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393頁

シェルガさんに抱き抱えられる様に運んでもらった先は、


「洞窟?」


大きな山の中腹に、まるで口を開けているかの様に大きな洞窟の入り口があり、俺達はそこへ降り立った。

降り立ったというか、俺は落とされたと言っても過言では無いくらい乱雑に手を放されたんだがな…。

俺はそう思っていると、


「入れ」


シェルガさんはそう言って洞窟内へと入っていく。

…彼女の様子から見るに、ここは彼女の住んでいる洞窟なのだろうか?

俺はそう思いながら、


「失礼します」


一応挨拶をしてから洞窟に入る。

出入り口は外の光が僅かに入って、やや暗い程度ではあったのだが…。


「結構暗いですけど、シェルガさんはいつもこの暗さで生活してるんですか?」


洞窟の奥に入って行く程、洞窟内に入ってくる光は無くなっていき今いる場所は真っ暗に近い。

辛うじて、案内の為に先頭を歩いているシェルガさんの後ろ姿が見える程度。

後方からはアンリとジャブジャブさんが付いて来てくれている様で、話し声と足音が背後からしてくる。

俺がそう思っていると、


「ヴァルダ様、足元に気をつけて下さい。少し前の足元の岩が僅かですが出ています」


アンリが俺の事を心配する様な声でそう教えてくれる。

そうか、アンリは暗い場所もよく見えるんだよな。

俺がそう思いつつも、


「ありがとうアンリ、気を付ける」


俺はアンリに心配された事を気にして、少しだけ歩くスピードを緩めて足元を注意しながら洞窟内を歩き進める。

そうして洞窟内の奥へと来た俺達が見たモノは…。


「凄いですね…。目がチカチカしてきます」


部屋と呼ばれる様な広い広い空間に、光り輝く財宝が敷き詰められていた…。

俺が部屋に入って放った最初の一言を聞いたシェルガさんは、


「ドラゴンは強欲だ。私は気に入ったモノであれば、全てを手中に収めたいと思っている程にな。物だろうが人だろうが、気に入ったモノは必ず手に入れる」


獰猛な笑みを浮かべて、俺の言葉にそう返してくる。

それを聞いたジャブジャブさんが、


「それが原因で、何回も町の皆に文句言われてるもんね~!気に入った人がいると、ここに監禁して死ぬまで精気を貪っちゃうんだもん~!」


少し不機嫌というか、自分も文句がありますと言った様子でそう言う。

それを聞いたシェルガさんは、


「ならば、力づくで奪いに来いと言っているだろう」


挑発する様にそうジャブジャブさんに返答する。

それを聞いたジャブジャブさんが、


「シェルガの強さに、皆が手も足も出ないからそう言えるんだ~!もっと私達に優しくしろ~!この性欲爆発ドラゴ~ン!」


文句が爆発したのか、シェルガさんの事を凄い呼び方をした…。

しかしシェルガさんは、


「何とでも言ってろ」


特に気にした様子も見せずに、ジャブジャブさんの言葉を受け流した。

俺とアンリはそんな2人の会話に介入する事が出来ずに、苦笑いを浮かべながらシェルガさんとジャブジャブさんとの会話を聞いていた。

すると、


「そんな事より、まずはこいつらとの話し合いをしなければいけないだろう」


シェルガさんが、未だに文句を言っているジャブジャブさんの言葉を面倒そうに聞き流してそう言ってくる。

そしてシェルガさんの言葉に、


「そうだったッ~!?」


ジャブジャブさんは何故か俺達が来た理由を忘れていたらしく、シェルガさんの言葉にハッとした様子でそう言ってきた…。

本当に忘れていた様子に、俺は笑いながら、


「では、本題に入らせて貰いますね」


そう言うと、シェルガさんは床に置いてある財宝を適当に退けると、そこに横たわる。

ジャブジャブさんは、


「これチクチクして痛いんだけど~ッ!」


置いてある財宝の、角ばった形状の物を翼で退けてそこへと座る。

俺とアンリも、あまり宝が置いていない場所を探して丁寧に宝を退けるとそこへ座る。

洞窟内にいる者達が全て落ち着いた所で、


「今回の話し合いは、俺達に協力するにはアンリ自身を貴女達、狭間の町の人達に精気を吸わせるという事らしいのですが、貴女達が提案した事で合っていますか?」


俺がそう話を切り出す。

それを聞いたシェルガさんは横たわった状態のまま、


「あぁ、私達は常に男の精気を糧としている。手段はどうであれ、それが無ければ私達は存在し続けて行く事が難しいだろう」


そう言ってくる。


「貴女達は人々に噂をされている間は存在し続けて行く事が出来る。前にその話は聞きました。しかし噂はいずれ無くなっていく、それ故に男性達の精気が必要なのも理解は出来ます。しかしアンリは、常に狭間の町に居続ける訳にはいきません。俺の力不足で彼にも様々な仕事を与えています。前回、俺が貴女達の事を噂で流すと言ったのですが、正直その手段はあまり得策ではありませんでした。それに付いては、俺の予測が甘かったと反省しています。申し訳無い」


俺は一度謝罪をする。

帝都の人達に、狭間の町の人達の噂を流してもあまり意味が無かった。

奴らは、人族以外を物同然に考えている。

そんな者達が、怪異等のシェルガさん達の話を聞いた所で、大した関心も興味も持ってなどくれなかった。

俺がそう反省していると、


「…しかし、僅かながらも存在を続けられる程度の噂は流れている様だ。それがお前の力でならこちらからも多少の感謝の言葉を送らねばならん」


シェルガさんがそう教えてくれる。

彼女の言葉に、


「俺は大した事が出来ませんでした。素直にそのお言葉を受け取る事は出来ません」


俺はそう返すと、少しだけ不満そうな表情をした彼女を見て、


「そして、アンリをここの皆さんにずっと拘束させられるのも許可は出来ません。しかし、アンリの精気が貴女達に供給されて存在を確かなモノに出来るのなら、それは俺の願っている事でもある。故にアンリ、お前が決めるんだ。俺の配下の者としてでは無く、アンリの個人の考えを聞いておきたい」


俺は彼女と同時にアンリの事も見てそう言う。

俺の言葉を聞いたアンリは、少し考える様な素振りを見せて考え込む。

アンリの言葉を待ちつつ俺はシェルガさんの事を見ると、


「聞きたい事があります。精気は、どの様な方法で何種類の方法で取る事が出来ますか?」


そう質問をした。


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