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俺の言葉を聞いた従業員と客で来ていた老若男女が慌てて逃げ出そうと走り出す。
それと同時に、俺に対抗する為なのか剣を抜く従業員なども見え、逃げ出そうとしている従業員と何が違うのだろうと思いつつ、俺はまず向かって来る従業員を大剣で受け止めると、大剣を振るった力を利用してそのまま従業員を壁を貫通させる勢いで吹き飛ばすと、逃げ出した人達の体を掴むと地面に思いっきり叩き付けたりする。
従業員だろうが、客だろうが関係無く物理的に攻撃をして動けない様に叩きのめすと、ふと俺が客の老人を壁に押し付けた時に壁が崩れて1つの部屋の中の様子が見えた。
磔にされた獣人の男性が、体毛と皮膚を焼かれたのか爛れた皮膚が見え、頭から見えている獣耳が引き千切られたのか、片耳しか俺の位置からは見えずに血が垂れているのはしっかりと見える。
更に部屋の奥に女性も横たわっているのだが、息は絶え絶えで今すぐにでも回復薬を使わないといけない様に見える。
殺してはいけない、殺してはいけない、殺してはいけない殺してはいけない殺してはいけない殺してはいけない殺してはいけない……………。
俺は今もなお掴んでいる老人を、そこら辺の地面に投げ捨てると大剣を握りしめ、
「殺さないが、殺す勢いでやらせて貰おう」
俺はそう言うと、気配察知で建物から逃げ出そうとしている2人の者達に向けて大剣を振るい斬撃を飛ばす!
婦館の壁を斬り裂いて飛んだ斬撃が少しして逃げ出した者達を斬ったのか、外から悲鳴が聞こえてくる。
それを確認した俺は次に逃げ出そうとしている女性の前に立ちはだかると、
「逃げ出したらどうなるか、分かっているのだろうな?」
一応警告の為にそう呟く。
俺の言葉を聞いた女性客は、
「な、何も悪い事なんてしていないわッ!ただ人でも無い分際で、私よりも綺麗な顔をしているエルフが悪いのよ!何度も何度も!泣いて申し訳ありませんって!人でも無い化け物で生きていてすみませんって謝罪をさせただけなんだから!」
罪の告白をしてくる。
女性のその言葉を聞いた俺は女性には興味を無くした様に体ごと横に背けると、視界の端で助かったと一瞬だけ女性の表情に希望が宿る。
俺はそんな女性の顔面を、大剣を握っていない方の手で裏拳をぶち込む。
「ぶッ!」
醜い声が聞こえると、女性はそのまま婦館の床に倒れる。
「私は泣いても、許してやるつもりは無い」
俺はすでに意識を失っている女性にそう言葉を放つと、次の腰を抜かして這いずって移動をしている男性の元に歩いていき、気絶をさせる様にそのまま背中に大剣を突き刺す様に振り下ろす。
力加減をして、鞘も抜いていない状態で男性の体を大剣の刀身が貫通する事は無く、男性が痛みによる絶叫をした後に口から血と吐瀉物を吐き出して、ギリギリ意識を保っていた。
男性はその状態で動ける事は出来ないだろうと考え、更に婦館の奥へと進んでいく。
更に奥へと行くと、のん気に服装を整えている恰幅の良い、キラキラと光る指輪を全ての指に着けている男が部屋から出てきた。
しかし建物が半壊している状態とそんな婦館の中で鞘から抜いてはいないが剣を抜いている俺の事を見て、一瞬だけ焦った様な表情をするが、何を思ったのか表情が嫌な笑みに変わると、
「貴様!一体どういうつもりだ!?」
突然大声を出してそう聞いてくる。
彼のそんな言葉に、
「違法な婦館があると情報を貰ったのだ。故に、その破壊と従業者と客を全員捕まえに来た」
俺がそう告げると、恰幅の良い男性が俺を馬鹿にしている様にわざとらしく大笑いをすると、
「私を誰だと思っている!一介の冒険者だか何だか知らんが、敵に回してはいけない者に目を付けられたな!私は帝都の様々な貴族や奴隷商人と通じている!私に対した横暴な言葉と態度、後悔させてやるぞ!」
そう言ってくる…。
言葉が本当かどうかは分からないが、彼が俺の事を新しく任命された騎士団団長だとは知らない様子だ。
俺はそう思い、
「私はただの冒険者では無いし、私の事を知らないのならば知らないままでも構わないか」
俺は男性にそう伝えると、彼の出てきた部屋を見る為に歩み寄ると、男性は少し怯えた様子で後退する。
「貴様が何者かは知らん。何者であったとしても、この部屋の中を見て貴様をどうするか考えてやろう」
俺はそう言って退けと男性にそう言うと、男性は何故か笑って普通に部屋の扉の前から退いた…。
何を考えているのだろうかと疑問に思いつつ部屋の扉を開けると、
「………」
部屋に置かれているベッドで、裸で横たわっているエルフがいる姿が目に入る。
エルフという、美形な女性の顔は何度も殴られた所為で腫れており、血が滲んでいる。
息をしているか分からないが、俺から見える微かな女性の瞳には絶望しかなく生気を感じられない。
酷いなんて言葉では片付けられない程、凄惨な光景に俺は男性の事なんて忘れて部屋の中に入って女性の様子を窺う。
…息をしていない。
見ると、女性の体には男性の体液が掛けられており、女性の品位や尊厳を踏みにじっている光景に俺は怒りの気持ちが限界突破したのか、反対に冷静になってしまった。
何かに縋る様に、キツく握りしめられている女性の手は自身の手の平に爪が食い込んでいるのか、僅かに血が見える。
反対の手も同様にキツく握りしめられているが、血が滲んではいない。
片方の手だけ、爪が剥ぎ取られていた。
俺はエルフの女性の絶望に染まった瞳を閉じさせて、彼女に掛かっている男の体液を布で拭うと、俺は再度新しい布を取り出して彼女の姿が見えない様に覆い隠す。
すると、
「きひひっ!そのエルフは甚振りがいがあったぞ!どんなに痛めつけても、エルフである誇りを捨てる事はしないと言っていてな!この手に残っている皮膚を裂き、肉を穿ち、骨を軋ませる感触に興ふッッッッッ!!!!!??」
男性が後ろから放っている言葉を遮り、俺は男性の顔面を掴むと、
「それ以上喋るな」
俺は男性とは意思疎通がしたくない気持ち故に、男性にも聞こえない程小さな声でそう呟くと、男性の頭を後頭部から地面に叩き付けた後、威圧スキルを最大解放した。
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