里を追放されたオークキング
ブックマークありがとうございます。励みになります。
「お酒飲めますか?よければどうぞ。」
食事も落ち着いてきた所でお酒を出してみた。
「おう、いただこう。」
「ダメっすよ。」「隊長に飲ませちゃダメっす。」「ダメダメっす。あーあっす。」
お供のオークが止めるも飲んでしまうオークキング。まずかったのかな?
「知らないっすよ。」「話長くなるっす。」「店主が付き合ってくださいっす。」
「おお、そうか聞いてくれるか。店主も一緒に飲め。おいお前らここにイス持ってきてやれ!」
なんか断るタイミング逃したんだけど。
「聞いてくれよ店主、俺はオークキングの次男だったんだよ。オーククイーンの次女との結婚も決まっていたんだ。でも他のオークの事も気になる。みんな可愛く見えるんだ……」
はい、話が長いです。というか同じ話を何回もする系の長い話です。
話をまとめると、マリーに逃げられても別に気にする事も無く、次の結婚相手を捕まえるためにオークジェネラルの娘の所に行ってフラれ、オークメイジの娘にもフラれ、ハイオークにもフラれたらしい。
なんでそんな自信あったんだ?オークキングってだけでモテるのかな?
みんな可愛い娘なんだと、身体はハイオークが一番なんだってさ。どうでもいい。そういうのが原因なんじゃないか。
で、結婚式がキャンセルになった事がオークキングの家に泥を塗ったと親父に殴られたらしい。それで鼻をやられて匂いが分からなくなったと。
さらに里を追放されてオークキングの次男を名乗る事も禁止されたようだ。
それで慕ってくれていた三人を連れて出てきたんだとさ。
「今まではオークキングの次男様なんて呼んでくれてたのに今じゃ隊長だぜ。悲しいよ。」
なんか可哀想になってきたな。
「これからどうするんです?」
「結婚相手を探す旅に出ようと思ってたんだが、うちのパーティーは料理が出来ない事に気が付いてな。ここには旨い料理を出してくれる店主がいるし、ここらを拠点にしてみるか。向かいの建物は宿屋みたいだしな。」
「えっ?」
「どうした?」
「い、いや~ウレシイナ~。」
「そうか、そうか、次は店主の話も聞かせてくれるか?」
「俺は……」
◇◇◇◇◇◇
「あはは、じゃあ隊長はハーレムを目指すんだね。」
「おう、俺もソラに負けないように可愛い子を見つけてみせるぜ!」
「俺はハーレムを目指してる訳じゃないんだけどな。」
「ハーレムは男の夢だぞ!あははは。」
自分の事を話しているうちに打ち解けてしまった。今では肩を組んで話をしているくらいだ。
なんだか昔からの親友みたいな感じだ。
そんな時だ、
バーン!
厨房の扉が勢いよく開かれる。
あっ、ヤバっ。マリーの事を忘れてた。
「ちょっとあんた達!な~に仲良くやってんのよ!」




