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403頁

女王と共に妖精の国の花畑の様に咲き誇っている場所を抜けて、森の中へと入って行く。

少し歩いていると、ここへ来る前に見た植物で出来たゴーレムが立っているのが見える。

その様子から、どうやら女王が見送りにわざわざ待機させてくれていたのだろう。

俺がそう思っていると、


「ここまでですね。では、ヴァルダ・ビステル様。今後の事は、またいらして下さった時に続きをお話しましょう」


女王が俺にそう言って、少し先にいるゴーレムの元まで飛んで行くと、ゴーレムの肩の部分に着地をして俺の事を見てくる。


「分かりました、今日はお時間をいただき、ありがとうございました。それと、巨人族の情報を提供して下さった事も感謝しています」


俺はゴーレムの肩にいる女王にそう感謝の言葉を言う。

感謝の言葉を聞いた女王は、微笑んだ表情を俺に向けると、


「こちらこそ、貴方には感謝をしています。今まで自国に閉じこもっていた私達に、外の世界を見せてくれる機会を与えて下さった事、とても感謝をしています。ありがとうございました」


彼女も、俺に感謝の言葉を伝えてくる。

互いに感謝の言葉を伝え終え、俺は失礼しますと伝えて歩き始める。

後ろから見送りの視線を感じつつ、このまま巨人族の集落に行くには時間がどれ位掛かるか分からないな、今日は一度ジーグに戻って、明日の朝から動いた方が良いかもしれないな。

これからの事を考え、俺は今日の所はジーグに一度帰還する事にした。

歩き続けて、ジーグまで帰って来た俺はその足でそのままエルヴァン達がいるであろうフランメさんがいる洞窟の前に向かう事にする。

そうしてエルヴァン達がいる洞窟前の広場までやって来ると、俺はやや頬を引き攣らせてしまう。

俺の目の前には、息を切らして地面に倒れている人達。

そしてそんな地面に倒れている彼らを気にしていない様に、彼らの体の上を剣を交えながら通り過ぎるエルヴァンとセンジンさん…。

いやいや、流石に横たわっている人達は退かしてあげようよ…。

俺は心の中でそう思いつつ、更に辺りに視線を移していくと、木陰で休んでいるレオノーラが見える。

普段凛ッとしている彼女が、疲れて休んでいる姿を見るのは珍しい。

俺がそう思って彼女を見ていると、俺の視線に気がついたのかレオノーラが俺の事を見て立ち上がろうとする。

彼女の動きを身て、俺は慌てて手で彼女の事を制止して、少し駆け寄る感じで彼女の元までやって来ると、


「随分と疲れている様だが、大丈夫か?」


彼女にそう質問をする。

俺の問いを聞いたレオノーラは頷き、


「あぁ。一応…な。レベルが戻されたから、少しばかり体力が減っているのだろう。持久力が衰えている」


俺にそう説明をしてくる。

それを聞いた俺は苦笑し、


「こればっかりは、レベル上げを頑張るしかないですね」


未だに剣を交えているエルヴァンとセンジンさんの様子に視線を向けて、


「あんな感じで、ずっとやっているのか?」


俺がそう質問をすると、レオノーラは少し呆れた様子で頷き、


「ずっとだな。一応これでも技の練習をしてはいたんだぞ。でもそれだけでは足らないとセンジンが言い始めて、対決方式でエルヴァンとセンジンは、周りに倒れている人達を戦っていたのだ。いたんだがな…、対決する相手がいないと分かった2人は、今度は互いに攻撃を仕掛け始めてしまって…。今ではあんな感じだ」


どうしてこんな状況になったのか教えてくれる。

それを聞いた俺は、


「あの2人は剣に技術に関しては実戦が一番だと思っているタイプだからな。仕方が無いと言えばそうなのだが…」


2人の様子を見ながら、レオノーラの言葉にそう返す。

そして、決着が着くまで2人は止まる事は無いだろうと察すると、


「2人の頭が冷えるまで、ここで待たせて貰うか」


レオノーラの隣に座っても良いか確認して、彼女の許可を貰ってから隣の地面に腰掛ける。


「そう言えば、先程ジーグから少しだけ離れた妖精の国に行って来ました」


俺はエルヴァンとセンジンさんの様子を見ながら、隣にいるレオノーラにそう話しかける。

すると、


「妖精の国、どの様な所だったのだ?」


レオノーラは予想以上に、話に食い付いてきた。

そんな彼女の問いに、


「花が沢山咲いている、綺麗な所でしたよ。甘い良い匂いがしていて、妖精達は花の蜜が主食なんですよ。少しだけ飲ませて貰いましたが、とても美味しかったですね。それにその花の蜜が特別で、飲むと力が僅かに強まったりする効果があって、帝都への反乱に役立つと思うんです」


俺は早口になって妖精の国の説明をする。

俺の話を聞いたレオノーラは少し驚いた様子で、


「面白い種族の様だな。花の蜜を主食にしているとは、それでお腹は満たされているのだろうか?」


そう言い、更に続けて心配そうな表情にもなる。

レオノーラのそんな表情に、


「言い忘れていましたけど、妖精の皆さんの背丈は結構小さいですよ。俺の手首から、指先くらいの大きさしかありません」


俺は彼女達の姿について説明していない事に気が付いて、手の平を彼女に見える様に差し出しながら先程の説明に付け足して説明をする。

俺の言葉を聞いたレオノーラは、俺の手を見た後に、


「それは、また小さな者達だな。反乱に加入するには、少し酷なのではないか?それとも、それほどの力を有している者がいるのか?」


俺にそう聞いてくる。

彼女の問いに対して、


「その件は、まだ確定とまでは言えませんが話はしてあります。妖精の皆さんは植物を操って物を疑似的に作る事が可能です。それを生かすために、彼女達には戦闘ではなくサポートに徹して貰いたいと、俺は今の所考えていますね」


俺がそう答えると、レオノーラは少し安心した様子でそうか、と呟く。

彼女の様子を見た俺は、


「今度、レオノーラも一緒に来てみますか?やはり、俺や妖精の皆さん以外の意見も聞きたいです。それに、妖精の皆さんはあまり外の世界の人に会った事が無い様で、結構怯えられてしまったんです。それも、反乱に加入する際にはある程度取り除いておかないといけないと思っていますので、レオノーラが適任ではないかなと思います」


彼女にそうお願いをすると、彼女は少し照れた様子で少しだけ頬を指先で掻くと、


「私に出来る事なら、協力させてもらうさ」


笑ってそう答えてくれた。


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