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329頁

城を出た俺は、ひとまずエルヴァンの格好では街の住民からしたら目立っていると思い、俺はどこかに隠れる場所は無いかと考えながら街を歩く。

しかしすでに昼前の時刻、人通りは朝よりも多く起きるのが遅い冒険者達だって起きている時間だ。

それについ昨日騎士団の団長になったエルヴァンだ、つい見てしまうのは仕方がない。

しかしそれでは、俺が思うように行動できないし…。

俺はどうしたものかと考えていると、俺に近づいてくる2人の騎士が見える。

どうかしたのだろうか?

俺がそう思っていると、


「エルヴァン騎士団長でありますか?」


2人の騎士が敬礼の様にビシッと腕を胸の前出すと、俺にそう聞いてくる。

俺の名前と姿を見てそう聞いてくるという事は、レオノーラさんの配下の者では無さそうだな。

俺はそんな事を考えながら、


「そうだが、貴様達は誰だ?」


俺は返事をして、今度は俺が質問をすると、


「エメリッツ様から言伝を頼まれました!城内の警備をしているダークスと申します!」

「同じく、ギルドと申します!」


2人の騎士が冑を外してそう名前を告げてくる。

ダークスと名乗った男性は良いが、ギルドと名乗った男性は名前でからかわれそうだなと思いつつ、


「エメリッツ殿から?先程まで会っていたのだが…」


俺は彼らの言葉を聞いて疑問に思う。

何かの罠の可能性があるか?

俺がそう警戒していると、


「職務でお伝えする事を忘れていたらしいです!」


ダークスが俺にそう言ってくる。

…とりあえず、彼の言葉を聞いて続きを聞こうと思い、


「それで、言伝とは何だ?」


2人にそう聞くと、


「ハッ!前騎士団長の権限の1つである彼女の家について事らしく、その処理をお願いしたいとの事です!」


ギルドがそう答えてくれる。

レオノーラさんの家…か。

…べ、別に変態的な意味で興味津々って訳では無いのだが、非常に気になりはする。

俺はそう思い、


「了解した。しかし場所が分からないのだが、貴様達はその家がどこにあるのか知っているか?」


2人にそう質問をすると、


「俺は知らないですが…」


ダークスが申し訳無さそうに言って隣にいるギルドを見ると、


「俺の家の近くにあるので、場所は知っています!」


ギルドが俺の問いにそう答えた。

良かった、これで知らないなんて言われたらどうしようかと思っていた。

俺がそう思っていると、


「だから、エメリッツ様がギルドに言伝をお願いしたんだな。ついでに今日一緒にいた俺まで街に出れたけど」


ダークスがギルドにそう言う。

彼の言葉を聞いたギルドは少し辺りを気にする様な素振りを見せ、


「とにかく、早く行かないと俺達が無駄に時間を過ごしてるって叱られる!」


ダークスに対して焦った様な声でそう言うと、


「案内させていただきます!」


俺にそう言って案内を始めてくれた。

俺は彼の案内に素直に従い、先を歩くダークスとギルドの後を追いかける。

レオノーラさんの家、そこだったら人は来ないだろうし隠れるには丁度良いかもしれないな。

ついでにレオノーラさんを召喚して、必要な物とかを持ち出せたりしたら彼女も喜ぶかもしれない。

そうしてダークスとギルドの後を付いて行って街を歩き、やがて商店などがあまり無い住居区まで歩いて来ると、


「ここが、その家です」


一軒の家の前で止まると、ギルドが俺にそう言ってくる。

ここがレオノーラさんの家…。

周りの家と同じ大きさの家で、広い訳でも小さい訳でも無かった。

少し建物が古いのか、建物の壁には他の木材などで補強してある様なモノも見える。

…ここで彼女が過ごしていたのか。

俺はそう思いつつ、


「道案内感謝する。2人は城に戻り、職務に戻ってくれ」


ダークスとギルドにそう伝えると、2人は敬礼をして来た道を戻って行った。

2人の後ろ姿を見送り、完全に姿が見えなくなると、


「さてと」


そう呟いてレオノーラさんの家の扉の前に立つと、どうしようかと考えつつ、


コンコンコン


とりあえず扉をノックしてみる。

しかしレオノーラさんは俺の塔にいる故に、家の中から返答は無い。

扉を開けようとすると、鍵が掛かっている…。

…これはドアを破壊するしかないな…。

俺はそう思うとドアの取っ手を握り、力を込めて扉を破壊して扉を強引に開けると、


「ごめんなさい、レオノーラさん」


俺はレオノーラさんに謝罪の言葉を呟き、家の中に入る。

無理矢理外した扉を元の位置に立て掛けて外から見えない様にしておき、俺はレオノーラさんの家の中を改めて見回す。

家の中は整理されており、家具が数点置かれている内装だ。

ベッド、テーブルと椅子、それに服を入れるタンスか。

あまり物は置かれておらず、あまり生活感が無い。

ベッドの上なども綺麗に整頓されており、先日までここで寝ていたのかすら分からない。

俺がそう思いつつ、


「クラスチェンジ・召喚士(サモナー)


クラスを召喚士(サモナー)に変化させると、俺は本の中の世界(ワールドブック)を開くと、


召喚(サモン)、レオノーラ」


レオノーラさんを召喚する。

レオノーラさんを呼び出し少ししてレオノーラさんがやって来ると、


「突然呼び出されて驚いたぞ、どうしたのだ?」


レオノーラさんは俺にそう聞いてくるが、今自分がいる場所がどこか理解したのか辺りを見回すと、


「ど、どういうつもりだ?私の家は鍵を掛けてあったはずだ」


レオノーラさんは何故か少し顔を赤く染めて俺から離れる様に後ずさると、俺にそう聞いてきた。

彼女の言葉を聞いた俺は、


「エメリッツの指示で、レオノーラさんの家の権利も俺が譲られたんです。だから、家で必要な物があったら持って行こうかと思い、レオノーラさんに聞こうかと思って呼び出しました」


そう答えると、俺の言葉を聞いたレオノーラさんが少しジトッとした目で俺の事を見てくる。

嘘は吐いていないのだが…。

俺はそう思いつつ、


「鍵は、すみませんが壊してしまいました…。すみません」


更にレオノーラさんに謝罪をすると、彼女は大丈夫だと言ってくれる。

そして、


「君の心遣いに感謝する。では、このタンスだけあれば私は十分だ。それ以外の物は、対して愛着がある訳でも無いからな」


タンスを指差してそう言ってきた。

俺はそんな彼女に、


「分かりました。それと少しの間、もしかしたらここを隠れ家の様に使う可能性があるんですが、良いですか?」


そう聞いてみると、彼女は特に気にした様子も見せずに了承してくれた。


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