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俺が課金アイテムのハズレアイテムを紹介した後、すぐに行動を開始した。
まず、アードラー伯爵には闇オークションに行く為の馬車と闇オークションの招待状と無理をしない程度のお金を準備してもらい、ブルクハルトさんには俺の見た目を奴隷にするために色々と準備をしてもらった。
「こちらが、私が出来る最悪の奴隷への格好です。……本当によろしいのでしょうか?」
俺が指示をして最低限の奴隷に必要な物を用意したブルクハルトさんが、おずおずといった様子でそう聞いてくる。
「構いません。むしろ、闇オークションに売られる時に抵抗の意志を出さないためにも、あまりしっかりとした恰好はしない方が良いと思います」
俺はブルクハルトさんにそう言いながら、渡された物を確認する。
ギリギリ隠せると思う布に近い下着に、首輪、それと足かせと手錠。
…さて、どこに隠すか?
俺がそう思っていると、
「出過ぎた真似かとは思いますが、この手錠に少し細工をしてありまして、ビステル様のお持ちになったアイテムを入れられるようになっております」
ブルクハルトさんが俺から手錠を取って説明をしてくれる。
なるほど、分厚い金属で出来ている様に見えるが、中は空洞なのか。
俺がそう思って、
「いえ、むしろありがとうございます」
ブルクハルトさんにお礼を言う。
後は、この下着だな。
これ、色々とはみ出したりしないだろうな?
体がヴァルダ・ビステルの体になってまだ数日、しかもゲームでは存在しなかった部分も存在を確認したが、元の俺の体より逞しくなっていたのは目に見えて分かったのだが、こういう布で隠せるのだろうか?
俺はそう思い、1人で一旦着替えるとブルクハルトさんに伝えて個室に案内された。
そして案の定、はみ出してしまった…。
流石の俺も、人に見せつけながら歩くほどメンタルは鍛えられていない。
と言う事で、俺はブルクハルトさんにもう少し大きい物を下さいとお願いした。
その後、ブルクハルトさんが大きい下着を持って来てくれて、俺は安心して奴隷の真似をする事が出来る。
最初、俺は安全のためにこの下着を錬金術で強化しようと思ったが、素のステータスで十分かなと思って特に弄る事はやめる。
それから俺は、闇オークション会場に着いた時の事を考える。
今回の目標は、捕まった魔王の娘だ。
だがもしかしたら、彼女の他にも捕まった奴隷がいるかもしれない。
その人達も助けたいと、俺は思う。
奴隷の姿をしている時は、召喚士ですぐに本の中の世界に避難して貰おう。
もし複数人が捕まっていたら、アイテムももう少し用意しておくと良いかもな。
あと問題なのは、俺が闇オークションに出品する程の価値があるか判断してもらうことだが、これはブルクハルトさんに任せよう。
彼なら、まだあまり知らない俺の事も上手く売ってくれるはずだ。
会場内に入って見張りが複数人いた場合は、威圧スキルを発動して気絶でもしてもらおう。
そう考えているうちに、夜になってしまった。
俺はブルクハルトさんに今日は帝都の宿を借りると言ったのだが、彼はそんな俺に、
「そんな!ここはビステル様の考えている以上に夜は危険なんです!貴方様をそんな場所へ放り投げる様な事はしません!今日は泊まっていって下さい。部屋は見ての通り、たくさん空き室がありますから」
そう言ってくれたので、俺はお言葉に甘えて部屋を借りて明日の準備を始める。
とりあえず、明日着る物はベッドにでも置いておいて…。
まずはこの手錠にアイテムを仕掛けないとな。
俺はそう思って、ブルクハルトさんから渡された手錠を持って空洞にアイテムを入れる。
「…余裕で入るな。もう何枚か入れておいても良いかもしれない」
俺は1人でそう呟くと、アイテムを手錠に入れてばれない様にしっかりと蓋をする。
それにしても、よくこんな物が用意で来たな。
俺がそう思いながらも、職業を召喚士に変化させて本の中の世界を開く。
「さて、一度戻るか」
俺はそう呟き、静かに本の中の世界の中に帰還した。
塔の自室に帰還すると、俺は装備を外してふかふかのベッドにダイブする!
あぁ~、ふかふかで気持ちが良いなぁ~。
俺はそう思いながら、ベッドに顔を埋める。
すると、柔らかな花の様な香りを感じる。
とても良い匂いで、心が落ち着く…。
何かの香料でも焚いてくれたのかな?
俺はそう考え、塔の皆がゲームの時では無かった自我の芽生えに嬉しく感じる。
こうやってベッドに柔らかな匂い付けをしてくれるのも、ゲーム時代では無かった事だ。
気を遣ってくれているのが分かり、嬉しい気持ちと同時に少し申し訳なく感じる。
俺がそう思いながらベッドに顔を更に押し付けていると、ベッドのふかふか具合と良い匂いに眠気が襲ってくる。
このまま、寝るのも良いな~。
俺がそう思って微睡んでいると、
コンコンコン
「ヴァルダ様、おかえりなさいませ」
扉がノックされると同時に、セシリアの声が聞こえた。
俺はその声を聴いて、落ちかけていた意識が覚醒する。
「あ、あぁ。ただいまセシリア」
俺が扉の向こう側にいるセシリアにそう言うと、
「入ってもよろしいでしょうか?」
セシリアがそう聞いてくる。
「大丈夫だ」
俺が許可をすると、扉が開いてセシリアが部屋の中に入ってくる。
恰好はいつも通りだが、少し顔が眠そうだ。
「どうしたセシリア?眠たいならわざわざ挨拶に来なくても良いんだぞ?セシリアには仕事を任せ過ぎているからな。疲れているだろう?」
俺はセシリアにそう言いながら、彼女の負担を減らすために色々と考える。
まずこの塔には、セシリア以外にここまで塔の管理をできる者がいない…。
全て戦力として強化してしまったからな。
…次、皆を集めて話し合いをする時に議題として出そう。
俺がそう思っていると、
「ありがとうございますヴァルダ様。ですが、ヴァルダ様の家を護り維持していくのがシルキーとしての私の役割なのです。無理もしていないので、ご安心ください」
セシリアがそう言って頭を下げる。
そうは言っても、毎日激務だからやはり週に2日は休んでもらいたい。
目指せホワイト!
俺は静かにそう思いながら、
「そうか。…ところでセシリア、眠くはないか?」
セシリアにそう聞く。
すると、
「…はい。実はベッドに入って眠ろうとした時にヴァルダ様がお帰りになったのを感知したので、今横になったら寝てしまいそうです」
セシリアがそう答える。
俺はその言葉を聞いて、
「なら、一緒に寝ようか?俺も少し疲れて眠いんだ」
そうセシリアに提案すると、
「……はい」
なぜかセシリアが少し緊張した様子で返事をして、ベッドに入る。
すると、すぐに寝息を立て始める。
俺はそれを見届けた後、セシリアの隣に横になって目を閉じた。
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