カーテンは開けないで
身体を洗いシャワーで流したら湯船に沈む。
「はぁー。気持ちいい。」
湯船なんて大衆浴場に行った時に入るくらいで、そこまで良いものだとは思ってなかったが、なかなか良いな。
壁にはスイッチが何個もある。こういうのって押したくなるよね。ポチっとな。
「うわぁ!」
腰を攻撃された!
あれ?気持ち良い?
馬車でバキバキになっていた腰が軽くなったみたいだ。勢いよくお湯が出てマッサージしてくれてるんだ。
こっちのスイッチは、と。
「おぉ、幻想的な感じだ。」
照明が暗くなり、代わりにカラフルな色の照明が湯船を照らす。お湯が赤くなったり青くなったり綺麗だ。
そろそろ出ようかな。
お湯を抜いて新しく湯船にお湯をはる。さすがにこのお湯にニーヤちゃんは入れないだろ。
脱衣場で身体を拭く。
おっと、アレを忘れてた!
裸のままお風呂の鏡の前に戻ってポージングをする。
力こぶを作ってみたり、腹筋を確かめたり。ボディービルダーみたいな事をしてみる。
はは、意外に楽しいな。
ニーヤちゃんを待たせるのも悪いし、もう出よう。
「これを着るのか?バスローブ?」
説明書には下着を着けずにこれを着るらしい。
タオル生地で出来たローブは締め付けが無くて気持ち良い。
「お待たせ。ニーヤちゃんもどうぞ。気持ち良いよ。」
なんか顔赤いな。
「う、うん。私はいいかな。汚れてないし。」
なぜか目を逸らされるし。
「なんで?汗かいたでしょ。お風呂にマッサージ付いてたから腰も軽くなるよ。ほらほら。」
「わ、わかったわよ。その、カ、カーテンだけは開けないでよね。」
カーテン?
「開けないよ。鏡は他にもあるし。」
◇◇◇◇◇
ベッドでゴロゴロするも暇になった俺はカーテンが気になっている。
押すな押すなと同じで、見るな見るなは見たくなってしまう。
鏡くらい見てもいいよね。
シャッっとカーテンを開けるとそこには……
「なんで?ニーヤちゃん?」
裸で身体を洗うニーヤちゃんが居た。
大丈夫、大事な所は見えてないよ。泡で隠れてたよ。
そんな言い訳をしながら目が離せなかった。
これって俺のも見られてたよね。目の前でポージングとかしてたよね俺、全裸で。
恥ずかしくなった俺はベッドにダイブするのだった。