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マジカルミラー号
ブックマーク、評価ありがとうございます。
「すごいな、この鏡は。向こう側が見えるのか。」
俺は鏡の向こう側の景色を目に焼き付けながらカーテンに手を掛ける。
が、閉めないといけないと思っていても手がなかなか動かなく、カーテンをまだ閉められていない。
この鏡は魔法の鏡だ。人をここまで惹き付けるなんて悪魔的な鏡だよ。
そうだ、【マジカルミラー】と名付けよう。
これで馬車を作っても面白いかもしれない。【マジカルミラー号】とかどうかな?
中からは外が見えるけど、外からは中が見えないそんな馬車。開放的でいいんじゃないかな。
後で勇者様に相談してみよう。
「そろそろカーテン閉めないとな。」
ニーヤちゃんが湯船に浸かって身体が見えなくなったからとかじゃないんだからね!そんなんじゃない!
名残惜しいけど閉めたよ。ほめて欲しい。偉いねって言って欲しいよ。
火照る身体を鎮めるためにも何か他の事を考えよう。
そうだ!召喚されてこっちの世界に来た勇者様の話でもしようか。