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2 お父さんがやって来ました。(4)

 供養祭から、三日後。

 発掘作業が終えた教授が、他のスタッフ達と一緒に帰ってくると、コテージの前に人影があった。

「カンモリ」

と、声をかけてきたのは、シャーマンのホセだった。ホセが来たのは、供養祭の謝礼金を受け取るためだった。あの日、教授は気を失い、ホセに揺さぶり起こされた。酔っ払いのようなおぼつかない足取りで、カルロスに何度か介抱されながら、何とか自宅へ帰り着いた。頭の中は、勝手に飛び込んできた映像で、すっかり混乱し、夢か現実か分からなくなっていた。あれから、三日経ち、もう落ち着きを取り戻したが、ホセに謝礼を渡しながらも、あれが現実にあったことなのか、尋ねたいのに躊躇われる状態だった。

 神森教授の逡巡を見てとったホセが、自分の方から話しかけた。

「あそこで起こったことがまだ信じられないのだろう?」

 何もかも見通す猛禽のような目に見つめられ、教授は観念して頷いた。ホセも小さく頷いて続けた。

「あなたは、我々の神を知らない異国の人間だ。だから、信じられないのは当然のことだ。それに私も、まだ信じられないのだ」

「エッ、ホセ、あなたが信じられないとは・・・」

 ホセはしばらく言葉を選ぶために沈黙し、それから言った。

「供養祭は何度も執り行ってきた。何も現れないこともあるし、冥府の王が現れることもある。だが、あなたの前に現れたもの、あのような存在を感じたことは、私も初めてだった」

「あなたも、あの存在を感じたのか?あれは何なのだ」

 ホセはしばらく考えてから言った。

「あれは、冥府の王より、もっと上位の存在だと思う。あの気配が強まるや、冥府の王はカルロスにお告げをして、消え失せてしまった。冥府の王が場所を譲るほど強力な存在を呼び出した話は、他のシャーマンから聞いたことがないのだ」

 教授は思い切って尋ねた。

「私に息子の所へ来いと言った。そして、二つの火山がつらなる湖を見せられた」

「ならば、そこへ行くべきだ。あの儀式は、教会が悪魔の召喚式だと忌み嫌う儀式だが、呼び出すのは、我々が古来から祀るマヤの神なのだ。マヤの神が来いというのなら、あなたはそこへ行くべきだ」





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