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311頁

レオノーラさんの握っている剣は、途中で折れてしまっている。

武器は無し、レオノーラさんはどうする?

俺がそう思っていると、レオノーラさんは握っていた折れた剣を投げ捨てると、


龍焔(りゅうえん)の舞い」


彼女はそう言って何かを始める。

見ていると、俺との闘いで少し傷が出来たりした肌や、、欠けた装備の隙間から見える肌がどんどん紅蓮の鱗に覆われ始める。

それと同時に彼女の体から炎が漏れ、彼女の体の周りをグルグルを回る様に炎が自由自在に燃え動いている光景が目に映る。

それを見た俺はここからが本番だと理解すると、先程手放した大剣を拾い構え直す。

そして、


「悪いが、私の力不足で手加減は出来ん。覚悟はしてくれ」


レオノーラさんがそう言うと、レオノーラさんの装備が溶けていくのが見える。

相当の熱を有しているのだろう。

俺はそう思いながら、


「元からそのつもりで来ている。私こそ、貴女を殺すつもりで剣を握っている」


そう答えると、レオノーラさんの鎧が全て溶けて自在に動いていた炎がまるで服の様に彼女を覆うと、追加で羽衣の様にフワフワと浮いている状態の炎も見える。

そして、


「炎よ、剣と成れ」


彼女が手を伸ばすと、そこに炎が集まって炎100%の剣が出来上がる。

あんなスキルは見た事が無い、この世界か彼女特有の力なのだろう。

ここからは、いかにあの未知数の力に対応できるかが勝負の鍵になるだろう。

俺がそう思っていると、


「行くぞッ!」


レオノーラさんがそう言うと、既に砕けた地面を蹴って一瞬で俺の元まで駆けてきた!

彼女が近づいてきただけでも周囲が暑くなり、大剣を彼女に向かって振り払おうとするが、大剣は彼女の周囲で燃えている炎に当たると、その勢いを殺されてしまう。

そんな使い方があるのか!

俺は予想外の状況に驚き、判断が遅れてしまう。

その隙を突かれて、レオノーラさんが振るった炎の剣の攻撃を入れられてしまう!


「ッ!?」


レオノーラさんが炎を操る時点で、炎耐性がある装備を身に着けていたが、それですら防ぎきれなかった熱が鎧を通じて俺の元にやってくる。

一振りでダメなら!

俺はそう思うと、今度は両手を同じタイミングで横に振り払って彼女に攻撃をしようとすると、


「ぐ…」


今度は彼女を護っていた炎を斬り裂いて、レオノーラさんに大剣が衝突する。

しかし、刃は彼女の肌には届いておらず、衝撃だけが届いた様だ。

それでも、僅かに聞こえた苦痛の声にダメージが入った事を確認すると、俺は更に両手を振り回して大剣でどんどん彼女に攻撃を加えていく!

しかし今度は俺の攻撃に合わせて防御している炎を厚くすると、俺の攻撃の衝撃が打ち消されてしまっている。

応用が効き過ぎだろ!

俺はそう思い一度彼女から離れようと脚に力を入れ、地面を蹴った瞬間!


「爆ぜろ!」


レオノーラさんの言葉と共に、炎が彼女を中心に四方八方に爆発した様に燃え盛る!

俺が脚に力を込めたのを確認し、それに合わせて炎を出した結果、


「ぐッ!」


俺は予想以上に吹き飛んでしまい、地面に足を付けてもそのまま滑って壁際まで来てしまった。

そして壁際まで来てしまった事を確認した俺が次にレオノーラさんの方に視線を戻した瞬間、目の前まで迫って来ている炎の矢の様なモノに気がついて慌てて顔を逸らす!

そして俺の顔があった所には、炎で出来た尖っているモノがあるのを見ると、それが矢ではなく槍だという事に気がつく。

自由に炎を操れる力、強いし応用が凄いな。

俺はそう思ってレオノーラさんの事を見ると、彼女は少し辛そうにしている姿が目に入る。

力不足で加減が出来ないと言っていたが、おそらく彼女はまだこの力を十分に発揮する事が出来ないのだろう。

俺はそう思いつつ駆け出し、攻撃を仕掛ける。

それに反応したレオノーラさんが炎を操って防御をしようとする。

俺は彼女を護る炎を切断する様に思いっきり大剣を振り回すと、予想以上に防御をしていた炎が脆く、簡単に切断する事が出来る。

その際にレオノーラさんがより苦しそうな表情をするのが見え、俺は彼女を護っている炎が彼女の体力か何かに連動しているのではないかと思うと、俺はそれを確認する為に炎に攻撃を何度も仕掛ける。

すると、


「く…ぐっ…」


俺の斬撃がレオノーラさんの炎を斬り裂く度に、レオノーラさんは苦し気な表情で俺に攻撃を仕掛けてくる!

刀身を伸ばした炎の剣での攻撃、そこから連撃の様に槍へと炎を変化させ、俺も攻撃だけをする訳にもいかずに大剣で防御をする。

右から横薙ぎに来る炎の剣を大剣で受け止めると、今度はそこから炎を刀身が小さに爆散して大剣を力ずくで動かされると、今度は炎の槍が俺に向かってくる。

それをギリギリで避け、無理矢理動かした状態の勢いを利用して大剣を横に斬りかかると、レオノーラさんは即座に反応して炎で防ごうとする。

このままでは駄目だな。

俺はそう思うと、


「スラッシュッ!」


騎士(ナイト)の攻撃スキルを使用して、今までの攻撃よりも速く鋭い攻撃を繰り出す!

突然の今までとは違う攻撃に、レオノーラさんも驚いた表情で俺の事を見てくる。

しかし流石はレオノーラさん、今までの戦闘スタイルが変わった事に気がついて防御に専念しようと炎を纏い始める。


「ブレイクッ!」


そんな炎を破壊する様に、今度は体全体を使う様に力を乗せた大剣の一振りを炎にぶつける!

その衝撃で俺とレオノーラさんの立っている地面が更に砕け、足場は悪くなっていく一方だ。

俺の大剣に衝突したレオノーラさんの炎が霧散する様に弾けると、俺はその炎の隙間に、


「スラッシュッ!」


もう一度速い攻撃を繰り出す。


「ぐ…うぅッ!」


俺の攻撃がようやくレオノーラさんに届くと、彼女の肌の斬り口から炎が噴き出す!

その炎で俺は一度後退すると、彼女の様子がおかしい事に気がつく。

俺が斬った傷口から炎が噴き出した後、炎が治まって血が流れるのだが、その血が闘技場の砕けた地面に落ちると、血が更に発火して彼女の周りは炎に包まれる。

限界を超えた力、まるで呪いの様だ。

俺はそう思いながら大剣を握りしめると、早々に決着を着けなければ。

そう考えて、俺は地面を蹴った。


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