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ベッドの上に寝ころぶ俺の手に乗っかる様に体を移動させるスゥを見て、俺はその体勢のまま笑いながら、


「スゥ、久しぶりだな」


そう声を掛ける。

俺の声を聞いたスゥは、


「~~」


小刻みに震えながら何かを言いたげに俺の手に乗っかると、まるでこちらに体を委ねている様にスライムの瑞々しい体が少しだけ柔らかくなる。

俺はそんなスゥの様子を見て体を僅かに起き上がらせると、柔らかくなったスゥの体をすくい上げる様に両手で下から持ち上げつつ、俺は寝ころんでいた体勢からベッドの上で座っている状態へ変更した。

そして、


「気持ち良いな~」

「~~♪」


まるで何かの生地をこねているのではないかと聞かれてしまう程、俺はスゥの柔らかい体をコネコネしまくる。

その際にスゥがプルプルと震え、おそらくだが喜んでいるのだろう。

抵抗をしていない故に、嫌がっている訳では無さそうだ。

俺はそう思いつつ、


「こんな感じはどうだ?」

「~~~!!」


コネコネとスゥの体をこねていた手の動きを少し変えて、力を入れ過ぎない様にグリグリさせ始める。

すると、スゥの体が柔らかい状態から体を少し硬い状態にする。

突然の俺の動きに驚いてしまったのだろうか?

俺はそう思い、


「痛くないかスゥ?」


そう聞いてみると、スゥは俺の問いに反応して体を何回か震わせる。

スゥの体の様子とその反応に、俺はスゥが嫌がっている訳では無いと分かると、


「触り心地が良いなスゥは」


俺はそう言ってグリグリと、マッサージの様に動かしていた手を止めてスゥの体を目の前まで持ち上げる。

すると、


「~~」


スゥはもっと触って欲しいのか、体を柔らかくしたり硬くしたりと態度で自分の気持ちを示す。

俺はそんなスゥを見て微笑むと、そのまま後ろに横になりスゥの体を腹の上に置く。

その瞬間、今まで俺に何をされても反抗をしなかったスゥが俺の腹から逃れようとジタバタし始める!


「お、っとと…。どうしたスゥ」


俺はスゥを落とさない様に暴れるスゥの体を押さえようとするが、体を柔らかくさせたスゥの体を押さえ続ける事が出来ずに腹の上から逃げられてしまった。


「スゥ…」


何が嫌だったのか分からず、俺は情けない声でスゥを呼ぶと、


「~~!?」


スゥは今までに見た事が無い様な、体を大きく弾ませて何かを伝えようとしてくる。

水たまりの様に薄く広く体を伸ばしたり、滑らかにしたクリスタルの様に体を上に持ち上げたりして、必死に俺に何かを伝えようとしてくる。

言いたい事は分からないが、スゥの感情が焦っている様な、慌てている様な事だけは理解出来る。

俺がそう思っていると、


コンコンコン


部屋の扉がノックされて、


「ヴァルダ様、今よろしいでしょうか?」


シェーファが扉の向こう側から声を掛けてくる。

スゥの事で忙しくはあるが、わざわざ部屋まで来たシェーファの追い返す程でも無いと思った俺は、


「あ、あぁ。大丈夫だ、入ってくれ」


扉の向こうにいるシェーファにそう言うと、


「失礼します」


シェーファの言葉と共に、彼女が部屋に入ってくると、


「あら、スゥも一緒でしたか」


俺とスゥに視線を向けて、少し意外そうにそう言ってくるシェーファ。

そんなシェーファの言葉に、


「あ、あぁ。今の今まで一緒に遊んでいたんだが、突然こうなってしまってな」


俺がシェーファにそう返すと、彼女は俺とスゥがいるベッドの側までやって来て、


「どうしたのスゥ?」


スゥに優しく話しかける、

シェーファに声を掛けられたスゥは、シェーファの言葉を聞いてぷるるんっと震えると、座っている俺の脚の上に乗って来る…。


「ヴァルダ様、何かスゥにしたのでは?」


俺が足の上に乗ったスゥを落ち着かせる為に優しく撫でていると、俺とスゥを様子を見たシェーファがそう聞いてくる。

その問いに俺は、


「いや、スゥが来てから手でこねたり、少し力を入れてマッサージをするみたいにグリグリしたくらいだぞ。特に嫌がっている様子では無かったが…。寝転んで、その際にお腹の上に乗せた時に突然嫌がり始めたんだ」


シェーファに先程までの様子を説明する。

それを聞いたシェーファは、


「おそらく、お腹の上で乗せたのが嫌だったのですよ。私達が尊び、敬愛しているヴァルダ様のお腹の上に乗るなど、普通の配下の者達ならば自ら行う事などしない事です。ヴァルダ様からの行動だったとしても、スゥにとっては一大事だったのでしょう」


俺にそう説明をしてくる。

シェーファの言葉を聞くと、足の上に乗っていたスゥがプルプルと震える。


「そうだったのかスゥ?」


俺がそう聞くとスゥを撫でていた手に、スゥが体を自分から擦り付けてくる。

どうやら、シェーファの言葉が正しい様だ。


「すまないな。俺はあまり気にしていなかったが、スゥは色々と考えていたのか。気持ちや考えを汲み取ってあげられなくて悪かったスゥ」


俺がそう謝罪をスゥに伝えると、スゥは俺の手に擦りつけていた体を動かして体に空洞を作ると、俺の手を空洞に誘導して包み込んでくる。

冷たくてひんやりとしていて、しっとりとした感触をしている。

どうやら、許してくれた様だ。

俺がスゥの様子を見て安心していると、俺はそういえばシェーファが何故部屋に来たのか気になり、


「そうだシェーファ、どうしたんだ?何か緊急の用事でもあるのなら、すぐに対応するが」


俺とスゥの様子を、暖かい眼差しで微笑みながら見ていたシェーファにそう聞くと、シェーファは手を胸の前で左右に振り、


「い、いえ大事な話とかでは無く。ただ…ヴァルダ様とゆっくりとお話でも…と思いまして伺わせて頂きました」


そう言ってくる。

シェーファのそんな言葉を聞いた俺は、


「俺はあまり面白い話が出来ないからな。すまないが仕事の様な話になってしまうが、それでも良いだろうか?」


シェーファにそう聞いてみると、シェーファははいっと答えてくれる。

そんなシェーファに俺はベッドに来て楽にしてくれと伝えると、俺は今自分が何をしようとしているのか説明を始めた。

その間、スゥは俺の手を包み込んだまま動かずにいて、眠ってしまったかと思っていたが少し手を動かすと俺の手に合わせて体の形を変える様子を見るに、起きている状態ではあった。


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