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祝 吉牛デビュー

(はぁ・・こんな早く起きたの初めて。でも、気持ちいいね。)


翌朝、私たち3人は早朝5時に起きて出発の準備をしていた。意外に早起きできるもので明け方の外は空気も澄んでおり、とても気持ちがいい。



(朝の景色ってきれいだね。)


セギョンもティファニーも、日本の朝に慕っている。


土日は食堂も売店も休みなので、朝食は秋田駅に向かう途中で、おにぎりかパンを買って行かなければならない。お昼は、清掃会社の方たちが利用するラウンジがあるのでそこを利用させてもらうことにした。


着替えも済ませ、ノートやペン、デジカメ、など準備も整い、


(じゃ、行こうか。)


私の掛け声で、いざ、出陣だ。


しかし、まだ、早朝ということもあり、バスもなく、まさか歩いていくわけにもいかないし、タクシーを呼んで行こうかと話してたとき、


(お姉ちゃんたち、どこかいくの?)


大学にゴミを回収にくる、作業車の人が私たちに話しかけてきた。


(え?はい・・・秋田駅まで行くのですが、バスもまだなくて、タクシーを呼ぼうか、なんて話してたんです。)



(この時間はタクシーも来ないぞ。うちら今、3台で来てるから乗っけてってやるぞ。)


(え?いいんですか?)


(当たり前だよ。こんな可愛い女の子たち、ほっとけるかって。笑)


(ありがとうございます。笑 )


(次の現場は秋田駅の近くだからちょうど良かった。)


青い大きな作業車が3台、私、セギョン、ティファニーの3人はそれぞれの作業車に乗せてもらった。 作業車の中は結構、広くて窓も大きく、視界が広い。それにゆったりと座れる。


(俺たちは、産廃業者って言って、ビルや学校などで出る、不燃ごみや可燃ごみ、厨芥(生ゴミ)などを早朝から回収してんだ。)


(何時に起きて会社に行くんですか?)


(2時くらいか。)


(え?2時って夜中の2時ですか?)


(そうだ。笑。でも慣れちゃえば、どってことない。でも、こんな時間に秋田駅で何かあるのが?)


(大学の発表会で、秋田駅の新幹線の掃除をレポートするんです。)


(新幹線?こまちのか?)


(はい、7分間の奇跡っていうテーマで体験取材です。)


(うちの会社も取材しでくれ。笑 社長、オナゴでめんけじゃ。)


(オナゴ?めんけ????)


(お!そうだ、朝飯、まだだ? お姉ちゃんだじ、ご馳走すんけ。)


作業車が停車したのは、(吉野家)だった。まさか、本当にご馳走なのか?奢りなのか?胸が高まってきた。


セギョン、ティファニーたちも降りてきて私たち3人と作業車のお兄さん3人で(吉野家)に入った。


(秋田弁って言うの? 私、全然、何言ってるか分からないよぉ・・笑。)


(私もう、これ????)


セギョンもティファニーも方言というのにはちょっと参ったらしい。しかし店に入り(吉野家のメニューを見たら、ゴクリだ。私もそうだが、この2人も分かりやすい女だ。


(さ、好きなもの食べれ。俺たちも朝はいつもここだ。現場に行く合い間に朝飯だ。さ。遠慮すんな。大盛で食べれ。)


ここまで言われるともう、私は我慢できない。じゃ、遠慮なくご注文します。


お兄さんたちは、いつも決まっていて(牛鮭定食、ごはん大盛)が定番になっている。一方、私は、牛丼(並)にしょうかと思っていたが(大盛、つゆだく)それにお味噌汁、お新香とした。セギョンもティファニーもこの(吉野家)の牛丼はお初のようで私と同じ(大盛・つゆだく)にした。


(あの、さっき言ってた、オナゴ?めんけ?って何ですか?)


(オナゴって、岩手、秋田、青森など、ごっぢの方言で女の人って意味だ。めんけは、関東の方で言えば、可愛いってごどだ。)


オナゴ=女の人。 めんけ=可愛い。  なるほど。



(牛鮭の方、お待ちどうさま・・・大盛、つゆだくはこちらですね。)


お兄さんたちと私たちの(朝飯)が運ばれて来た。


(さ、食べれ。俺だちも食うぞ。笑)


(いただきまーす。)


私は、紅しょうがを山盛りにし七味をたっぷりかけた。それを見ているセギョンとティファニーは、

(その赤いのは何?そんなにそれかけるの?)


(これは紅しょうがといって牛丼には欠かせないものなんだ。七味もたっぷりかけると旨味が出るの。お味噌汁にも。笑。)


早速、2人も私と同じ、紅しょうが山盛り、七味をたっぷりとかけた。女3人、朝ということもあり腹が空くと食欲もすごい。特にティファニーはこれくらい余裕よ、と言わんばかりにガツガツ食べている。


(やだー、すごい美味しい!!紅しょうがすごい、美味しい。お味噌汁も美味しい!)


初の吉牛デビューのセギョンもティファニーも喜んで食べている。ティファニーは山盛にした紅しょうがだけでは物足りず、さらに追加した。 やはり、この女、すごい。


私も負けじと、肉と紅しょうがにかぶり付いた。 ひゃ・・・体がとろける・・美味しいなんてもんじゃない。


お兄さんたちも、牛鮭定食に集中し、大盛ご飯と味噌汁とバクバク食べている。



早朝の朝食タイムも終え、私たちはお礼を言った。


(本当に美味しかったです。ご馳走さまでした。)


(朝飯くらい、また食わしてやっから。さ、秋田駅までいぐぞ。この調子なら6時20分くらいには着ぐから。)


それぞれの作業車に乗り秋田駅まで向かった。



お兄さんの言ったとおり、6時20分に着いた。


(じゃ、あどはこまちの掃除だな。また会えるといいな。)


(本当に朝ごはんまで頂いてありがとうございました。あの、さっき言っていた会社の社長って女の人ですよね?)


(んだ。それがどないしたと?)


(いえ、ちょっと聞いてみただけです。)


(もし、うちの会社も体験取材したいならいつでもいってくれ。)


お兄さんがメモ用紙に連絡先を書いて渡してくれた。


次の現場へとお兄さんたちは作業車に乗り、


(またな。)


手を振りながら私たちを後にした。 





秋田駅に入り、駅長室に向かい清掃控え室へと案内された。控え室に入ると、


(こんにちは。よく来たね。今日は私たちと一緒にクリーンスタッフとの一員として作業してもらうからね。まだ、メンバーが揃ってないから、このユニフォームに着替えてここに居てくれる?)


グリーンと白のカラーのユニフォームと帽子を渡された。更衣室に案内されここで手荷物などしまい、着替えた。上下グリーンのユニフォームと帽子の姿は結構、サマになっている。


(アイ、決まってるじゃん。)


(ティファニーもカッコいいよ。)


(私はどう?)


(セギョン、スタイルいいね。何着てもキマルでしょ?)


そんな話をしながら、更衣室を出て控え室に戻った。


(あら・・似合ってるじゃない?笑。 若いから特に目立つわね。私、ここのチームのチーフ、片瀬です。よろしくね。)


(セギョンです。ティファニーです。月岡です。よろしくおねがいします。)


いよいよ体験取材、スタートだ。








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