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世界の歯車
転換点。
価値観が、生きる意味が、人生が、運命が、変化するほどの出来事。
僕の人生にはそう呼べるものが二つある。
ほかの人にも、そう呼べるものがあるのだろう。
陸上の特待生が足を故障したり、幼気な子供が紛争で親を亡くしたり、一夜にして全財産を失ったり、上げていけば枚挙に暇がないことで。
人という生き物は、自分だけが特別だと思いたがるものであるし。
だから、きっと、自分が過ごしてきた日々もありふれたものなのだろう。
同じようなことは、世界中に両の手で数えきれないほど起きているのだろう。
その形が少し違っているだけで。
けれど、僕の過ごしたあの日々は、僕にとっては重要で、ありふれていて、かけがえの無い日々だった。
僕の失った日々は、そういうものだった。




