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自己紹介を俺は、まず初めにエルフ達との契約を先に済ませる事にし、アウレオンさんにお願いして順番にエルフの皆と契約し始める。

本の中の世界(ワールドブック)の切れ端を用意し、俺の前に順番にやって来るエルフ達の手に切れ端を押し付けて仮契約を行っていく。

仮契約自体はあまり時間が掛からずに終わらせる事が出来たが、そこからが時間を有する事を説明し始める。


「まずは皆、荷物の準備を始めて欲しい。俺の方でも努力はするが、おそらく家の中の荷物はある程度纏めておいた方が良いだろう。それとアウレオンさん、リエスさんは俺と一緒に少し森の外まで付いて来て貰って良いですか?」


俺がそう言うと、皆が荷物を纏める為に行動を開始する。

アウレオンさんとリエスさんは、俺に声を掛けられた故に移動する事はせず、俺の元までやって来ると、


「わざわざ森の外まで行くのか?」


リエスさんがそう聞いてくる。

彼女の問いを聞いたアウレオンさんも、彼女の疑問と同意見な様で一度頷く。


「はい、出来る事ならこの森ごと移動したいと思うのですが、それがどこまで出来るのかが俺も定かでは無いので、道案内ともし出来るのなら範囲などを決めてしまおうと思いまして」


俺がそう説明をすると、アウレオンさんとリエスさんが驚いた表情で互いに顔を見合わせると、


「森ごと、移動出来るのですか?」


アウレオンさんがそう聞いてくる。

その言葉に俺は苦笑して、


「いえ、それが出来るのか調べるために道案内をお願いしようと思いまして…。あまり期待はしないでください」


そうお願いすると、2人は驚いた表情のまま数回頷くと、集落を出て道案内をしてくれる。

さて、問題はここからだ。

成功すれば一番時間が掛かるだろうし、動く距離も凄い事になるかもしれないな。

俺はそう考えながら先を歩くアウレオンさんとリエスさんの後を付いて行き、俺は不帰の森の外側に辿り着いた。


「ありがとうございます2人共。少し休憩しててください。ここからは俺の仕事なので」


俺はそう言うと、本の中の世界(ワールドブック)を大きくし、


召喚(サモン)、セシリア」


シルキーであるセシリアを召喚する。


「お呼びでしょうかヴァルダ様」


召喚に応じてくれたセシリアは、スカートを少しだけ摘み持ち上げて挨拶をする。


「あぁ、塔の仕事で忙しいのにすまないな。それでセシリア、この森の取得は可能か?」


俺がそう聞くと、セシリアは姿勢を正して俺の視線の先の不帰の森を見る。

セシリアは森の形状や全体の高さを確認する様に、頭を左右上下に動かしたり、しゃがんで大地に手を触れてみたりする。

そうして不帰の森の情報を読み取ったセシリアは、


「可能ですが、範囲がおそらく広すぎます。もう少し範囲を狭くしなければ、中途半端な所で切れてしまいます」


そう進言をしてきた。

やはり、範囲の問題があるか。

俺はそう思うと、


「やはりそうか。塔の仕事の方はどうだ?まだやり残している事があるのなら一度戻すが、出来ればセシリアにも一緒にいてもらいたいのだが」


俺がセシリアにそう聞く。

俺の言葉を聞いたセシリアは、


「問題はありません。ヴァルダ様のお傍にお仕えします」


そう言ってくれる。

よし、ならばさっそく行動開始だ。


「アウレオンさんとリエスさん、これからセシリアの一緒にこの森を俺の所有物として塔…昨日行った世界に移動させるのですが、森の範囲が広すぎて全ては移動させる事が出来ません。その事でご相談したいのですが…」


俺がそう話を切り出すと、


「で、では集落を中心として、必要な場所に案内します」


アウレオンさんがそう言って、どうぞと再び森の中に入る。

セシリアは俺の斜め横にぶつかるんじゃないかと思わせる程近くを歩き、その後ろからリエスさんが追いかけてくる。

そうして集落に戻って来ると、慌てて荷物を纏めているエルフの皆を脇目に、


「ではここを中心として、設定するか」

「はい、座標を指定します。スキル・空間座標設定」


俺はセシリアにスキルを使用させて、まずは集落のおよそ中心に目には見えない目印を付けて置く。

俺は周りのエルフの皆には見えないだろうが、おそらくセシリアには見えているか感覚でどこにあるのか分かるのだろう。


「移動します。必要な土地や重要な物がある場所に案内して下さい」


俺がアウレオンさんにそう言うと、また森へと戻り今度は森の外では無く森の中の重要な場所まで移動を始める。

まず最初に来たのは、木々が淡く光りを宿している不思議な場所。


「ここは精霊達の住処にしている場所です。ここで精霊は生まれ、ここで最期を遂げる神聖な場所です。この森のエルフは、とてもここを神聖視しています。何よりも、重要な場所です」


俺が光を宿した樹木を見ていると、アウレオンさんがそう説明をしてくる。


「なるほど、精霊を使役している貴方達には確かに重要な場所ですね…。しかしここにいる皆さんは、森を移動させる事について賛成しているんですかね?」


俺がそう疑問を呟きながら見ていると、


「それなら大丈夫だよ~!昨日の内に皆と話し合って、運命共同体のエルフの皆が行くなら僕達も行こうってなったから~!」


精霊ルーさんの声が聞こえて、淡く光っていた1本の木から光る球体が飛び出してそう言ってくる。

先に話が通っているのはありがたい。


「…セシリア、ここにある淡く光る樹木を囲う様にスキルを頼む」

「はい」


俺がセシリアに指示を出すと、セシリアは俺の指示通りに光を宿している木々の外側を確認している。

少ししてスキルでの範囲の設定を終えたセシリアが戻って来ると、


「完了しましたヴァルダ様。もう少しでしたら、余裕がありますが…」


俺にそう聞いてくる。

セシリアの言葉を聞いた俺は、


「セシリアがもう少しでしたら、範囲を広げる事が可能らしいですが他には何かありますか?」


そう聞くと、アウレオンさんはリエスさんに視線を僅かに向けると、


「ではもう一か所だけ、お願いします」


俺の言葉にそう返して、また道案内を開始した。

精霊達の住処を後にしてすぐに、今度は植林しているかと思わせる程綺麗に並べられて生えている場所へとやって来た。


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