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「それで、どうすればよろしいんですか?」


俺が呼び出したウンディーネ、ルネリーエが俺にそう質問をしてくる。

こう改めて彼女の姿を見ると、レヴィさん達の仲間であるウンディーネ、デレシアさんとは結構違うな。

デレシアさんは少し露出が大胆な、水着の様な服装をしていたりするのだが。

ルネリーエはワンピースを着ており、大胆さは感じさせずにむしろ清楚なイメージを持ちそうな姿をしている。

唯一の共通点としては、2人共青系統の髪の色をしている。

俺はルネリーエを見ながらそう思いつつ、今はゆっくりと彼女を見ている暇は無いかもしれないと考え直し、


「この海を、出来る限り隅々まで見回していきたいんだ。こちらの世界でお世話になっている人達に危険が迫っている。頼む」


ルネリーエの問いに対して、俺はそう説明し頭を垂れる。

すると、下げていた俺の顔に冷たい手を添えて、そのまま俺に顔を上げてと言う様に少しだけ力を込めた感じで持ち上げてくる。

ルネリーエのそんな様子に俺は素直に従って顔を上げると、


「顔を上げて下さいヴァルダ。貴方様の願いなら、私はどの様な願いでも叶えましょう」


俺にそう言ってくれる。

そして、


「では、私の(からだ)に」


ルネリーエはそう言うと、手を俺に差し出してくる。

その瞬間、俺に差し出された手から水が出現し、一気にその水が膨れ上がって水量を増してくる。

そして、


「では、失礼しますヴァルダ」


大きな水の塊を俺に覆い被せてくると、そのまま俺の体ごと水の塊を持ち上げて水上に立つと、


「ではまずは、向こうの方から参りましょうか」


そう言ってまるで滑る様に、ルネリーエは水の上を優雅に、しかし高速に移動をし始めた。

…不思議だ、水の中だと言うのにルネリーエの言葉は良く聞こえるし息すらも出来る…。

視界も問題無く、むしろ普段よりもよく見えている気がする。

それに、水だというのに人肌の温もりを感じられて、抱きしめられている様な包まれている様な感じがしている。

一体どういう仕組みなのだろうか?

俺はそう思いつつ、今はレヴィさんを見つけるのを優先しようと辺りの様子を見回し始める。

少しの間、ルネリーエと共に海上を高速で移動していると、ふと遠くに何かが見えた。


「ルネリーエ、あれは何だと思う?」

「私には分かりかねますが、接近した方がよろしいでしょうか?」


俺の言葉にルネリーエがそう聞いてくる。

そんな彼女の問いに、


「そうだな、近づいてくれ」


俺は頷いてルネリーエにそう指示を出すと、彼女は一度頷いてから少しだけスピードを落としていく。

そうして見えて来たのは、港街のテンダールに停泊していた船などに比べると壊れそうな、丈夫とは言えない船。

どうやら、外部からの攻撃を受けた様な損傷が見える。

そして、そんな船の前に海上を滑っているウンディーネ、デレシアさんが見えた。

彼女がいると言う事は、レヴィさんだって近くにいる筈なんだが…。

俺は気配察知スキルを使用するが、彼女の存在を確認する事が出来ない。


「あの人、同じウンディーネ…」

「あぁ、知り合いだ。彼女の方へ向かってくれ」

「…私の方が…ヴァルダ……ウンディーネなのに」

「ルネリーエ?」


デレシアさんに気がついたルネリーエに知り合いだという事を説明し、彼女達に近づいてくれる様に頼むと、ルネリーエが少しだけ視線を鋭くしながら何かを呟いた。

言葉が聞こえずに一度彼女の名前を呼ぶと、


「何でもありません」


ルネリーエは少し冷たい声で俺にそう返した後、デレシアさんと彼女の後ろを何とか追いかけている船に近づいていった。


「ッ!?何者です…か…?…何です?貴方ですか…」


いきなり近づいてきた俺とルネリーエにデレシアさんがひとまず危険が無い事に安堵した様子を見せる。

そんな彼女に、


「デ…ウンディーネさん。レヴィさんはどこにいますかっ?」


俺はとりあえず気になる、レヴィさんの所在を質問する。

そんな俺の問いを聞いたデレシアさんは、


「ッ!丁度良い、レヴィの手助けをして下さいッ!向こうの方角の岸で、戦闘になっていますッ!」


彼女達が来たであろう方角を指差してそう俺にお願いをしてくる。

彼女の言葉を聞いた俺は、


「ルネリーエ、頼むッ!」


事情などを聞く事も無く、瞬時にルネリーエにそう指示を出す。


「もう…あんなウンディーネの言う事を聞くなんて…。なら、私の言う事も聞いて欲しいですね…」


ルネリーエは俺に小言をボソッと呟くと、方向転換してデレシアさんが指差した方向に進み始める。

その瞬間、


「殿下をッ!殿下をお救い下さいッ!」

「お願いしますッ!私達の姫様をッ!」


デレシアさんが先導をしていた壊れそうな船から、そんな悲鳴に近い声でそう声を掛けられる。

その声に視線をそちらに向けると、船から身を乗り出して俺とルネリーエの事を見てくる女性達が見えた。

どれだけの人数が乗っているのかは分からないが、身を乗り出しているのは女性だけに見える。

そんな彼女達に、


「必ず助けますッ!皆さんもご無事でッ!」


俺は短くそれだけを伝えると、ルネリーエの力のお陰で一気に加速する。

海上を高速で移動していると、陸地が見えてくる。

島には見えないという事は、大陸である事は間違いない。

港街テンダールの近くでも無い事から、開拓などはあまりされていないただの海岸線という事だろう。

俺がそう分析をしていると、海岸線から大きな炎が噴き出したのが見えた。

それと同時に、その炎に対抗するかの様に水の奔流が海岸線から見える木々をなぎ倒していく光景が見えた。

水がレヴィさんの攻撃なのは絶対だろうが、炎は誰が…。

もしや、あれがリーゼロッテ先生が言っていた賢者の魔法か?

そうなると、流石賢者と言われるだけの力を有している様だ。

俺はそう思い、


「ルネリーエ、ここまでで構わないっ!このスピードを維持したまま俺をあそこへ吹き飛ばしてくれッ!」


ルネリーエにそう指示を出すと、


「はぁ…分かりましたよヴァルダ。いきますっ!」


水の塊に入っている状態のまま、ルネリーエは俺を投げ飛ばしてくれる。

その瞬間、俺はルネリーエに塔への帰還をして、彼女が塔へと帰ったのを確認した瞬間、


「クラスチェンジ・魔法使い(ウィザード)


スキルを使用してクラスを変更して、今度は地面から生える様に空へと昇った雷が発生した場所へと突撃した。


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