仲間はチカラ
「はぁ・・・やっぱりすごいな。」
突然有名な討伐一族の羅神禁音がため息と同時に「お前の父ちゃんはすごい!」みたいな感じで言葉をかけてきた。
「そんなにすごかったか?」
「おう、かなり半端なかったぜ!黒翼に大剣へのまとい・・・同時進行で発動なんてあんまりできるもんじゃないんだぜ。」
まるでさっきのことを映画の作品を見たかのように好評していた。
「お前の一族もすごいんだろ?だからお前もこの学校の討伐生っていう選択をしたんだろ?」
すると急に顔を下におとした。聞いたらいけないことを聞いたかのように下を見ながら歩きだした。
「俺は3人兄弟なんだ。長女と長男、そして次男の俺。そして母と父がいる。そういう家族なんだ。でもな・・・父が言っていた。「俺達が討伐しなくても誰かがしてくれるから討伐生育成学校には行く必要はない。」と・・・。俺はさ、小さい頃から近所の人や学校で期待されていたんだよ。姉も兄も父の言葉に賛成したようだが、俺は嫌だった。」
長々と話が続きそうで聞き流そうとしたが最後まで聞きたいという気持ちのほうが強くでてしまっていた。
「俺はみんなの役にたちたい!活躍したい!ということより父を納得させたいと思った。勝手にしろ!と言われ学校に来ているのだが父のもう一度・・・戦う姿が見たいんだ。父と一緒に戦いたいんだ!」
かなり大きな声でみんなに聞こえてしまったようだが、そんなこと気にしている様子はなかった。むしろ、聞いてくれと言わんばかりの大きさだった。
「そうだったのか・・・。だけどお前の判断は正しいと思うよ。周りからの期待もあるが自分のやる気もあったんだろ?すげぇいいことだと思うぜ。」
教室に向かっている途中だから「喧嘩でもしてるのか?」という周りからの声が聞こえたがまったく相手にする意味がなかった。
「この学校の先生も「やる気があれば」と言っていることだし、お前ならできるぜ。頑張りなよ。親父さんにガツンと一発見せてやれ!」
励ましのような言葉に禁音は「おう。」とだけ返しいつの間にか到着していた教室へ入っていった。
「みんなの役にたちたいかぁ・・・」
「!・・・おや・・・黒鬼先生!」
あやうく学校で親父と言ってしまうところだった。気配もなく後ろに立たれてたらびっくりするだろうが!
「羅神が言っていたさっきの目標・・・すぐに打ち消されるだろう・・・。教室に入れ。さっさと帰りたいだろ。」
気になることを言っといて急に切り返したから余計興味が出てしまった。でも聞く暇もなくせかされるように教室に入れられた。そして先生の帰りのあいさつが行われた。入学式で学校初日ということもあって10分近くは話があった。延々と続きそうだった黒鬼先生の話が終わりやっと帰れることになった。いや、もう少しこの教室にいたいとかすかに思った。
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「うーん、今日は帰って色能力についてでも勉強しようかなぁ」そう思って席を立つと威瑠と禁音が飛びかかってくるように止めてきた。
「龍の家はどこらへんなの?」
「お前さんの家って近いんか?」
2人して同じ質問をしてきたから2人の協調性を感じた。この2人がチームを組んだらなぁと思ったぐらいだ。それに威瑠の機嫌が戻っているようで何よりだ。
「俺の家はだな・・・今日家から走って10分ぐらいで学校着いたっけな。」
「へ~、けっこう近いじゃない。今から来ていい?」
「はい?いやいや、さすがに今日は無理だろ。」
「まぁまぁ。そう言わずにぃ~。」
「なんで俺の家に来たいんだよ!?」
聞いてみると2人は何やら考えていてニヤニヤしている。なにをたくらんでいるのだ?
「それは・・・パーティーの結成だよ!」
「パーティーの結成?もう結成できるのか?」
「あれれ~お前さん、さっきの話聞いてなかったんかぁ~?イケない子だな。」
「イケない子で結構です。で?パーティーの結成って?」
本当に聞いたことがないことだった。パーティー結成?人の家に来てパーティーが結成できるのか?
「パーティーがね、今年から自分達の希望で決めれるようになったの。それでね、私が素手で龍が銃、禁音が剣らしいのよ。まだ種類までは決まってないけど仲もいいし、いいパーティーできるんじゃないかって思ったのよ。それとパーティーの結成のために誓いの掛け合いが必要らしいよ。」
「ち、誓いの掛け合い!?」
今まで聞いたことがない。普通なら親父が学校でのいろんなことを話してくれていた。でも本当に聞いたことがない。
「なんかさ、新しい規則がたてられたらしくてさ」
「第65条、パーティーの結成を自分達でメンバーを選べることができる。ただし、結成には条件が2つ存在する。条件その1、結成にはそのメンバーの誰かの住家で誓いの言葉の掛け合いをする。掛け合いの言葉は担任の先生に基本的台本をもらうこと。条件その2、もしもクラスでパーティーを組むこととなっているがクラスの誰かが1人でも余ってまだ結成していないパーティーでの息が合わなかったりバランスが悪かった場合は担任の先生によって1から決められていく。」
威瑠の話を横切って規則のマニュアルを読み始めた。
「ふ~ん。それで俺らで一応組んでおこうってわけか。」
新しい規則にしては悪くないものだと思った。
「それとさ・・・もし担任の先生が決めるとなった場合、そのメンバーで組むことは絶対ないらしい。2人まで同じってことはあるらしいけど。」
「ちょっとちょっと!それってバラバラになるか誰かが仲間外れになるってこと!?冗談じゃないよ!」
威瑠の機嫌がまた悪くなってしまった。でも俺達に威瑠の機嫌を治すための打つ手はない。どうすることもできないのだ。
「しょうがないだろ。そんなに言ったって。今年はもう規則は変えられないんだから。」
「まぁしょうがないですな。規則は規則。俺らはそれを守らなくてはいけないのだからよ。」
威瑠は納得のいかない表情をしたままマニュアルをにらみ続けていた。威瑠は仕方がないという表情をしなかったが思いっきり切り出した。
「まぁ別に深く考えないで・・・とにかく龍の家行っていいでしょ!?パーティー組んでくれるよね。」
「あ、ああ。そういうことならOKだぜ。」
「よっしゃー。ほな行こかぁ。」
俺はしょうがなくというより早く決まって良かったという気持ちのほうが強かった。俺達は俺の家に向かって話しながら歩いた。というより歩きながら歩いていたせいでもう自分の家の目の前だった。ヘタすりゃ通り過ぎていたと思う。
「あれ~?もう龍の家の前じゃん。」
「おっ、ホンマやな。」
まるで仕組んでいたように歩いていたようだ。
そんな2人にまた協調性を感じたがそんなの関係なく2人を家に入れた。




