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お祭り最終日らしい


 お店を前にして感動していると、お店の隣で串焼きの屋台をだしているオバちゃんに声をかけられた。


「ちょっとお兄さん!ここに店を出す人かい?最終日に来るなんてのんびりしてるねぇ。それより酒は仕入れて来てるのかい?思ったより皆飲んでしまってねぇ、酒が足りないんだよ。」


 お酒が足りないのか。お酒なら仕入れてきている。


「ありますよ。」


「本当かい!酒が無いから串焼きも売れなくてねぇ。他の屋台も困ってたんだよ。今なら仕入れの倍の値段でも皆飲むんじゃないか?どうだい?その値段で全部出してくれないかい?」


 倍の値段で売れるのか!ぼったくり価格だよ。


「いいんですかね?ぼったくりとかって睨まれたりしないですか?」


「バカだねぇ、そんな事ある訳ないだろう。酒があるのに出さない方が睨まれるだろうよ。あと売るのは酒だけにしてくれるかい?食べ物はウチらにやらせてくれると助かる。じゃあ冒険者の連中にここに酒があるって話してくるから準備しといておくれよ。」


 そう言うとオバちゃんは大通りの方に向かって走って行ってしまった。


 とりあえず準備はしないとね。売るのはお酒だけなら外にテーブルでも出せばいいかな。


 お店のカギを開けて中からテーブルを持ってくる。身体強化の魔法を使えば一人でも余裕だ。


 どのくらいの量を出せばいいのかな?とりあえず十万ゴールド分を出しておこうか。


 テーブルに樽のままエール、ぶどう酒、あとビンに入ったお酒も出していく。


 しばらくすると通りの向こうからゾロゾロと冒険者がやってくる。思ってたより多い!一人で捌ける人数じゃないよ。無理だ。


 そう思っていると一人の冒険者が話しかけてきた。


「あんちゃん、酒はまだ在庫はあるのか?なら相談なんだが……」


 この冒険者が言うには二十万ゴールドで仕入れた分の酒を四十万ゴールドで一括で買い上げてくれるらしい。


 一人一人お金のやり取りは大変だろうから、と言ってくれた。


 助かった。もちろん断る理由なんて無いからそうしてもらったよ。


「おい!みんな!ここは俺のおごりだ!ここにある酒は全部買い取ったから好きなだけ飲んでくれ!」


「「「うおお~!」」」


 

 凄い勢いでお酒が無くなっていく。


 俺はマジックバッグから次々とお酒を補充していくマシーンとなっていた。



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