やっと拠点に到着
馬車に揺られること数時間、もう日も暮れかけた頃にやっと拠点に着いた。
長かった旅ももう終わりだ。
「ニーヤちゃんは今晩宿屋に泊まるんだっけ?俺の店に泊まってもいいのに。」
「そうしたいんだけど明日の朝一番でお客さん乗せて帰らなくちゃだからね。さすがに今日は寝ないとね。ソラ君と一緒だと寝させてもらえないからなぁ。また今度泊まらせてもらうね。」
そうなのだ。拠点に着いたらニーヤちゃんとは別行動になる。明日も朝からバタバタするから会うのも難しいらしい。仕事の邪魔はしたくないし。
「じゃあまたね。俺はお店の方に行くから。ニーヤちゃんも明日から頑張ってね。」
「うん、またね。仕事が落ち着いたら来るからね。」
そう言ってニーヤちゃんと別れた俺は、マジックバッグからお店の地図とカギを取り出す。
お店は大通りから一本外れた場所にあるようだ。
歩きながら拠点の様子を見てみると、いたる所に屋台や露店が出ている。お祭りって感じだな。
ワイワイガヤガヤと皆楽しそうだ。
「確かこの辺だよな、あった!おおっ、いい感じの店じゃないか。」
そこには思っていたよりも大きくて立派な建物があった。
一階部分はガラス張りで外から見ても広いのがわかる。ここが食堂だな。って事は二階が居住スペースか。
ここが俺の城になると思うとワクワクしてきた。
俺はこれからの未来を思い浮かべてカギをギュッと握りしめるのだった。




