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俺の言葉にレヴィアタン…レヴィさんは少し表情を歪ませた顔を俺に向けて、


「足で踏む感覚、変な感じ。凸凹してる…」


俺の問いにそう答える。

その言葉に俺は苦笑し、


「やはりレヴィさんからしたら、海で泳いでいる方が楽ですよね。ウンディーネさんも、おそらくそう思っているんでしょうけど」


そう言うと、


「人型も、結構面倒。気を張りっぱなしで、気を抜く事が出来ない」


レヴィさんは不満そうに俺にそう言ってくる。

確かに、ウンディーネさんはあまり本来の姿から変化をさせていないから分からないが、レヴィさんはあの大きな体を俺よりも少し背が低い大きさまで制御していると考えると、気を抜くなんて出来ないだろう。

更に、気を張っている状態で歩き慣れていない土を踏んで歩くのは大変だと思う。

俺はそう思うと、


「海とは違って、地面だとレヴィさんの体も存在するだけで大変な事になりますよね。辺り一帯の木々とかなぎ倒されてしまいそうです」


冗談を交えながらそう言い、


「人の姿でも、海の中と地面の上では違いますか?…というか、あえて人の姿で海の中にいたりするんですか?」


更にそう質問をしてみる。

すると、俺の質問を聞いたレヴィさんは、


「違う、やはり海はどの様な姿でも快適。海の中だけに限らないけど、皆と昼寝をするのに大きいままだと大変だから、この姿になっている事もある」


素直にそう答えてくれた。

レヴィアタンの昼寝姿とか絶対に見てみたいのだがっ!

俺はレヴィさんの答えに即座に欲望が出てきてしまうが、何とかその言葉を心の中だけに留めて、


「レヴィさん達も、ゆっくりとしたい時はありますでしょうし、特に貴女は大きいままだと色々と不便な事もあるんでしょうね」


俺はそう言い、ある事を思い付く。

しかし、それを彼女に言うのはどうなのだろうか…。

俺がそう思っていると、


「不便ではある。でも、まだマシな方。もっと自由が効かない者達も存在する」


レヴィさんが俺にそう言ってくる。

それを聞いた俺は、おそらく彼女と共にいたセイレーン達や他の種族の事を言っているのだろうと考える。

そう考えると、やはりレヴィアタンという個体は他の種族に比べてマシなのかもしれないな。

俺はそう思いつつ、


「いずれ、レヴィさんの仲間とも話をしてみたいですね」


彼女にそう伝えると、レヴィさんは歩み進めていた足を止めて立ち止まる。

俺も彼女が止まった事で歩みを止めるのだが、何か彼女の気に障る様な事を言ってしまったかと不安になる。

所詮俺は人族だ、彼女は良くても他の者達が人族である俺に恐怖心を抱かない訳では無い。

彼女の仲間達を怖がらせてしまう存在が、話をしてみたいなどと言う事が駄目だったかもしれない。

俺はそう思い、


「すみません、皆さんの事も考えずに発言をしていました。今の言葉は忘れてください」


謝罪と、先程の発言の取り消しをお願いする。

しかし俺の言葉が聞こえていないのか、レヴィさんは身動きも取らずに立ち尽くしている。

少しだけそんな無言の時間が経過すると、ようやくレヴィさんが斜め後ろにいる俺の事を見る為に振り返り、


「この後、一緒に行く?」

「え?」


突然の質問に、俺は疑問の声を漏らす。

どこへ行くのだろうかとは思っていたが、その事についてでは無いよな。

となるとレヴィさんが言う、この後と言うのはジーグでの用事が終わった後という事か?

しかしどこへ?

まさか、彼女達の住んでいる場所か?

俺はレヴィさんの言葉に思考し、


「俺は明日からなら、暇という訳では無いですが時間は空いています。今日すぐには、ジーグを出る訳にはいかない理由がありまして…。それでも構わないと言ってくれるのなら、ぜひ一緒に行ってみたいです」


レヴィさんの言った一緒に行く場所を彼女達の住んでいる一帯だと想定して、俺は彼女の言葉にそう返答をした。

俺の言葉を聞いたレヴィさんは、


「分かった」


一言そう言うと、止まっていた足を動かして歩き始める。

俺はもしかしたら、今ので今日の会話は終了したのかと不安に思っていると、


「……?…何をしているの、おいで?」


付いて来ない俺の気配を感じ取ったのか、レヴィさんはすぐに振り返ってそう言ってくる。

どうやら、何とかまだ話せる様だ。


「すみません」


俺は彼女に謝罪をしてすぐに彼女の元へと駆け寄ると、俺が付いて来る事を確認したレヴィさんはまた歩き出す。

そう言えば、彼女はウンディーネさんとは違う理由でジーグに来た様だが、どの様な用事があるのだろうか?

そんな疑問を抱きつつ彼女の後を追いかけ続けると、やがてレヴィさんは一軒の店の前で足を止めた。


「ここって、飯屋だったよな?」


一軒の食事処の前で、レヴィアタンであるレヴィさんは足を止めたのだった。

そのあまりにも意外な組み合わせに、俺は不思議に感じる。

レヴィアタンが港町の食事処にわざわざ足を運ぶ、足が無い状態から変身をしてまで…。

言葉にすると、より謎が深まるな。

いや、多分食事をしに来たとは思うんだが…。

俺がそう思っていると、


「入ろ」


レヴィさんはそう言って扉を開けて中へと入る。


「は、はい」


俺も彼女に続いて店の中へと入り、あまり整えてあるとは言えない席へと座る。

前に座っていた人の乱雑に置いた椅子や、使った物などをテーブルの端に寄せて置く。


「いらっしゃい」

「魚、焼いたの」

「………俺も同じ物を」


店主の男性がテーブルに来て、俺が端に寄せた食器などに手を伸ばして片付けをし始めると、レヴィさんが注文をする。

俺も少しだけ考えた末、レヴィさんと同じ物を注文をする。

短い返事を返して、店主は店の奥にある厨房へと向かった。

俺は少し疑問に感じ、


「レヴィさん、焼いた魚好きなんですか?」


そう質問をすると、彼女は少しだけ微笑み、


「生の魚も良いけど、焼いたのも好き。後、この姿なら味わって食べる事が出来る。本来の姿だと、水ごと飲み込んで味が分からない事が多い」


俺の問いにそう答える。

彼女の言葉を聞き、大きい体故の悩みだな。

貴重であるしこれからの参考になるなと感じつつ、俺は待ち遠しそうにしているレヴィさんを見て笑う。


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