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34頁

俺が騎士の女性を見て興奮していると、


「…チッ」

「亜人の癖に威張りやがって…」


言い争っていた2人の男性が恨み言を言いながら落ち着いたのか、冷静に動き始める。

…それにしてもあの人、亜人であることは確定だけれどどんな種族なのだろう?

角の生えている種族は何種類かいるが、あそこまで立派な角は初めて見るし、どこか神々しい。

もうこれ聞いても良いかな?

でも目立つような行動は避けないといけないと思うし…。

あぁ~~~!無理だ!

俺は心の中で葛藤したのだが我慢できずに、


「すみません!お聞きしたい事があるのですが!」


そう大きな声を出してしまった。

すると、女性が俺の事を驚いた様子でガン見している…。

そして、周りの人達も突然大声を出した俺に驚いたのか、皆俺の事を見ている…。

…我慢できなかったんだ、仕方がないんだ…。

俺は注目される事に恥ずかしがってそう思いつつ、一歩前に出る。

すると、


「…聞きたい事とは何だ?」


女性が驚いた表情から変質者を見る様な顔に変化させて、俺にそう聞いてきた。

よく見ると、凛々しい顔つきをしている。

おそらく騎士団長になるほどの強者、戦いに身を置いていたからだろう。

それにしてもこの女性が超越者とやらと聞いていたが、どれくらい強いのだろう?

俺はそう思い、


「失礼だとは思うんですが、貴女は超越者とは聞いたのですが、何をどうしたら超越者となるのですか?」


そう聞いてみる。

…他人から見たら、俺完全にヤバい奴だな。

俺がそう思っていると、


「超越者とは、レベルの限界を超えた者がそう呼ばれている。どのようになるのかは、言わなくてもわかるだろう?」


騎士団長がそう教えてくれる。

だが、ここが「UFO」と同じレベル上限だったら、俺はすでにカンストしていてそこから先に行ける方法がわからない。

この人は、俺よりも上なのだろうか?

それとも、この世界でのレベルの上限だったりするのか?

俺がそう思っていると、


「君は、超越者になりたいのか?」


騎士団長が俺のことを見ながらそう聞いてくる。

俺は騎士団長のその言葉を聞いて、


「いえ、正直超越者に積極的になりたいとは思っていません。今1番やりたいことは、貴女を俺の家族にしたいくらいです」


俺がそう言うと、騎士団長が呆けた顔をした後に目つきを鋭くする。

あ、何言ってるんだ俺!

欲望を前面に出し過ぎた!

俺がそう思って慌てて訂正しようと口を開いた瞬間、


「それは、亜人である私を侮辱をしていると捉えて良いのだな?」


怒気を孕んだ声で、静かにそう聞いてくる騎士団長。

肩を震わせて、握りしめている手もプルプルと震えている。

マズい、誤解を解こうとしてももう信用されてなさそうだ…。


「え、えっと。俺は亜人を迫害するつもりはないです。貴女が見た事がない亜人だったので、親しくなれればと言おうとしたのですが…」


俺が苦し紛れの言い訳を言うと、騎士団長が腰に差してある剣を鞘ごと抜いて構えると、


「超越者に興味があったのだろう?実際に味合わせてやろう」


そう言ってくる…。

お、俺の望まない展開で経験したいと思っていた事が叶ってしまう…。

お言葉に甘えて、少しだけ剣を交えたいなと思い、


「クラスチェンジ・騎士ナイト


職業を騎士ナイトに変更して、装備が切り替わる。

突然現れた装備に、騎士団長が警戒するのが目に見える。

それにしても、剣を抜いてから随分と構えたままだな。

警戒しているのか?

それとも騎士流で相手が抜かないと斬りかからないとかかな?

俺はそう考えつつ、騎士団長と同じように鞘ごと剣を持って片手で構える。

瞬間、


「ハァッ!!」


地面を蹴って勢いよく飛び込んできた騎士団長に、俺は珍しいタイプだと驚く。

スキルを使わずに単純な力だけでこのスピード、おそらくレベルは80以上だろう。

流石に街中であるのと、周りに観客の国民がいるから本気ではないと考えて、おそらくレベル100くらいだと仮定する。

俺は騎士団長の動きを見てそう分析しつつ、騎士団長が横薙ぎに振るってくる剣を自身の剣で迎え撃つと、ガンッと音が響いてつばぜり合いになる。

お、力は強い方だな。

ステータス的に考えると物理攻撃特化タイプか?

だが、そう考えるともっと力は強いと思う。

どういうスキル構成をしているのだろう?

俺がそう考えていると、


「敵と剣を交えている時に考え事とは、随分と余裕ではないか!」


騎士団長がそう言って、突きの連撃を繰り出してくる!

だが、そのどの剣筋も俺には見えている。

俺は冷静に握っている剣で向かってくる鞘を叩いたり躱したりする。


「ッッ!?!?」


俺の行動を見た騎士団長が、驚愕の表情を浮かべる。

…これはそこまで驚くことではない。

むしろ、ここまで戦えば相手の情報を掴む事が出来るはずだ。

俺がそう思っていると、


「…なるほど、超越者の事を聞いてくるだけの力はある。だがッッ!」


騎士団長が手をこちらに向けると、


「ファイアブレスッ!!」


手からサッカーボール位の大きさの炎の玉が俺に向かって放たれた!?

ありえない、騎士ナイトが魔法を使うなんて出来ないはずだ。

俺は少し混乱しながらも、握っている剣で炎の玉を打ち上げる!

まさか、職業による制限が無いのか?

俺がそう思いながら騎士団長を見ると、騎士団長のこちらに向けてきている手と腕が変質している事に気がつく。

人の肌をしていた所が、赤い鱗の様な物に変質していて、爪も漆黒と言って良い程艶やかな黒色をしている。

ブレスと言っていたが、口から出す訳では無いのかと少し思いながらも、彼女の姿に視線を外す事が出来ない。

すると、


「汚い亜人が…。見ろあの気持ちの悪い腕を…」

「あぁ、あんなのがヒトを名乗っているだけで虫唾が奔る…」


そんな騎士団長の事を侮辱する声が聞こえた。

気持ち悪い腕?

お前らの剛毛が生えている腕より遥かに美しく気高いじゃないか!

俺はコソコソ話しているお前達の方が虫唾が奔る!

俺が聞こえたのだから、おそらく彼女も聞こえたと思う。

俺がそう思って騎士団長を見た瞬間、俺は黙って威圧スキルを発動した!


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