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364頁

俺を疑う様な視線を向けてくるレオノーラに対して、


「歓楽街の奥にある建物に行ってきました。婦館では無く、更にタチが悪い普通に生活をしていた亜人族を捕まえては、高額な金額で売買をしていた様子です。帝都の検問所を通過せずに、秘密の抜け道を通って女性達を帝都に連れて来ていました」


俺は事情を説明し、そんな事をしていた者達を捕まえた事と女性達を逃がした事を報告する。

報告を聞いたレオノーラは、


「何故昨夜その事を教えなかったのだ?」


俺にそう聞いてくる。

彼女の問いに俺は、


「流石にあの人数で話すのもどうかと思ってな。それに既にその時には終わった事。食事の席で話すには少し違うと思って」


正直に答えると、レオノーラは俺の言葉を聞いて頷き、


「確かに。あの夕食の時に話すには少々違うな」


納得した声を出してくれる。

彼女のその言葉を聞いて、


「それで書類の作成と言っていたが、捕まえた者達はどうしているのだ?」


レオノーラがそう聞いてくる。

彼女の言葉を聞いて、確かに結構な時間放置してしまっていたがどうなっているのだろうと思い、


「一応檻の中に入れていたんですが、放置している時間が長いのでどうなっているか…」


俺はそう言って歩き、檻のある部屋の扉を開けて中を見ると、


「…息はしていますね。というか、あれは寝てるように見えるんですが…」


俺は檻に入っている男2人を見てそう声を出す。

俺の言葉を聞いたレオノーラも俺と同じように開いている扉の隙間から部屋の中を覗き込む。

そして、


「あぁ、あれは寝ているな。…ある意味凄い胆力ではあるな…」


レオノーラも驚いた様子の声を出すと、静かに扉を閉めて書類の作成に取りかかってくれた。

すると、


「それにしてもヴァルダ、騎士団の方はどうなっているのだ?誰もいないのでは、やはり街の方も大変な事になっていたりしているのだろうか?それに昨日の食事の時に、鎧を他者に貸し出す事について話をしたが…」


レオノーラが作成している書類から目を離さずにそう聞いてくる。

彼女のその言葉に、


「今のところ、特に大きな騒ぎを聞いてはいないな。それにレオノーラには悪いかと思ったのだが、足りない人員を依頼があまり受けられないでいる新人や第三級冒険者に力を貸してもらっている状態ですね。彼らもあまり騎士見習いとしては顔を出したくは無いらしく、レオノーラに相談した様に一応頭の装備も貸して貰いました」


俺はそう答えると、レオノーラはふむ…と少し気になる返事を返すと書類の方に集中する。

レオノーラの邪魔をしたくない俺は少し静かにしながら待っていると、


「出来た。前とは違って人数が少ない故に、すぐに出来たぞ」


レオノーラはすぐに書類を終わらせて俺に差し出してくる。

それを受け取った俺は、自分が何をすれば良いのか理解して移動すると、レオノーラが作成した書類にハンコを押して最後の仕上げを行った。

書類が完成すると、


「ありがとうレオノーラ。毎回毎回手伝わせてすまないな」


俺はレオノーラに感謝と共に謝罪をする。

それを聞いたレオノーラは、


「気にするな。これで私のやる事は終わりで良いのか?」


少し、何かは分からないが期待する様な視線と表情を俺に向けてそう言ってくる。

彼女のそんな視線を受けて俺は、彼女が何かを手伝ってくれると遠回しに言ってくれているのだと察し、彼女に何を頼むのか考える。

彼女は顔が街の皆に知られている、表立った行動は出来ない。

フードがあるマント系の装備着けて貰って、情報収集はどうだろうか?

ここまで期待している様な視線を受けて、詰所で留守番なんて言ったら彼女に幻滅されてしまうだろう。

俺はそう思い、


「では1つ、レオノーラにお願いしたい事があります」


彼女にそう告げると、レオノーラは少し口元を緩めて表情を明るくして、


「何だい?私に出来る事なら良いのだが」


そう言ってくる。

そんな彼女に俺は、


「情報収集と、それと街で見かける理不尽な扱いを受けている亜人族を出来る限り助けて上げて欲しい。情報収集や調査は、騎士団長時代から怪しいと知っている場所などを把握しているレオノーラの方が最適だと思っている。それに今のレオノーラなら、枷も無く虐げられている亜人族を助けられると思う。頼めるだろうか?」


俺がそうお願いの言葉を発すると、彼女は俺の言葉を聞いて納得した様な表情で頷くと、


「その通りだな。私も怪しいと思ってはいたが、決定打になる情報や現場を見た事が無い故に手を打つ事が出来なかった。時間もある、周りの者達からは警戒されない。今の状況はとても良い状態という事だな」


俺の言葉にそう同意して言葉を伝えてくる。

彼女の言葉を聞いた俺は、アイテム袋からフードが付いているマントを取り出すとレオノーラに差し出す。

俺からマントを受け取ったレオノーラはすぐにそれを羽織ると、


「今日の夜には、塔に戻って貰うつもりですのでそれまでには終わらせておいてください」


俺はレオノーラにそう伝える。

俺の言葉を聞いたレオノーラは分かったと返事をすると、行ってくると言って詰所から出て行った。

レオノーラが出ていき、俺も彼女に続いて彼女が書いてくれた書類を持って詰所から出ると、まずは城に向かって歩き出す。

街を歩いていると騎士の姿をした冒険者の2人組が、街の者と何かを話している姿を確認し、彼らが一応まともにしっかりと仕事をした事に安堵しつつ城へと向かう。

城に辿り着くと俺は門番をしている、人族の精鋭?騎士の1人に挨拶をして書類を持って来た事を伝えて、エメリッツに渡してくれる様にお願いをすると、意外にも騎士は快くかは分からないが引き受けてくれた。

書類を門番の騎士に預けた俺は、次に人通りが少ない場所を目指して俺は歩みを進める。

そうして人通りがない裏通りの行き止まりにやって来ると、俺はクラスチェンジを使って召喚士(サモナー)に変更すると、ブルクハルトさんの商館へと向かい始める。

流石に賑わい始めた帝都の街中を急いで走る事はあまり出来ず、俺は大人しく人波に流される様にブルクハルトさんの商館へと向かい、ようやく辿り着くとそこには…。


「………」


1人の半裸の男が、ただ静かに威圧感を漂わせて座っていた…。


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