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俺が話しを切り出そうとすると、ウンディーネさんが不機嫌なのか、真剣なのか判断が難しい真面目な引き締めた表情をする。

彼女のそんな表情を見て、


「ウンディーネさんはジーグでセンジンさんと話し合いを行っていたので、ジーグでの動きの進捗はある程度把握していると思います。ので、それは省いて俺が今行っている事、そしてその結果で起こり得る状況の変化などの説明をさせて頂きます」


俺がまずは説明する事を教える。

俺の言葉に反対意見が返って来ない様子に、続きを話しても構わないだろうと考え、


「俺の家族である者達が、センジンさんと協力してジーグの方達のレベルを上げる事に今は重点を置いています。人族のレベルも大した事は無いのですが、数は圧倒的に向こうの方が勝っている状態ですので、そこで数を補う必要があるので。帝都で保護をした亜人族の方達にも、これから反乱に参加する有無を聞いて回りますが、それでもやはり戦力は足りていない状態です。そこで今俺は各地にいる亜人族の方達に事情を説明し、反乱に参加するかどうかを聞いている状態です。人数はまだ少ないですけど、戦力としては申し分ない方達の協力も取り次ぐ事が出来ました。戦闘だけでは無く、後方支援を頼める人達もいます。戦闘になった際の回復などを支援してくれる人達で、危険な事に変わりはありませんが反乱に協力してくれる心強い人達です。ウンディーネさんは、帝都の状況は詳しく知っていますか?」


今俺が優先している事を説明して、ウンディーネさんがどれ程の状況の把握をしているのかを確かめる。

俺の言葉を聞いたウンディーネさんは少しだけ頷き、


「貴方ほど詳しくは知りませんが、それでもセンジンさんとの話し合いの際に話をしています。帝都の戦力については、先日まで剣聖と呼ばれる人がジーグに潜入していた様ですが、それが大陸に帰還した可能性があると聞きました。…正直に申しますと、その剣聖がどれだけの実力を持っているのかは分かりませんが、こちらにはレヴィがいます。件の剣聖にも負けないと思っています」


質問に答えてくれるのだが、あまり詳しい情報はやはり知らないか。

俺はウンディーネさんの言葉を聞いてそう思い、


「ではまず、俺が帝都の戦力などの詳しい情報を教えます。帝都の戦力は主に帝都の街を護っている騎士団、モンスター討伐などを生業にしている冒険者、魔法を使う事が出来る貴族、そして統治している周辺国の戦力。膨大な数の人族が相手になる事は確定しています。そしてその中には、弱い者もいれば剣聖レベルでは無くても強い人達も多くいると思います。レヴィさんの強さも普通では無いですが、油断は禁物だと考えた方が良いでしょう」


戦争になった際の、帝都に集結する戦力の規模を説明する。

それと同時に、レヴィさんにだけ期待を込める事の危険性を説明をしておく。

俺の言葉を聞き、ウンディーネさんは少しだけ不満そうな表情をする。

どうやら、レヴィさんの事を言われた事があまり良く無かった様だ。

それだけ、彼女がレヴィさんを家族として、そして戦友として信頼をしているのかよく分かる。

俺はウンディーネさんの様子を見ながら、


「しかしウンディーネさんも含めて、亜人族の方達にはその特性を活かした戦闘が良いと思っていま………ん?あれ、今更ですけど、俺は今ウンディーネさん達が反乱に参加する事を前提に話をしていましたけど、良いんでしょうか?」


俺は亜人族にしか出来ない戦闘に関する工夫を提案しようとして、俺が勝ってに話を進めている事に気がついて一度話を中断する。

すると、


「…元々反乱に参加するつもりではいました。決して、貴方が信用出来るからというつもりでは無い事を言っておきます。………あの頑固者とそのご家族の為にも、私達が出来る事をしてあげたいのです。あの者は臆病ではありますが、弱者では無いので…」


ウンディーネさんは俺に調子に乗るなと言いたげに注意の言葉を言い、建物の奥の方へと視線をずらしてそう囁いた。

その言葉に俺は、


「…では、その為にももっと具体的な話を続けましょうか」


追及をする事はせず、話を戻す事にした。

ここで変に巨人族の男性とその家族の事を大切に想っているみたいな指摘をして、一言多い相手だと思われるのは嫌だからな。

俺はそう思うと、


「この戦争、人族は帝都で陣を組むと思うんですよ。人族の戦力を考えると、あまり大人数での行動は効率が悪いのと、道中の奇襲に警戒していると思います。それこそ、大人数での行動で気を張っている状態で奇襲なんてされたら、大人数故に周りの仲間が邪魔で身動きがあまり取れる状態では無いと考えられます。それを考えると人族は陣地で、戦力を一点に集結させ帝都周辺の土地に罠を張り巡らせて待ち構えると俺は予想をしています。これに関しては、後々近い内に偵察しに行く予定ですのでハッキリとまでは言えませんが、個人的に自信があると自負しています。もし海を渡るを邪魔しに来ると言っても、戦力は結構分散してくると思います。人族は、海に住んでいるレヴィアタンの事を警戒していますからね。あえて、こちら側の土俵に来る事はしないのではないかと思っています。そしてここからが本題と言いますか、ウンディーネさん達にお願いしたい事なんですけど…」


反乱に対して、帝都側が行うであろう事を説明した後、俺は一度言葉を区切ってウンディーネさんの事を窺う様に見る。

俺のそんな様子に、ウンディーネさんは、


「続きをどうぞ」


淡々と、少しだけ面倒くさそうに俺へ次へと促してくる。

彼女のその言葉に、俺は感謝しつつ、


「ウンディーネさん達には、ジーグから大陸へ移動する際のセンジンさん達の護衛と、もしもの際の逃げ道である海上の警備をしておいて欲しいんです。人族に負ける事は無いですが、やはり命の奪い合いともなると怪我人は出るでしょうし、重傷者だって出ると思います。一応俺の方で回復薬などは準備しますけど、それでも数が追い付かずに危なくなる人だっていると思います。そんな人達を一時的にでも避難させると考えると、やはりここら辺が最適だと思いまして…。どうでしょうか?」


ウンディーネさんにそう話を持ち掛けた。


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