森の散策
遅くなりました。
間が空きすぎて小説の書き方を忘れてしまった。
しばらく不定期更新です。・い・ま・さ・ら・
私はアリスといっしょに森の中を歩いている。
私はあの日アリスを一緒に連れて行くと決めてから即マザーに許可を取りにいった。そしてそこで少し話をした後すんなりマザーから許可もらえたのだった。
まあ、説得はすでにアリスが済ませてしまっていたようで後は私の意志しだいだと聞いてましたからね。何事もなく済んで良かったです。
そんなこんなで旅の準備を終わらせチャドゥの街を後にしたのは一週間前である。
街を出る前にアリスと次の目的地?を話し合った際に、人に慣れたいというアリスの希望と珍しい物が見たいという私の希望から人が多くて様々な物が集まってきていると思われる王都を目指すことになった………ただし隣国の…。
別に今いる国の王都が駄目だというわけではなく単純に隣国の王都の方がチャドゥの街から近いというだけの話である………ただし直線距離で…。
今、街道を使うと遠回りになるので街道を使わずに最短距離で移動している所だ。…途中にある大きい森を探検したかったなんて理由で街道を無視した訳ではない…多分…。
「…リズ…わたし達今どの辺りにいるのかしら…本当に遭難しているわけじゃ無いわよね…」
少し後ろからついてきていたアリスから声がかかる。結構疲れてきているみたいです。舗装されていないどころか道ですらない所を歩くのは大変ですし。元々体力の無いアリスでは尚更なのでしょう。
「休憩にしましょうか。今は…おそらくこの辺でしょうか。」
広げた地図を指差しながら説明する。
「予定の進行スピードの五分の一程度しか進んでませんね。遠回りでも街道を進んだ方が速かったかもです。でもたいした問題ではありません。心配しなくても大丈夫ですよ。」
「どこが!!…でもそれ…わたし体力が無いことが原因よね。…」
「何言ってるんですか。この経路を希望したのは私です。…なによりゆっくりこの森を探索できて私は大満足です。」
「そ…そう…。」
食料は屋敷から持ってきたのとチャドゥの街で購入したのがまだ大量に異界空間に入っていますし、野宿する時は私が魔術で安全と快適性を確保している。
それに空いた時間に少しづつアリスに魔術などを教えているので無駄な時間なんてない。
なので多少スピードが遅くても本当に問題では無いのだった。
「ところでリズ、さっきから聞こえてきているこの音はなにかしら?」
最初は耳を澄まさなければ聞こえない程度だったが今では澄まさなくても
ザザザァー
という音が聞こえている。
「…多分川の水が流れている音なんじゃないでしょうか?…昨日は大雨でしたし…。」
私もこういう音は初めて聞くのであまり自信はないが大量の水が流れたらこんな音になるのではないだろうか?昨日は私が生まれて初めての本格的な大雨で雷までなっていた。テンションが上がりすぎてなかなか寝付けなかったほどである。
「とりあえず確かめてみれば分かることですね。」
「いやいやいや、それが本当なら近づいたら駄目よ。増水した川はとても危険だと聞いたわ。」
歩き出そうとした私の袖をアリスが掴んで止める。
「えー見てみたいです。」
「駄目よ。」
「ちょっとだけでも…。」
「駄目よ。」
「一目だけでも…」
「・ダ・メ・。」
ぐぬぬぬ…
「そんな顔をしても駄目な物は駄目なの。あまり危険な事はしないで…。」
「…はい。」
そこまで強く言われてしまうとこちらが折れるほかありませんね。
………どうすれば危険なく川に近づけるのでしょうか…。
「リ~ズ~!あなた、まだ諦めてないでしょう~。」
「いひゃい、いひゃいへふ。」
アリスがすかさず私の頬を両手で左右に引っ張ってきた。
何故ばれたのだろうか?
なんとかアリスに手を放してもらう。
「分かりました。川には近づきません。ここから見ます。」
「…え…。」
なんかアリスがいろんな意味であきれている気がする。
自分の事ながら頑固だとは思うが気になるのだからしょうがない。
「そんな事ができるの?魔術?」
そんな魔術は無いし、新しく魔術を創るのは面倒で時間がかかる上に完成するのかも不明。しかし、既存の魔術を組み合わせるだけなら…。
「なんとかなると思います。」
………………………
一時間後…
「…なんとか…見えましたね…。」
私とアリスの目の前に魔術で映像を映し出すことに成功していた。
「リズなんか凄く苦戦してたけど大丈夫?」
そう、思っていたよりずっと大変だった。最初は遠見の魔術と光を屈折させる魔術を組み合わせるだけでいいと思っていたのだ。しかし、実際やってみると像が明るすぎたり暗すぎたり、ぼやけたり上下左右逆になったり術式が干渉し合って像が映らなくなったり等々問題が大量におきたのだ。そのたびに術式を微調整するのがものすごく手間だった。下手すれば途中で自分が何をしているのか分からなくなるぐらいに。
後で自動調整するように組みなおしてやると心のなかで決意しながら映像を見る。
やはり聞こえていた音は増水した川の音だったようだ。茶色く濁った水が凄い勢いで川を流れていっている。これは流されたら高確率で水死しそうです。
確かにアリスの言うとおり近づくのは危険ですね。
他の視点からも見てみようと四苦八苦。ちょっとでも映っている場所を変えようとすると像がぶれるぶれる。急ごしらえの魔術とはいえこれはひどい。意地と根性でなんとか修正する。
………魔術に根性が必要とか初めて知りました…。
「リズ…川岸に何かいるわ!」
像の中に茶色い塊が映っていた。少し拡大してみる………根性~。
「…熊みたいですね。水でも飲みに来たのでしょうか?」
川で魚を取ることもあるらしいがさすがに増水した川でそんなことはしないでしょう。
熊は川岸にある岩に手を付き水面に顔を近づける。そのまま水を飲むかと思ったのだがすぐに顔を上げた。何かを銜えている。何かが岩に引っかかっていたようだ。
アリスがそれを見て・・・。
「…人?」
うん…まさかの水死体。なんでこんな所に?とか疑問はいくつかあるがそんなことを考えている間に熊はズルズルと引きずりながら森の中に入っていく。どうやら巣にお持ち帰りするらしい。
「…リズ!」
アリスが泣きそうな顔をしている。
「追いかけましょう。」
有無を言わせずアリスを抱き上げて走りだす。…アリス走るの遅いですし、かといって置いて行くこともできないので仕方ないのです。
とりあえずあの熊が水死体を食べるのを阻止しましょう。別にあの死体に特に思うところは無いです。ただ熊が人を食べるというのがいけない。人の肉の味を覚えてしまったら次からは生きた人も襲うようになるかもしれないからだ。水死体があるぐらいですからこの森に人が入ることもあるのでしょうし、これは気づいた私達が未然に防ぐべきでしょう。
また、あの熊は確実に仕留める必要があります。熊は一度手を出したものにはかなり執着するという習性があるので追い払っただけだと後であの水死体を取り返しにきてしまいますからね。
そうこうしている内に森の中を進む熊を見つけました。気づかれる前にやりましょう。…せめて一撃で楽にさせてあげます。
ドゴンッ
私が魔術で創った杭が熊に命中しその息の根を止めた。
………
私はアリスを降ろした後魔術で地面に穴を掘っている。あの水死体のお墓を作っているのだ。さすがに持っていけないしそのまま放置するのもかわいそうだったからだ。こんな辺鄙な所ですが代わりに立派な墓石を拵えてあげましょう、などと考えていると。
「リズ早く治療しないと…。」
「………えっ…?」
アリスが焦った声で急かしてくる。
私はどこも怪我をしていない。それはアリスも同じはずでさっきの熊も私が即死させた。まさか…と思いつつ振り返り、少しグロかったので今まで直視していなかったそれを観察する。
………どうやら私はかなり早まっていたみたいだ。
前日の夜…
「(今日は雷が鳴る度にそわそわしてたし…リズ、雷が怖いのかしら?そばによって気を紛らわしてあげよう。)」
「(何か今日は寝る場所をかなりこちらに寄せてきてますね。もしかしてアリス雷苦手なのでしょうか?)」




