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ぶりっ子少女の夢は玉の輿  作者: 猫目 しの
異世界の日々
115/123

いざ、妖精の国⑥

 



『今日はここに泊まるのかい? リトの家はいつも綺麗にしてるから問題はないよ』




泊まるったってこんな何もないとこでどうするのよ。

周りを見渡しても森、森、森、川や湖はあるかもしれないけど私みたいな可愛い女の子にこんな森でサバイバルでもさせようっての?




『リル、とまろう!』


『一晩だけじゃなくてもいいけどね』


『こんだけ賑やかになるのはリトが居た時以来だな!』




私が了承もしていないにも関わらず盛り上がってるミィたち三人。

妖精王もにこにこと微笑んでるし、ってかこの提案も妖精王がしたのだから当たり前と言えば当たり前なのかもしれないわね。


私みたいな可愛い少女なら人間嫌いな妖精にも好かれるなんて当たり前のことよ。




「こんな何もないとこで泊まるなんて時間が余って仕方ないわ」


『じゃあ、森に行けばいいんじゃないか?』


『リトもよくもりであそんでたよ~!』




話をよく聞いてみるとこの森には妖精は興味ないけど、人間では高値で売れる薬草とか鉱石もたくさんあるみたいで、人間が一人も立ち入らないから取り放題らしい。

まあ、大量に売り過ぎたら値下げされる可能性もあるからそんなことしないけど。




「そうね、貰えるものは貰っておこうかしら。 こんな何もないとこに来ることになったんだからそれぐらいしてもらわなきゃね」


『じゃあ、ローくんいこう! やくそうやおはなはミィがいっぱいおしえてあげるね!』




ミィの声と同時に私の体がふわりと浮いた。

多分、ってか絶対にローがやったんだろうけど、これはこれで移動が楽だから便利よね。


これは私がゆっくり出来る乗り物を作れれば空を自由に飛べたりするんじゃ……でも、ロー一人でそれが出来るのかわからないし、落な乗り物を作るのもお金かかるでしょうし、危険があるかもしれないから止めていた方がいいかしらね。


でも、これは今後役に立ちそうだから誰かにお金出させて研究するのはありね。




「私を落とさないように気をつけなさいよ」


『楽しんできてね』




妖精王はにっこりと微笑み手を振って私たちを見送った。


風の妖精であるローが風を操り飛んでいるけども、高度がありすぎてちょっと怖いわ。

私自身は飛ぶことなんて出来るわけもないし、ローが私を落とせば私は簡単に死んでしまうもの。




『最初はリトと一緒に飛んだこともあるんだぜ。 まあ、すぐにリトは魔法を覚えて自分で飛ぶようになったからなー』


『海の中でも僕と一緒だったしね。 リルディアは魔法が使えないから水に入りたくなったらいつでも僕を頼っていいよ』


『あー、俺も俺も! リルディアが望むならいつでも一緒に空を飛ぼう!』




楽しそうにローとサイスは私に話し掛けて来てる。


空なら風の妖精であるロー、水の中なら水の妖精であるサイス、妖精それぞれに得意なことがあるのならうるさくても妖精と仲良くなっていた方がいいよね。

今後の私の為に役に立ってもらわなきゃ。




「海の中には入ってみたい気もするわね。 濡れないのなら探索も楽だろうし、海の中は綺麗なものもあるし」


『うん、もちろん!』


『むう~、ミィだってリルのやくにたてるもん! いっぱいおはなもだせるし!』




サイスやローに対抗してるのかぷくっと頬を膨らませてミィが私に訴えかけてくる、ぷんぷんと怒ってるようにも見えるけど、私に頼りにされてる二人にただ嫉妬しているだけでしょうね。

でも、ミィの力も私に役に立つのよ。


力のない私には敵を眠らせるネムリソウや貴重な治療薬の材料になる薬草は必要だしね。




「役に立ってないなんて言ってないわよ。 これからも私の役に立てるように頑張りなさい」


『うん! ミィがんばる!』




拗ねたような表情をしていたけども私の言葉にぱあっと表情が明るくなり、にこにこと嬉しそうに私に擦り寄ってくる。

サイスはやれやれって言いたそうな呆れたような表情で、ローはにかっと笑顔で居る。


妖精によって本当に性格も何もかも違うのよね。

小さくて飛べるけどもその辺りはあまり人間との違いはないのかしら?




『リルディア、この辺りでいいか?』




ローの声に前を向くとふわりと地面に下ろされた、森の中で下ろされたのでもう先ほど妖精王が居た大きな木は見えなくなっている。

しかも、下ろされたとこにもたくさんの薬草も咲いてるし……。




「うん、大丈夫……それよりこれって#月見草__つきみそう__#じゃない。 希少価値が高くて高額で取引されてる薬草がこんなにあるなんて……あ、あっちにあるのは上級回復薬に使うヒカリソウよね。 ここの薬草採取するだけでも相当稼げるわ」




希少価値が高いのは人間が欲を持って乱獲してしまって育たなくなってしまったからってのはあるでしょうね。

ほどほどにしておけばそこからまた薬草が育つだろうに何も考えない馬鹿な大人が多すぎて故老することになるのよ。




『リル、これがいっぱいあるとうれしいの?』


「嬉しいけどそこまでたくさんは今は必要ないわ、あまりに出し過ぎると足元叩かれて安くなったら困るもの。 少量ずつ売って儲けを出さないとね」




多分、ここで嬉しいって言うとミィがたくさん出しそうな気がするわ。

そんなにたくさんあっても売り切る前に劣化しないように処理しきることなんて私には出来ないし、劣化してしまったら勿体ないわ。



 

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