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Ⅰ.why are you here...?

こんにちは。僕は最近書き始めた者です。初心者ですが、読んでいただけたら嬉しいです。


曇天。まさに曇天。それ以外に言い表しようのない空模様。

視界に映る空がいつにも増して私の心を曇らせた。

正直行きたくない。親族の集まりなど。行きたくないに決まっている。

自分に振られるおせっかいな見合い話にいい加減黙れと叫びたくなる。

余計なお世話だ、お前なぞに言われたくなどないわ。

顔を見ればその話しかしない血の繋がらない叔父嫁に無駄にイライラする。


「今日、仮病使おうかな…」


決意表明のように口に出してみる。よし、そうしよう。

どうせいてもいなくてもさほど変わらない存在なのだから。そんなに困らないさ。そうと決まれば決行だ。スマポン(スマホね)を取り出し、あまり仲の良くない従兄弟に簡単にメールを送る。

はあ〜。こういう時便利よね。わざわざ顔見なくていいし、声も聞かなくていいし。

独り言を言いながらスマポンをタップする。

紙飛行機ボタンを押して、はいもうおしまい。終わり。


さてこれからどうしようか。一気に暇になってしまった。

ぽつねんと歩道のど真ん中に立ち尽くし、考えてみる。

うん、考えてみても何も浮かばないからとりあえず歩こう。

県の真ん中の橋を渡り、あまり舗装状態が良くない歩道を歩く。

コツコツとヒールのかかとが主張する。

影すら静かに息を潜める真冬の昼が私は好きだ。

そんな空気の中に自分のヒールの音が車の走行音に混じって聞こえると、変な高揚感が出てきたりする。

ここに私は一人だけ。自分が中心。いつも中心にいられない私のすごくくだらない自己満足だ。

そんな事を考えながら歩いていたら、大きな石垣が見えてきた。かつてこの地を治めていた領主のお城だ。

本丸はかなり昔に焼失したらしいが立派な門と石垣だけは当時の面影をはっきりと留めている。

明治の動乱の跡が残る堅固な門をすすいっとくぐる。コンクリで固められたねずみ色の道を裏に向かって歩く。


小さいときは母と手を繋いでよく遊びに来ていた。母の手は温かくて握っているだけで安心した。

ズキッと胸が痛む。自分で自分の傷を抉ってどうする。

大きな松の木が城を隠すように石垣の上に並んでいる。苔むした石垣の袂に大きな櫻。

中学生の頃あの辺りをスケッチで書いて、書き上げるのに苦労した。春は見事に咲き誇り、虫が降ってくることもなくて、お気に入りだった。

きれいに手入れされた木と同様にピカピカに磨かれた木製ベンチは木の真下に位置し、夏は木陰が気持ちいい。だが今は冬だ。寒風吹き荒れる真冬。誰もいないだろうと高を括っていた。


「は…?」


思わず声が漏れた。なんとこの寒空の下、ベンチで寝っ転がっているツワモノがいたのだ。

おい、風邪引く気かよ…。

なんとなく気になってソロソロと近づいてみる。

そこには顔に白布を被せたジーンズ男がいた。



重ね重ね申し上げますが、拙いところ等はどうかご容赦してくださると嬉しいです^〰^

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