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時間的にも夕食時だと思い、サール達とご飯を食べているはずだと思って食堂に来たのだが…。


「…いないな」


ルミルフルや子供達は食堂にいなかった。

しかし食堂の食事の匂いを嗅いだファルシュがお腹が空いたと言い、俺達は先に食事をする事になってしまった。

俺とエルヴァンは普通に1人前の食事をカウンターで貰い受けて席に座ると、後からやって来たファルシュが…おそらく数人分はあるであろう食事を持ってきた…。


「す、凄いな。食べ切れるのかファルシュ?」


俺がそう聞くと、


「当たり前だ!上手そうな物があればいくらでも食える!いっただっきま~す!」


ファルシュはそう言うと、勢いよく夕食を食べ始め、


「上手い~ッッ!」


感動した様に大きな声を出すと、更に豪快に食べ進めるファルシュ。

俺とエルヴァンはそんなファルシュを見た後に意識せずに互いを見て視線を交わし、


「エルヴァン、俺達も食べよう」

「はい」


そう言って夕食を食べ始める。

エルヴァンの驚いた様子を見るに、ここまでの食べっぷりは初めて見たのだろう。

そうして俺とエルヴァンが夕食を食べ終えても、ファルシュはまだ食べ続け、少ししてようやく全ての料理を食べ終えて満足した様子で、


「食った食ったぁ~」


椅子に深く座ってそう息を吐いた。

恐ろしい食べっぷりだった、彼女のどこに入ったのかと気になるくらいだ。

俺がそう思っていると、


「こら、走ると危ないわよ」

「2人共、走っちゃ駄目…」

「ご飯~!」

「お腹空いた」


ルミルフルと子供達が食堂にやって来た。

今日は少し遅く、俺達の方が早かった様だ。

俺がそう思っていると、


「ヴァルダ様、おかえりなさいませ。………エルヴァン、帰って来ていたの?」


ルミルフル達と一緒にシェーファが食堂に来て、俺に気がついて挨拶をした後に、エルヴァンにそう質問をしたシェーファ。


「あぁ。シェーファの方も相変わらずの様だな」


シェーファに話しかけられたエルヴァンがそう言う。

こう思うと、シェーファとエルヴァンが話している光景も珍しい気がするな。

俺がそう思っていると、


「まさかここのトップとも言える者達が、こんな所で話してるとはね」


ルミルフル達が俺達の席まで来てそう言ってくる。


「貴女の事でエルヴァンを加えて話をしたかったからな。食事が終わったら、少し時間を貰えないか?」


俺がルミルフルにそう言うと、


「分かったわ。ほらサール、ソル、行くわよ」


ルミルフルは俺の言葉にそう返し、サールとソルを連れてカウンターへと行こうと声を掛けたのだが…。


「「ジー…」」


声を掛けられたサールとソルは、満足気にしているファルシュの事をジッと見つめている。

どうしたのだろうか?

俺とルミルフル、他にもサール達の様子を見ていた周りの者が皆がそう思っていると、


「美味しかった?」

「いつも食べてるご飯より、美味しかった?」


そんな事をファルシュに質問をした。

2人にそう質問をされたファルシュは少し驚いた様子でサールとソルを見ると、


「今まで食ってきた中で、一番美味かったぞ」


2人にそう教える。

少し意外だな、ファルシュも自分よりも小さい子供には優しく接するのだろうか?

俺がそう思っていると、それを聞いたサールとソルは満足気にした後とてとてと小走りでカウンターの方へ行ってしまう。

それを見たルミルフルが、ヴィアンに注意する様にお願いをするとヴィアンが返事をして2人を追いかける。

そんな3人の様子を見てルミルフルが息を吐くと、


「それじゃ、少し待っていて。あの子達と夕食を食べてくるから」


俺とエルヴァンにそう言ってくる。

それを聞いた俺は、


「急がなくても大丈夫だから、ゆっくりと食べてくるんだぞ」


そう言うと、俺の言葉に返事をしてルミルフルも3人を追ってカウンターの方へと向かって行く。

彼女の後ろ姿を見て送り出した後、


「ではシェーファとエルヴァン、彼女達が食事を終えるまで少し付き合って貰おうか」


俺が2人にそう言うと、


「お任せください」

「ヴァルダ様とのお話でしたら、何があってもそれを優先します」


2人がそう返事をして、俺はまずシェーファに最近の塔の様子などを聞き、それが終わると今度はエルヴァンがシェーファに自分がいなくなってからの塔に強い者が入って来たかの質問をする。

それには俺も混ざって答え、戦闘に関しての人材はあまり塔に迎え入れていない事を伝えると、


「では、やはりあの者と、明日の戦いでこちら側に引っ張り込むあの騎士団の長が一番の可能性が?」


エルヴァンが、ルミルフルをチラリと見た後にそう聞いてきた。

俺はエルヴァンの言葉を聞き、


「一応他にも候補者はいるのだが、それは正直俺もあまり自信が無いな。レベル云々では無く、俺の配下の者として契約してくれるかどうかが分からないし」


エルヴァンにそう答えると、


「なるほど。それでヴァルダ様、明日の戦いが終わった後はどうするご予定なのですか?」


エルヴァンが今度は明日の事を聞いてくる。

俺はエルヴァンの質問に答え、エルヴァンとシェーファと共に話をしている内に時間が経過し、いつの間にかルミルフル達の食事が終わっていた。

食事が済んだルミルフルが俺達の元へやって来ると、


「それで、話って?」


そう俺に聞いてくる。

すると、


「ここに座って下さい。私は子供達の相手をしてきます」


シェーファが席を立って、サール達の方を見ながらそう言ってくれる。


「ありがとうシェーファ」


俺はシェーファにお礼を言うと、シェーファはサール達を連れて食堂を後にしようとしている。

そんな彼女達の後ろ姿を眺めた後、


「実は外で冒険者として暮らしているエルヴァンが、色々とあって明日暇になってしまってな。ルミルフルのレベル上げを手伝えないかと思っているのだが、どうだろう?」


俺はルミルフルに話を切り出す。

俺の言葉を聞いたルミルフルは、


「子供達の事があるから、それを誰かに頼めば………」

「私が引き受けましょう」


俺の言葉に、子供達が3人だけにならない様にするならと言葉を発しようとした瞬間、ルミルフルの言葉を遮る様に突然現れたセシリアがそう言ってきた。

突然現れたセシリアに、


「やっぱりまだ、貴女のソレは慣れないわ…。でも、ありがとう。貴女が見てくれているなら、安心して彼の言葉を聞く事が出来る」


お礼を言うと、俺とエルヴァンの方を見て、


「よろしくお願いします。私を、もっと強くして」


そう言って、俺とエルヴァンに頭を下げた。


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