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ぶりっ子少女の夢は玉の輿  作者: 猫目 しの
異世界の日々
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妖精を守る……話?③

 



「土帝も雷帝も知ってるのか?」


「ああ、リト・ノグァーミ。 まだわしが生まれてない大昔に居た勇者だ、勇者リトはエルフとドワーフの戦争を終わらせた人物でもある」


「俺様が知ってるのは書物になってる出来事ぐらいだけどな。 勇者リトは全ての魔法を操り、戦争の最中颯爽とと現れた。 ”生きる者全ては神の名の下にて同等。 無駄な争いは止めなさい”と言ってその力により戦争を終結に導いた勇者ってね」




博愛主義者って言うか何か微妙に違和感のある話よね……戦争してたって割には今はエルフもドワーフも仲良しだし。

大昔に何があったのかわからないけどもそんな大物勇者だったわけ?


リトって人間は。




【へぇ、誰の話だろうね?】


【ミィはリトはリトしかしらないけど……おなじなまえのにんげんかな?】


【さあ? 人間には興味ないからね】


「……リトってどんな勇者だったの?」




黙って土帝たちの話を聞いて居ればそのリトって勇者を知ってるはずの二人から疑問の言葉がぽろぽろと溢れてくる。

土帝たちの言ってるリトとミィやサイスが言ってるリトがもしかしたら別人ってことかしら?


でも、全ての魔法を操りってとこは同じのような気がするんだけども……。




【そもそもその二つの種族は戦争なんかしてなくて普通にいくつかのの集落で暮らしてたさ。 作るのが得意なドワーフ、戦うのが得意なエルフ、ドワーフは料理も作っていたしね】




……エルフってまだ本物は見たことないけどもイメージでは線が細くて全員が美人や美形で静かに森の中で暮らしてる感じだったんだけど……。

戦うのが得意って意外と脳筋だったりしてたの?


それにドワーフって土帝と同じ種族だよね、土帝がエプロンつけて料理してるような姿がそこら辺で見られたってことでしょ?

ある意味目に悪くない? まだエルフとドワーフが逆だったらわかるんだけどさ。




【で~、リトといっしょにしゅうらくであそんでいたの】


【食べ物は中々に美味しくてね。 でも、リトが卵を産むトットリーを捕まえてから争いが始まったんだ】




トットリーってあの大きなニワトリよね……争いが始まったってことはやっぱり戦争があったってこと?

サイスの話だと仲良く生活してたみたいだけどやっぱり戦争はあったのね……ニワトリを捕まえたら戦争が始まったってことがおかしいけど。




【……いまでもミィはゆるしてないよ、さっくん】


【奇遇だね、あれは未だに許されないことだよ。 僕の目玉焼きに醤油をかけるなんてね】


【さっくんもミィのめだまやきにしおをかけたもん! めだまやきにはしょうゆだもん!】


【ミィフォレントはお子様だからね……。 塩と胡椒を少々振りかけるのが大人の食べ方だよ】




……目玉焼き? 塩? 醤油?

え、そんなつまんないことで喧嘩してたの?




【醤油派のドワーフと塩コショウ派のエルフの喧嘩になってしまってね。 しばらくは収まらなかったよ、リトが用があって1ヶ月ほど留守にしてたからって言うのもあったかな】


【あのときはミィもさっくんをほんとうにゆるせなかったもん】


【それで、リトが戻って来た時にエルフもどもリトに詰め寄ったんだ。 リトはどっちがいいかと……】




いや、そんなのどっちでもいいわよ。

たかだか目玉焼きに何の調味料を使うかってことで争っていたわけでしょ……そんなの個人の自由だし、他人が何をかけたっていいでしょうに。




【ミィはリトはしょうゆだっておもってた。 だって、しょうゆがあんなにおいしいっておしえてくれたのはリトだもん】


【リトなら塩コショウの大人の味がわかると思ってたよ。 でも、リトは……”別に何をかけてもその人の味覚なんだからいいんじゃね? きのこたけのこ戦争と同じもんだよな、因みに俺はマヨネーズ派だから喧嘩すんなよ”ってね】




あの雷帝の言ってた言葉と全然違うんだけど……いや、初っ端から全然違う話だったけどこれって本当に同じ出来事の話なわけ?

雷帝や土帝の話の勇者は博愛主義で争い事なんてしたくないって感じなんだけど、サイスやミィの話では全然そんな事なくて普通の人間みたいじゃない。


争ってた理由もくだらないし……歴史書は勝者が決める、みたいなことを聞いたことあるような覚えがあるけどもこれはそんな争いしてたことが恥ずかしくてちゃんと伝えなかったからあんな勇者像が出来たでしょ。




【でも、リトのことばでみんななっとくしたの】


【確かに自分で食べるわけではないからね。 その後はケチャップ派や何もかけない派とか色々現れて結局エルフとドワーフは仲直りしたんだよ】


「まあ、その勇者が居た洞窟に今も住んでいたのがミィだったのよ」




いくらこの話が事実だったとしても受け入れられないでしょ。

この話は聞かなかったことにしてさっさと続きを話して休みましょう、いきなり話を戻した私に帝たちは不思議そうにしながらも納得したみたい。


その全ての魔法が使える勇者ってことは嘘じゃないからね。




「勇者がしたことなら納得出来るな」


「そこまでするだけの価値があの洞窟にはあったのか」


【いや、あそこは見つからない為の隠れ家だけどね】




……何からか、とかはあえて聞かないわ。

絶対にろくでもないような理由っぽい感じがするものね。



 

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