第二十三話『魔物大侵攻(2)』
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ドラゴンは群れない。
群れる必要がない。この世に生を受けたその時から、彼らは最強の生物だからだ。
ドラゴンは賢い生き物だ。
自分と同じ個体と群れるリスクを理解している。
わざわざ自身を殺せるかもしれない生物に近寄ることはない。
故にドラゴンは群れない。
そして約1000年前。彼らは人類に手を出すこともやめた。
人類もまたドラゴンを殺せる存在になったからだ。
ベテランの魔術師20人と屈強な前衛20人が綿密な計画の上、奇襲をかけて運が良ければドラゴンを殺せる。
反対にドラゴンが人類に奇襲をかけたところで殺せるのは500人ほどだろう。
知恵があり、数があり、謎の結束と工夫と目を覆いたくなるほどの種としてのしぶとさを持つ気持ち悪い奴ら。
人類にとってドラゴンは危険生物であるように、ドラゴンにとっても人類は十分に危険なのだ。
だから500年前は互いに干渉は極力避けていたはずだった。現代でも同じだろう・・・・
それではこの光景は何なのだろうか?
目測で50を超えるドラゴンが列をなして人類の街を見据えている。
そして1匹のアースドラゴンがオレ達とホンレスの門の間に立ちはだかっている。
ハミルが連絡機に向かって叫ぶ。
「ドラゴンの群れが街に向かっています!! やはりただの魔物大侵攻じゃありません! ドラコさん! フランさん! 出撃してください!!」
『言われなくても出撃してる!!』
壁内から2匹のドラゴンが飛び上がるのが見える。そしてドラゴンにまたがる二人の兵士も見える。
竜騎士だ。
竜騎士は勇敢にもドラゴンの群れに突っ込む。人類からの攻撃に怯みもしなかったドラゴンがやっと隊列を乱すも、竜騎士に無数のブレスを放つ。
おいおいそれは自殺行為だろ・・・
2体のドラゴンで50体のドラゴンにどう勝つんだよ・・・・
苦言を吐きそうになるも、すぐに口をつぐむ事になる。
竜騎士は四方八方から放たれるブレスをヒラリと躱し、着実にドラゴンの翼にダメージを与えていく。
街に何体かの侵入を許すも、壁上に待ち構えている砲撃体と魔術隊が迎撃をする。
「俺は街に戻る。出来る限り魔物達を食い止めてくれ!!」
ハミルがアースドラゴンに向かって走り出す。
おそらく街の防衛に行くという事だが、判断と行動が早すぎる。
オレを置いて行かないで欲しい。
前方に魔人、後方にアースドラゴンというこの状況で、オレと冒険者達はあたふたする。
何人かの冒険者達が街に戻ろうとするも、アースドラゴンによって消し炭にされる。
例外なくハミルの前にもアースドラゴンが行手を阻む。
しかし瞬きの刹那。ハミルの体は消え、いつの間にかドラゴンの後方に移動しているのが見える。
すげーな今の人類・・・・いや、すごいのはデパトス軍か・・・
ー
デパトス軍がドラゴンの強襲を迎撃する間、オレと冒険者達そして数十人の兵士達はアースドラゴンと魔人の群勢によって挟み撃ちになっていた。
魔人達の対処には慣れてきたとはいえ、アースドラゴンによってオレ達の勢いは弱まっていく。
まずはドラゴンをどうにかしなければ・・・・
急いで人類勢の後方に戻ってドラゴンと相対する。
ゴツゴツした岩のような鱗で覆われた茶色のドラゴンが、オレを睨みつける。
さっさと終わらせてしまおう・・・
『水よ 削れ 貫け 押し流せ 水砲』
オレの両手から白い光が放たれようとしたその時、『バチッ』という音と共に魔術がキャンセルされる。
この感覚・・・ガイアと対峙した時のやつだ・・・魔術が使えない・・・
アースドラゴンは間抜けにも棒立ちをしているオレを不思議そうに見つめる。
数秒間見つめ合った後、ドラゴンはブレスを放つ。
瞬間。オレの魔力のシールドが消失している事にも気づく。
待てよ・・・もしかして魔術の無効化じゃなくて魔力の発散か?
「あ、やば・・・」
ブレスにオレの生身が晒される。




