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俺も人間に


「クイーンの次女よ、一発やらせ……ふぐぅ!」


「サイテーですわ。」


 殴ったよ、隊長大丈夫かな?


また鼻を殴られたけど嗅覚はもう戻らないんじゃないか?


 マリーを怒らせないようにしよう。


「おい、クイーンの次女よ。いきなりひどいじゃないか。それよりお前もクイーンを名乗れなくなったぞ。クイーン家もお前を追放したみたいだからな。」


「あら、そんな事ですの?それなら心配ないですわよ。素敵な名前をソラ様に頂いたので。」


「まさか、名前持ちになったのか?」


 名前持ち?名前付けたらなにかあるのか?


「ええ、マリーという名を頂きましたわ。」


「マリーだと?婆さんがよく話してた少女話のヒロインみたいな名だな。でもさすがのソラでもクーオの花なんて持ってなかっただろ。アレはあるかどうかも解らん伝説の花だからな。オークと人間の結婚は大変だぞ。」


 そうなのか?クーオの花まだまだあるんだけど。


「ふふん、これを見てごらんなさい。ボフン!」


 あっ、人間の姿になる気だな。


「ま、ま、まさか、お前人間になれるのか!!」


「どうです?これで結婚も問題ないですわよね。」


「おい!ソラ!どこで手に入れたんだ?ん?聞いてるのか?ソラ、何で固まってるんだ?」


「あら、ソラ様からオスの匂いがしますわ。喜んでくれて嬉しいですわ。」


「なんだそういう事か。たしかに人間の身体も悪くないな。エプロンを押し上げてる胸がいいな。上からは谷間が見えているし、横から見える横乳もたまらないな。下も見えそうで見えないのがいい。お尻もいいな。マリーという名だったか、一発やら……」


「隊長!マリーをじろじろ見るんじゃねぇ~!」


 限界だった、マリーをじろじろ見る隊長に怒りを覚えたんだ。気付けば隊長に殴りかかっていた。初めて人を殴った。


 ぺちっ!


「ぐわ~!痛……くない?なんだ?ソラは手加減したのか?」


「手加減したに決まってますわ。ソラ様お強いんですのよ。」


 本気だったよ。身体強化使えばよかった。


「私の事をお姫様抱っこしてくださるし、ベッドの中でも……」


「甘くなってきたっす。」「砂糖吐きそうっすよ。」「店主やる事やってるっす。」


 マリーは何を言い出すんだ?俺を庇ってくれてるのだろうか?恥ずかしいだけなんだけど。


「ソラ様!私の為に怒ってくださったのね。キュンとなりましたわ。」


「メスの匂いがするっす。」「俺達おじゃまっすね。」「一回出るっす。」「隊長気付いてないっすよ。」「鼻が効いてないっす。」


「あの、隊長。そこの宿屋を探検に行くっすよ!」


「ちょっ、待て!押すなって。まだソラに話があるんだよ。俺も花が欲しいんだ。人間になったら人間ともヤリたいんだよ~。また来るからな~。」


 隊長はブレないな。みんな気をきかせて出て行ったみたいだけど何もしないよ?


「ソラ様?さっき殴ってくださったのって。」


「うん。マリーの身体を他の男に見られたくなかったんだ。」


「こいつは俺の女だ!みたいなヤツですの?嬉しいですわ。独占してください。」


 そう言って抱き付いてくる。色々とはみ出してて体に悪いな。良い意味で。


「そうですわ。これを言わないと。ソラ様、ご飯にします?お風呂にします?それとも、わ・た・し?」


「きゃふ。マリーーー!」


 変な声が出た俺はマリーをお姫様抱っこして二階へと急ぐのだった。




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