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ぶりっ子少女の夢は玉の輿  作者: 猫目 しの
異世界の日々
118/123

いざ、妖精の国⑨

 


ミィたちに案内されたのは洞窟の入口からそれほど遠くもない場所で少し掘られているような跡があるけどもそれ以外には何もない行き止まりの場所だった。


辺りを見回すも洞窟内はただ薄暗いだけで鉱石とかも見当たらないし、本当にこんな所に高く売れそうなものがあるのかしら?

そんなことを考えながら私はミィに聞いてみた。



『リトはここをほってたよ!』


「たくさん持って帰ってたって言ってたけどもこんな入口から近いとこにあるの? しかも、掘りかけなのか途中で止めたような跡もあるし……」


『ここは小さい鉱石ぐらいしか惚れないからね。 最初はリトもここで探してたんだけど、大きいのが欲しいってことで別の道で探すことにしたんだよ』


「じゃあ、ここには小さいのしかないんだ。 私はそれでいいからいいけどね」



そういう理由なら問題ないわ、ここでも鉱石が取れるなら今の私には大きさなんて関係ないし、それが売れるのなら何でも構わないわよ。

売れないものを取らせたら悪いのはミィたちだもの。



「てか、今思ったんだけど私にはここを掘ることなんて出来ないわよ。 アンタたちは掘れるの? じゃなきゃここに来た意味がないわ」


『……できない』


『俺は出来なくはないって感じだな!』


『僕は出来るよ』



しょんぼりとしたようなミィ、微妙な返事なのに元気満々なロー、得意げにしてるサイス、返事や反応からしてサイスに任せた方が良さそうね。



「じゃあ、私は休んでるからサイスお願いね。 そんない多くなくても良いから綺麗にしてよ」


『了解』


『……ミィだってリルのやくにたてるもん』



地面に座ってサイスにお願いすると短く返事が帰って来た、後はサイスに任せるだけで私は何もしなくてゲット出来るから楽ね。


私の役に立ってるサイスに嫉妬でもしてるのかむすっと拗ねた様子のミィの頭を仕方がないので撫でてあげる。

最初はビックリしたような表情をしていたがすぐに嬉しそうに私の膝の上で鼻歌を歌っている、ミィも私の役には立ってるから褒めるのに頭を撫でるだけでいいなら簡単よ。


妖精だから物欲なんてないでしょうから無駄に私のお金を使わなくてもいいし、演技しなくていいから気楽だし、うるさい点はマイナスなんだけど……でも、マイナスな点ってそれぐらいなのよね。

巫女って呼ばれて面倒なこともあるけど、その分ミィたちの能力も私の力であるもの。



「ミィの力も私の役に立つんだからこれからも私に力を貸しなさいよね」


『うん! ミィはずっっとリルといっしょにいる~』



ミィたちが居るだけで私が死ぬ確率は減るんだもの、多少の面倒事ぐらい目を瞑るわ。

そう、今度こそこの世界であんな死に方しないわ、手玉に取って来た男に殺されるなんて屈辱よ。



『リルディア、結構色々出て来たよ。 』


「鉱石って初めて見るけどこんなのなのね。 これを磨いたら綺麗な宝石になるなんて最初に考えた人は何を思ってそんなことをしたのかしら?」



まあ、そんなことは今の私にはどうでもいいことなんだけどね。

過去の人間が何を考えてそんなことをしたのかはわからないし宝石について勉強だってしてないもの、そっち系の仕事をする人ならちゃんと調べて勉強してるでしょうけど。


私が今気にするのはこれらがちゃんと売れるかどうかよ。

学園が休みの日にはちゃんとギルドにも通って依頼をこなしてるし、何だか最近有名になって来てるみたいなのよね。


私ってばこんなに可愛いから仕方ないもんね……なんて、私が可愛いのは本当のことだけどギルドに行く時は私の年齢が分からないようにフード被ってるし。

身長は誤魔化すことが出来ないからあれだけど、受付の女は私が10歳の可愛い美少女だと思っていないでしょうね。

成人してても身長の低い種族だってこの世界には居るみたいだし、多分そっちの種族と思われているんじゃないかしら?


シアンのお父さんであるギルドマスターは私のことを知ってるけど。



『リル、いっぱいでうれしい?』


「ええ、嬉しいわ。 それにお金さえあれば高い砂糖も買えるからミィたちのおやつも作ってあげれるわよ」


『それは手伝ってよかったよ。 リルディアの作るものはどれも美味しいからね』



この世界は砂糖は高いけども私の役に立ってるんだから少しぐらい優しくしないといけないわ、飴と鞭の使い方が上手い方が良い女ってものよ。

それにただの使い捨ての男たちよりも妖精の方が長生きする分色々と使えるわ。


魔法が使えないとこのままじゃ困ることもあるかもしれないしね。



「さて、少し掘っただけだけど今日は終わりにして帰りましょう。 アンタたちが居れば簡単に行き来できるかもしれないけどあんまり荷物は持ちたくないわ」


『はーい!』


『リルの為ならいつでも連れてきてあげるよ』


『俺もたまには帰ってるけど、基本的にはリルディアと一緒に居るからな。 空の散歩なら任せとけ!』



私の言葉に笑顔で頷く三人。


帰省期間が終わるまではこの国に居るし、ちょくちょく部屋に戻って置いて来るのもいいかもしれないわ。

まだまだ私が玉の輿に乗れるまで稼がなきゃいけないからね。


  

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