表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一万年サボろうと思っていたら、人仕事押し付けられた神様です。  作者: nanoky


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

71/219

19 虚空蔵へショートカットだ(1)

 私は立ち上がり、すっかり冷めたお茶を自分で入れ、一気に飲み干し、椅子に腰掛けた。そして、チャックへ

「イツァムナを最後に見たものは誰、それはいつのこと?」と、尋ねた。

 チャックは、小鼻を広げ、宙を睨み、

「ウウン、ここ数十年、噂を聞いたこともなかった。エク・チュアフが、カカオ農園の裏手で、恨めしそうな顔をして立っているのを見かけたことがあると、だいぶ前に話してた。それが、人間の暦だと、五十年くらい前だと思う」

エク・チュアフとは、商売の神でカカオ豆の守護神だ。チョコレート景気で成金になったと聞いている。金にがめつく、現実的なあの神が、イツァムナを見間違えることはまずないだろう。しかし、それも五十年も前となると、位置の特定は無理だろう。

「念話を聞き取った時、何か気になることはなかったのか?」

 チャックは天井を睨み、しばらく考えた。

「雑音が多かったくらいで、特に、印象に残るようなことはなかったな」

「どこから念話が飛んできたのかも分からないのか?」

 チャックは首を振った。何も手がかりがない状態で、イツァムナを探し出せるだろうか・・・まあ、無理だろうな。

 内傷を負ったせいで、まだキリキリ痛む腹に手を当てて、私は困り果てた。今は凡人にすぎない私に、できる事は限られている。ナクシット石を取り上げ、すべてを私のせいにしたイツァムナ、今さら彼を助ける義理なんてないと断ってしまいたい。けれど、ナクシット石が盗まれたと聞いては、そうもいかない。

 

 考え込んでいると、本堂の天井付近の空間に突然裂け目が現れ、目も眩む光とともに誰かが転がり出てきた。

「何だっ」皆、一斉に注目した。

「ちわっす、金剛波羅蜜特急便です。お荷物お届けします。えっと、海雲寺の観音菩薩が、青華寺へ出張中ってことで、こちらへお持ちしました」

 両足に火車をつけた護法童子が、空中に浮かんでいた。

「エッ、わたくし宛なの」

 驚く観音菩薩へ頷き、護法童子は、荷札を確認した。

「はい、西方浄土からのお急ぎ便です。神森 顯くんへ必ず渡すようにってことです。それから、阿弥陀如来から伝言があります」

 観音菩薩は立ち上がり、拝礼を行った。

「『観音菩薩よ、顯くんへ、虚空蔵であなたが見た記録のことを話してあげなさい。きっとお困りごとの役に立つでしょう』とのことです」

(虚空蔵で見たこと・・・禁書のことね、それにバラム神の記録、そうだわ、確かに話しておかないとっ)

 観音菩薩から朱印をもらうと、護法童子は、また空間を開き、光とともに消えた。

護法童子が行ってしまうと、観音菩薩は、顯へ向き直り、

「顯くんに話しておかないといけないことがあるの」と言った。

 ところが、ダーキニーが割り込んできて、

「この荷物、顯に渡すことって書いてあるよ。顯、早く開けて、開けて、中身を見ようよ」と、叫んだ。

 観音菩薩は、先に荷物を開封させることにした。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ