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特別授業!

狭間休憩が終わり次の授業のチャイムが校内に鳴り響いた。次の授業は「武器の選択」だ。チャイムが鳴り終わるとともに先生が教室に入ってきた。

「号令。」先生の一言に今日の日直が生徒を起立さえ一礼させる。そして、着席させる。先生のまるで獲物も狙うかのような目つきに生徒は体を強張らせた(こわばらせた)。


「今から武器選択調査を行う。隣の人との相談、話し合いはナシだ。いいか?これは自分の命、またはパーティーメンバーの命にも関わる重大な選択だ。自分が簡単だなって思うものよりもこれなら続けられるというものを選んでくれ。なお武器を選択できなかった、しなかった場合強制的に素手の使用となる。それでは今より調査表を配る。ちょんと後ろまで回してくれよ。」


先生の長々と続いた説明が終わり調査表が回されてきた。だが、調査表には3種類の武器ぼ横に四角形があり、そこに丸を付けるという素っ気ないものであった。それに選べなかった場合は素手強制って・・・仮に途中で武器が交換したいと言っても学校上の規則に反するということで禁じられている。

およそ1時間に及ぶ武器調査が終わった。選ばなかったら強制的に素手といっていたが、先生は全員が選択し終えたことを見ていたようだ。

ちなみに俺が選んだのは「銃」だ。よくゲームである近接型の攻撃手と援護射撃型の遠距離手だが、俺はどっちかというと援護射撃するほうがたとえ主人公じゃなくてもカッコイイと思ったのだ。

と・・・いってもまだ「銃」というのを決めただけで銃の中での種類は決めていない。素手にはこれがないのだが、「銃」にはスナイパーライフルやハンドガンがあり「剣」には大剣や太刀、小刀などがある。


「武器を決めてもらった。それぞれいい選択ができたことを願っている。武器は決まったもののその種類をまだきめていないな。それについては入学してから3か月の期間に適正検査をする。」


適正検査!?それも3か月も!?そんなに時間をおいて見極めるというのか!?だが・・・武器の中の種類を選ぶのに3か月ならそれを扱うのは決まってからなのか?


「今日は武器調査の予定時間より早く終えることが出来たらから特別授業を行ってやる。今日、入学式を行った(おこなった)グラウンドにいますぐ集合しろ。」


そういうと黒鬼先生はコツコツと足音を立てながら職員室へと向かった。俺達のクラスは興味津々や好奇心に動かされてみんななにかのライブでもあるかのようにゾロゾロとグラウンド目指して歩きだした。


「なにが始まるか検討つくぅ?」


威瑠がそんな質問をしてきた。威瑠もかなり未体験なことばかりで興奮しているようだ。


「まぁ黒鬼先生のことだぞ!?教科書見て覚えろというより実際に実物などを見せるタイプなんだ・・・。」


「ていうことは本当に親子なんだね?」


「ん、まぁそうなんだが・・・あいつが放つ技に大声あげれないから今のうちに笑うなり叫ぶなりしとけよ。」


威瑠は俺の言葉を聞いて「人の感情はすきかってやろ!」とはいわんばかりの表情をしていた。それから威瑠は口をきいてくれなかった。

だが・・・本当に声なんて出なくなってしまうのだ・・・。そうクラスの友達に声にならない声をぶつけるかのように歩いた。


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


教室から出てグラウンドに向かっていて、ついにグラウンドに着いた。まだ黒鬼先生は来ていないようだ。


「おいおい、先生まだ来てないじゃん。」

「なにするんだろねー。めっちゃ楽しみだなぁ。」

「もしかしてもう武器持っちゃうのかな?」


きちんと整列したクラスからそんな言葉が数々聞こえてきた。みんな何を期待しているんだか・・・。

ん?・・・あんな奴うちのクラスにいたっけ?こんなに騒がしいのにまるで寝ているかのように目を閉じている奴がいた。


<<なあなあ?>>


「ん?どうかしたか?」


データを交換した覚えのある友達に小声で聞いてみた。


<<あのさ、ほら・・・あいつなんだけどさ?>>


「ああ、あいつね。あいつは武最後 切(ブラスト セツ)っていう名前らしいぜ。今になって気づいたけどあいつも珍しい名前なのになんで注目されなかったんだろうなってな思うことあるんだよ。多分存在感が薄いんだろうよ。」


<<ああ、教えてくれてありがとよ。>>


少しおしゃべりだがなかなか情報収集は早いこいつは羅神 禁音(らしん きね)。こいつも見慣れない名前だがこれでも珍しい一つの闇討伐一族の苗字である。


「すまない、緊急でなかなか許可が取れなかったが予定通りに特別授業を行うぞ。」


いつの間にか黒鬼先生が整列しているクラスの前に立っていた。


「今回は闇人形(ダークパペット)という本来君達にもミッションとして討伐してもらうことになる闇染者(ダークグライナル)の今まで討伐したもののデータも元に作ったダミーだ。これで私の武器の使い方や色能力(カラースキル)を実際に使ってみる。基本的戦闘や色の数などはまた教科書で見てもらう。本当に今回は特別授業だ。これくらいの力はないと闇染者は倒せないと思っておけ。」


クラスの生徒みんながゴクリッとツバを呑んで先生の戦い方を今か今かと待ち続けている。


「いくぞ・・・。」


そう言って先生は大剣を構えた。タッ、その一瞬の一蹴りでダミーとの距離を一気に詰めた。それから切り上げて空中戦へと移った。


「いいか、見ておけ。これが俺の色能力だ・・・。」


黒鬼先生の体を黒いオーラのようなものが包んだのだ。そのオーラのようなものはやがて先生の背中に集体し翼を生み出した。


「うあ・・・。」


みなやはり声にならないようだった。だが自分も仰天していた。先生のオーラはまだ出続けていて右手に持っている大剣も黒いオーラをまとっていた。


「はあああああ!」


先生が飛んでいる!?俺でも見たことがない。色能力や大剣にまとうオーラはみたことあるがまさか色能力を使ってこんなにも可能性を導き出せるとは・・・。

それから空中に浮いたダミーに上から下から右から左から容赦なく切り刻んでいく。


「これで最後だ。<<黒龍乱舞>>!」


技名!それを発動すると先生が上のほうからダミーを下に降下しながら高速に斬りながら最後には地面に叩きつけた。同時にグラウンドの土が四方に散りばめいた。


「今のが私の戦い方だ。だが3割も力を出していない。そして俺をまとっていた黒いオーラ・・・。あれが俺の色能力の黒だ。それぞれの色に異なった攻撃や防御があるからな。だが・・・もう色能力の色は決まっている。それを開花させるのが最初の仕事でのある。」


ダミーとはいえさっきの戦いで少々疲れているようで息切れをしていた。


「本当に言っておく。あれぐらいできないと即死だ。それにミッションに出すかどうかは俺達、先生の決めることだ。お前達の成長を見てパーティーやミッションに出撃するかどうかを決める。」

「それでは特別授業を終了する!このあとは教室に戻っといてくれ。号令!」


先生の掛け声日直が号令をかけた。

今日の特別授業はこれからの生涯において大切なものとなっただろう・・・。


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