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ぶりっ子少女の夢は玉の輿  作者: 猫目 しの
異世界の日々
114/123

いざ、妖精の国⑤

 




『ならば、こうしよう』




妖精王が私がつけているネックレスに触れるとキラキラと魔石が虹色に光り出した。

赤、青、黄色、緑、様々に光る魔石はどこか神秘的でとても綺麗で……光っていたのは数秒だったのにとてつもなく長い時間のように感じた。




「これは……?」


『この魔石に私の魔力を込めた、これから祝福を受けた際はこの魔石に記されるようになる。 もちろん、この魔石を通してこの子たちに力を借りることも出来るよ』




どんな原理でそんなことが出来るのかはわからないけど……妖精王って名乗るくらいだからそんなことも出来るのかしらね。

私が嫌われるなんてあり得ないことだけども妖精の祝福なんて私には必要ないんだけど。




「まあ、一応使えそうだから貰っておくけど、これって私以外にも使えるの?」


『えー、リルいがいのにんげんにてをかさないもん』


『僕も巫女と認めたリルディアしか嫌だよ』


『じゃあ、俺もー!』




ミィ、サイスはまだわかるけどもロードンロは関係ないんじゃないの?

二人は私を祝福してるらしいから力は貸すに決まってるけども、ロードンロは別に私に関わらないんだったらどうでもいいし。


風の妖精らしいからいつでも来れるんだろうけど。




『ろーくんもリルといっしょにいるの?』


『おう! ミィフォレントもサイスシアも認めた巫女だし、妖精王様からも依頼されてるんだから悪い人間なわけないしな!』


『わーい! まえみたいでたのしいね!』




結局私の周りに煩いのが増えるってわけね……でも、妖精王の話だったら祝福を受けたらその力が私にも使えるのよね?

私が魔法を使えるってよりはミィたちの力を借りるってことらしいけど、それでも私の力には変わりないわ。


その力があれば私が玉の輿に乗る夢に更に近付くわね。




「で、守るってどうするの? 私に魔族を倒せってこと?」


『魔族を倒してくれるのが一番ではあるが、他の子たちを匿うだけでも良いよ。 一ヵ所のお気に入りに住む子も居ればふらふらと色々な国を旅する子も居るからね』




こんなか弱い私が魔族となんて戦えるわけないでしょうに、全く妖精ってそんなこともわからないのかしらね。

妖精だから人間なことがわからないのは無理もないのかもしれないわ。




「そう、なら私が妖精と出会ったら保護してあげてもいいわ。 人間嫌いな妖精の説得でもミィが居たらどうとでもなるでしょうし、国に戻ってもらえればまだ安全でしょ」


『そうしてくれると助かるよ』


「因みに、何で私にだけ妖精の声が聞えるの? 私は魔力もないし、聞こえる意味がわかんないんだけどさ」




魔物と話せる力を貰ったからだと思ってるんだけど、実際はわからないんだよね。

聞こえるのは私だけのようだし、リトって男にも聞こえていたんだったら神の力とかは関係なさそうだし、別にわからなくても問題はないんだけどなーんかモヤモヤするのよ……。




『波長が合いやすいのだろう』


「波長?」


『リトの場合は最初から聞こえていたのではなかったらしい。 ある日突然私たちの声が聞えるようになったそうだ。 昔は妖精の声も姿も人間の誰しもに聞こえて見えていた、しかし、私たちを利用しようとする人間が後を絶たず私たちは人間と仲良くするのを諦め、波長が合わないようにした。 だが、稀に私たちと波長が合いやすい人間がいるのだ』


「じゃあ、私とそのリトって男はただ妖精と波長が合いやすいってだけ?」




そのおかげで私は魔法を使えてるってか、そのせいで私が面倒ごとに巻き込まれてるって印象の方が近いんだけど

……でも、一応強制じゃないのよね……。

ま、私に強制するなんて許されることじゃないけど。




『そうだろうな』


「波長が合う人間が居るなんてまた狙われるじゃないの? その波長が合うが犯罪者とかだったりするかもしれないじゃない、それはどうにか出来ないの?」




狙われてるのがわかっているのならそこのとこをどうにか出来ないのかしらね?

完全に人間に見られないようにするとか、住む場所を絶対に人間では行けないような場所にするとか、やれることはありそうなのに。


でも、来る時は変な方法で来たし、もしかしたら結界とか張ってるのかも。



私がそんな風に考えていることに気付いているのか居ないのか妖精王はにこにこと微笑んでいるだけ……ちょっとムカつくわ。




「私には関係ないからどうでもいいけどね」


『私たちと意思疎通が出来るのは優しい子たちばかりだよ、リルディアを含めてね』


「は? 馬鹿言ってるんじゃないわよ! アンタたちに優しさを見せるわけないわ、私は私の得になることしかしないんだからね!」




何で私がそんな特にならないようなことをする必要があるのよっ、妖精王って偉そうにしているけども、本当は馬鹿なんじゃない!?

……馬鹿なことを聞いたせいか何だか体が熱い気がするわ。




『リルはやさしいよ! ミィはやさしいリルがだぁいすき!』


『リルディアは面白いよね~。 巫女に選んだのは正解だったよ』


『俺はさっき会ったばっかだけど、ミィフォレントやサイスシアの見る目が悪いわけないしな! これからは一緒に居る予定だぜ』


「……アンタらは黙ってなさいよね」




巫女って呼ばれることを認めたのは私に利益があるからだからね?

そうじゃないと、私に利益がないのに妖精の保護なんてそんな面倒なことをこの私が引き受けたりなんかしないわよ。




 

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