょ……。

敵がゴブリンキングってわかっただけでも他の冒険者よりはマシなのかもしれないけど、やっぱ気付かれないように逃げるのが一番いいとは思うわ。


ミィたちの力を使って私が倒せたとしても、ランクが低い私がゴブリンキングなんて倒したなんてギルドが信じられるわけない。

私が逃げるとしたら正直捕まってる人間は殺される確率が高くなるとみていいわね。


ゴブリンキングみたいに知能があると配下のゴブリンが不自然に寝ているのに気づくでしょうし、住処を探索してここまでの道でゴブリンが死んでるのも発見したらもしかしたら住処である洞窟を捨てる可能性もあるわ。

住処を捨てて移動するなら今捕まえてる人間を連れて行く意味はほぼない、女なら新たなゴブリンを産ませるために連れて行く可能性がないとも言えないけど……。

だけど、邪魔な荷物を持って逃げるよりは殺した方が早いでしょ。


人間なんてたくさん居るんだからどこででも捕まえることは可能でしょうし。



「撤退するのが普通ね。 もし、捕まってる人間が殺されたとしてもギルドも流石にゴブリンキング相手なら何も言わないでしょうし、文句言ってくるとしたら殺された人間の遺族ぐらいじゃないかしら?」


『いかないのー?』


『僕らはどっちでもいいよ』


「そうね……ゴブリンキングって毒は効くの?」


『基本的に毒持ちの魔物以外には効くよ。 個体の大きさで効きにくい魔物はいるし、ゴブリンキングも効きにくいだけで問題ないよ』



毒さえ効くなら絶対に勝てないってわけじゃないかもしれないわね。

効くのが遅かったとしてもその間は逃げ回っていればいいだけでしょうし、この洞窟の広さを考えればゴブリンキングもそこまで動けることもないでしょう。


むしろ、洞窟の広さ的には小柄の私の方が逃げやすいわ。



「それに洞窟の外に逃げれたら私の勝ちは確定するのよね、私にはローが居るんだもん。 空に逃げてしまえば飛べないゴブリンキングなんて敵じゃないわ」



絶対に勝てないって言ったのは前言撤回するわ。

私は私の為にゴブリンキングを殺す、可愛い私の糧になりなさい。



「行くわよ」


『はーい!』


『ゴブリンキングなんて敵じゃないぜ!』



私は持っていたナイフからいつもの戦闘用の毒のナイフに取り換える。

依頼を受ける為に身軽な装備を着て来ててよかったわ、でも防御力が少し心持たないからお金を貯めれたらランクの高い装備に変えようかしら。


そんなことを考えながらも左の広場側に歩いて行く。

少し歩くと洞窟には似合わない大きい木のドアが見えてきた、ゴブリンが作ったのかもしれないけど何のために作られたのかはさっぱりわかんない。

もしくは元々誰かだここに住んでいたのかしらね?


目の前にある大きなドアを少しだけ開けて中を覗いてみると3mくらいありそうなゴブリンが居た。

あれがゴブリンキング……確かに普通のゴブリンが小さいからそれを考えたら3mあるのって結構大きいわね、その体型に見合う剣を持ってるけどあんなのどこで手に入れてるのよ。


あんなの作るゴブリンが居るのか、冒険者が持っていた剣がゴブリンキングが持つことによって何らかの変化が現れるのか。

ゴブリンキングが持つ剣に関しては未だに解明されてないって話だったけど、私は興味ないわ。

でも、ゴブリンキングが持ってる剣は研究の為に高値で売れるって話は聞いたことあるからそっちは興味あるわ、もしここで倒せたら高額な報酬とゴブリンキングの剣を売ったお金が手に入るんだもん。


最初は戦いたくなかったけど倒せる案があるなら美味しい魔物かもしれないわ。


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ