表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一万年サボろうと思っていたら、人仕事押し付けられた神様です。  作者: nanoky


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

93/219

23 幻の常世石(3)

 黒が神力を流し込むと、石は突然揺蕩うのをやめ、水晶のような硬質な光を放つ物体へと変化した。

「何、これ、さっきと全然違う」

 ダーキニーが驚き、石を覗き込んできた。他の者も気を取られている。その隙に、私は、黒の背後から覗き込むフリをしながら、黒の肩先に手を当て、自分の神気を一気に流し込んだ。私の神気が突然流れ込んで、黒は感電したようにブルッと一瞬震えた。

“黒、じっとしてろ、動くな”

“おおっ、ワカの神気が流れていく、何と尊いっ”

 石は、白銀色の眩い光を発し、六角柱構造の結晶へと組成変化を起こした。

 ナクシット石から、太陽神の神気を取り戻していなければ、これはできなかっただろう。光の神気と闇の神気、両方を手中に収めて初めて可能な変成だ。

 もう、決定的だった。常世石で間違いない。

「うわっ、これ何だ。石が別物になってるじゃないか。御老公、凄い、凄いよ」

雷ちゃんは、ものすごく興奮した。が、大先生は、冷静に石を観察し、それから、私をチラッと見た。

(・・・バレたかな?)

 大先生に気づかれても、雷ちゃんにさえ気づかれなければそれでいいと思った。

「これは、おそらく常世石でしょう」

 黒が重々しく宣言した。

 大先生は腰を浮かした。

「常世石とおっしゃいましたか」

「いかにも」

「しかし、常世石は、上古の時代、伝説の常世国、一夜にして海中に没したというあの国でしか産出しない鉱物であったと聞いております。今では幻の存在ですぞ」

 大先生の言うとおりだ。もう、存在しない幻の石が、どうして、オリュンポス界に存在するのか是非知りたい・・・いや、厄介事に巻き込まれそうだから、本当は知りたくないな、ハハハッ。

 黒が私をチラチラ見た。黒は融通が効かない、次に何を言ったらいいのか指示待ち中だ。しかし、私がこの件に詳しいのは怪しすぎるから、うっかり口を挟めない。困ったな、どうしよう。ああ、黒、そんなに私を見るなっ、私は部外者でいたいんだから。

「ウォッホン」

 突然、大先生が大きく咳をした。

(らい)、お主は、そろそろ帰らねばならんだろう」

「ええっ、俺、もっとここにいる。話おもしろそうだし」

「お主、深夜の神域の巡回を怠ってよいのか。都の安寧秩序を護るのは、お主の大切な役目であろう」

 大先生は、重々しい口調でいう。

「うぅぅぅぅ・・・」

 雷ちゃんは神でも年若い方だから、本当は遊びたい盛りだ。しかし、尊敬する御老公の前で、仕事をさぼりますなんて言えない。仕方なく帰ってくれた。

 

 雷ちゃんが、帰った後、お茶を飲んだ大先生は、私をジロッと見て

「顯くん、おまえが一番、この物体について詳しそうだから、説明してくれんか」

と言った。やっぱり刀の大先生には、しっかりバレてたんだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ