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さよなら・・熊本県 益城町

福岡空港に向かう途中、ティファニーが、


( want to see AI, people of the refuge. アイ、避難所の人たちに会いたい)


しかし、搭乗時間も迫っているし、避難所まで行ったら秋田に帰れなくなってしまう・・


( Tiffany will come again even in summer. At that time, I can meet. ティファニー、また夏にでも来ようよ。その時に会えるよ。)




しかし、ティファニーは、頑として言うことを聞こうとしない。こんな面も瞳とそっくりで、ビックリしてしまう。


そうこう言い合っているうちに、福岡空港まで来てしまった。ここまでくればもう諦めるしかないだろう。が、タクシーを降りて私たちは驚いた。今、話していた益城町の避難所の人たちがこの福岡空港にいるのだ。



(???みなさん?どうして?ここに?)



(医師の人たちから、聞いたんだよ。笑。みんなに黙って帰るなんてずるいぞ!笑。)



(黙って帰るなんて・・ほんとにもう!笑。)



(秋田まで追いかけていくぞ。笑。)


益城町の人たちが見送りに来てくれた・・・



(お姉ちゃんたちには本当に助けられたよ。避難所が崩れたときに子供を助けてくれたろ? 女房も一時は助け出されたとき、心配停止なんて言われてたんだけど、奇跡的に助かったんだよ。子供も女房も無事に退院して元気だよ。ありがとう。ほんとに。女房も来るつもりだったんだけど、でも、別れるのが辛くなるからって、今日は来なかったんだ。でも、ありがとうと伝えてくれって言われて俺が来たんだ。お姉ちゃんたちのことは絶対、忘れないぞ。)


益城町に第2派の震度7が襲ったときに、避難所が倒壊しその中かから赤ちゃんとそのお母さんが救助された。そのときのご主人だった。


(月岡さん・・っていったわね?あと・・ティ・・ファ・・? ほんとにありがとう。私の姉を病院まで搬送してくれて・・・)


避難所で自宅に旦那さんがいるかもしれない・・って言ったあの奥さんの妹さんだった。病院に搬送され私も旦那さんと一緒に行ったが、奥さんは帰らない人となった。その後、旦那さんはどうしたのか・・・


(あの後、義兄は、心労も重なり、静かに姉の元へ行きました。心臓が悪いせいもあるのですが、姉と自宅と・・・失い、気持ちも・・・ダメだったんでしょうね。)



なんだか、どうにもならない気持ちだ・・別れというのはいつかは来るが、妹さんのように、震災で助かったのに旦那さんと奥さんに、もう会えない別れになってしまい、辛いだろうな・・・



まだまだ、益城町で避難者のみなさんと共に生活をし復興支援をしたい・・・でも、それも今は出来ない。これも運命というものなのだろう。



でも、最後に見送りに来てもらえるなんて、私たちが避難者の人たちに感謝してしまう。別れるのがとても辛くなってしまう。




飛行機への搭乗時間が迫っている。




ティファニーも泣きながら


( come again by all means. I absolutely come.  また来ます。絶対に来ます。)




( 秋田に帰りたくない・・)


私も本音が出てしまい、どうしようもない。



ティファニーと私の背中を、ポンポンと叩く・・・なんだ?


振り向いて、驚いた。


くまモンが来ている・・・


私もティファニーも、


(えーーー何でぇーーー!?)



(市長にお願いして、くまモンにも来てもらったんだ。避難所の、みんなからも市長に頼みこんでさ。喜んで受けてくれたんだ。)


避難所の人たちから、こんなサプライズを受けるなんて・・・熊本に来て支援活動をして本当に良かった。この先もたくさんの難題があるけど、でも、被災者の人たちがこんなにも笑顔で明るくなるなんて決して無駄な一カ月ではなかったんだ。 



私たちは避難所の人たちとくまモンを囲んで、画像に収めた。搭乗時間が目の前に迫って来た。



(最後だな・・・もう飛行機に乗る時間だろ? 何だか娘2人を嫁に出すみたいで寂しくなるよ・・・)


(また、おいでよ。私たちも待ってるから。)



私もティファニーも搭乗手続きに、ロビーに入っていく・・・



ドカドカドカ・・・



(キャッ・・・)


くまモンが走って来て私たちに抱き着いた。



( I love bear mon! Because I absolutely come to see again. くまモン、大好き!絶対にまた会いに来るから!)


ティファニーの顔は号泣でパンパンになり、どら焼きみたいになっている。



(ありがとう。くまモン。みんなにまた会いにくるから。絶対に・・・)



避難所の人たち、くまモンが私たちを見送った。




JAL 2050便 秋田行へ。 ティファニーは窓際に,その隣に私は座った。 福岡空港を離陸し秋田へと飛び立った。


ティファニーは窓の外に顔を向けながら、泣いている。


秋田に着くまでこのままにしておいた方がいいかと思い私も少し休むことにした。



Good-bye. It is ... until the day when Kumamoto, Mashiki-machi ... see again


さよなら・・熊本県、益城町。また会う日まで・・・・












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