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昨日は更新をする事が出来ずに申し訳ございません。

代わりに、今日更新させて頂きます。

俺の質問を聞いたシェルガさんは、俺の事を見て、


「何通りあるかなど、私達が調べていると思うか?」


そう言ってくる。


「正直、体を交える事が一番効率が良いんだよね~!向こうもこっちも気持ち良いし、最高だと思うけどなぁ~!」


そして、ジャブジャブさんも純粋な笑みを俺に向けてそう言ってくる。

その言葉を聞き、


「確かに効率の事を考えるとそれが一番なのかもしれませんが、それでは協力出来ないという人もいるかもしれません。現に俺は、貴女達に精気を分ける事が出来るのなら協力したいと思っています」


俺がそう説明を、ジャブジャブさんにもシェルガさんにもする。

俺のその言葉を聞いた2人は、まるで獲物を見つけた様な鋭い視線を俺に送ってくる。

しかしその表情は恐怖心を抱かせるというよりかは、まるで反対の様な感想を抱かせる。

獲物から自分達の方へと誘い出す、蠱惑的な視線なのだ。

惑わされる、おそらく俺が塔などやシェーファ達と出会っておらず彼女達と出会っていたら、俺は二つ返事で彼女達の話に飛びついていただろう。

そう思わせる程、今の彼女達の表情は魅力的に見える。

俺はそう思いながら、


「ただし、それこそ体を交えるつもりは無いのですよ。それ故に、効率が悪くても他の方法で俺は貴女達に協力したい」


シェルガさんとジャブジャブさんにそう伝えると、俺の言葉を聞いた瞬間2人の表情が穏やかなモノへと変化させて、


「そこまで言われたのなら、私達も少しは自分達の意見を譲らないといけないな」

「そうだね~、折角私達に協力的なのにここで深追いをして嫌われたくないも~ん」


そう言い合うと、シェルガさんは横たわっていた状態から座った状態へと姿勢を正して、


「分かった。では方法を教えよう」


シェルガさんがそう言うと手を俺に見せる様に前へと突き出して、


「基本的には、まず体の接触が必要だ。接触無しでの精気を取る事は完全に出来ない。それは了承して欲しい」


俺にそう注意事項を先に話してくれる。

彼女の言葉に、


「手での接触程度でしたら、俺達が断る事などありません」


俺がそう返すと、シェルガさんは一度頷き、


「そして触れる場所だが、簡単に言えば効率が良いのは脈動するここ、心の臓器に近い胸元が一番効率が良い。更に言うと、互いの心の臓器同士を近づける事で手で触れるよりもより効果がある事は分かっている」


俺にそう教えてくれた。

そして、


「手で触れるだけであるのなら、相手の体ならどこでも大丈夫だが、心の臓器から遠い手や足の先に触れた程度では、あまり効果が得られない。…我らが心の臓器付近に触れるのを恐怖しているのなら、それは仕方が無い事だとは思う。アンリはともかく、貴様は人族。鋭い爪も牙も、翼だって生えてはいない。脆弱な人族が我らに触れて恐怖するのは当たり前ではある」


更に続けて俺にそう言ってきた。

すると、


「そんな事はありません!僕達のヴァルダ様は人族とか亜人族とか、そういった考えで見て欲しくはありませんッ!このお方は、種族の差など関係無く皆が頭を垂れて崇拝するべきお方なのですッ!!」


今まで黙っていたアンリが、シェルガさんの言葉を訂正する様に、少し気持ちが昂った様子でそう言ってくれる。

…言い過ぎだとは思う、別に俺はアンリが思っている程凄い人物では無いぞ?

俺はそう思いつつも、アンリの言葉を否定する言葉を口にしない。

今のアンリの言葉を否定してしまったら、アンリの期待や尊敬の気持ちなどを否定してしまうのだ。

それだけは出来ない、今の俺はアンリの言う様な立派な人物では無い。

故に俺はアンリや皆が言ってくれた様な人物になれる様に、努力し続けていくしかない。

俺はそう思うと、


「アンリの言う通りです。俺は貴女達がここに触れても恐怖を感じる事はありません」


シェルガさんにそう伝える。

すると俺がそう言った瞬間、


「本当にぃ~??」


ジャブジャブさんが立ち上がって翼を動かし、すぐに俺の元まで飛んでくるとふわっふわの羽毛に包まれた翼を俺の胸板に押し付ける。

すると、


「お?んん?」


少しだけ違和感を感じ取る。

簡単に表すなら、MPを使い過ぎている時の体の重たさが今起きている感じだ。

魔法を使っていないのにこの感覚になるのは、少し変な感じがする。

俺がそう思っていると、


「うわっ~!何この人の精気?面白い感覚がするよ~」

「自分だけずるいぞ!その男は私が目を付けていたのだ!勝手に触るな!」


ジャブジャブさんの言葉に反応して、シェルガさんが慌てた様子で立ち上がると俺達の元まで移動し、俺の胸板に手を押し当てる。

瞬間、先程まで感じていた違和感が更に強くなる。

俺の前でシェルガさんとジャブジャブさんがじゃれ合う様にしていると、


「ヴァルダ様にそんなべたべたと触らないでください!」


俺の斜め後ろに座っていたアンリが、俺から2人を引きはがそうと2人の肩に手を置いた。

その瞬間、


「つぅかぁまぁえぇたぁ~~ッ!!」

「わぁぁ~っ!」


俺の体から翼を放したジャブジャブさんが、アンリの体を包み込むように、抱きしめる様に大きく翼を広げてアンリの体にくっ付く。

上手い具合に、誘い込まれたようだな。

俺はそう思って内心で苦笑しつつ、


「なるほど、これが精気を吸われている感覚ですか…。これでシェルガさんや狭間の町の住人が満足する事が出来る人数を集める事が出来れば、貴女達が俺やアンリに固執する必要はないですよね?」


そう質問をすると、シェルガさんは少し顔を顰めて、


「それだけの人数を、貴様が集める事が出来るのか?」


そう疑問を口にしてくる。

それを聞いた俺は、


「こんなでも、一応日々頑張って色々な人達と交流していたんですよ…。協力してくれる人だって、いるはずです」


そうシェルガさんに伝える。

俺の言葉を聞いたシェルガさんは、


「…ひとまず、貴様の言葉を信用してやる。…精気をこれだけ吸われて平然としているのは、貴様の体力やその他諸々の力が普通の男共とは違うという事だろう。その精気に免じて、今は信用してやる」


俺にそう言ってくる。

彼女の言葉に、


「ありがとうございます」


俺は内心では彼女の信用する理由に複雑な気持ちになりつつも、感謝の言葉を伝える。

…アンリは大丈夫だろうか?

ジャブジャブさんに抱きしめられて、うぐぐ…と呻いているアンリの声に俺はそう思った。


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