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申し訳ありません。
今回の話は、ヴァルダが少しキャラ崩壊を起こしています…。
…イチャイチャが書きたかった自分の所為です…。
今後はこういう事が無い様に努力しますので、今回は見逃してください…
シェーファとセシリアの喧嘩とまではいかないが、言い合いを聞いた結果俺が下した判断は…。
「今日だけだから、今日だけ特別だからな…」
「良い湯加減ですね。それに花の香りがします」
「エルフである私が提案し、シュリカさんに作って貰い頂いた物を使用しています。日々お疲れになっているヴァルダ様を少しでも癒すべく、シュリカさんと共同で意見を出し合いながら作り上げた物です」
背中を流すとかでは無く、湯に一緒に浸かる事を提案した。
正直、自分の欲望に正直になり過ぎたと反省はしている。
だから体を洗っている時から、ずっと2人には聞こえない様に、
「今日だけだから、今日だけ特別に…本当に特別なんだからな…」
延々と独り言を呟いている。
2人の会話は聞こえてくるのだが、ほとんどが耳を通り過ぎるだけで覚えてなどいない…。
シュリカ…。
あぁ、靜佳の事か…。
そう思っていると、
「…私も普段からヴァルダ様の事を考え、ヴァルダ様が塔で快適に過ごせる様に丹念に掃除をしています。それだけでは無く、ヴァルダ様が連れて来られた人達からの意見や要望が無いかなど、ヴァルダ様が迅速に行動出来る様にサポートに徹しています」
セシリアが、珍しく長く言葉を話している。
そこまで考えてくれていたのか、ありがとうセシリア…。
改めてセシリアの事を聞いた俺は、感謝してもし切れないと感謝の気持ちと反省の気持ちが込み上げてくる…。
風呂に入っているからこそ、明け透けに話せる事もあるのだろうと考えた俺は、自分を戒める独り言を中断してシェーファとセシリアの会話に集中し始める。
「それは私も同じです。セシリアはヴァルダ様が連れて来た人達を、私が元々塔にいた者達の要望などを聞く事にして、サポートに徹しています。セシリア1人で塔の全ての事をしている様に言わないで、私もしっかりと塔の事をしているわ」
セシリアの言葉に、シェーファがタオルに包まれている胸を張る様な動きをしてそう言う。
それを見たセシリアは、
「……ヴァルダ様?」
視線をシェーファから外して俺の方を向き、
「どちらが優れているなどは聞きません。それはヴァルダ様を困らせてしまう可能性がありますから。その代わり、褒めて下さい」
そんな事を言ってくる。
セシリアがそんな事を言うなんて珍しく、
「…う、うむ…。良いだろう」
少しセシリアの言葉に反応出来なかった。
俺が何とか返事を返すと、少しだけ離れて座っていたセシリアが俺の元へと近づいてくる!?
その様子に緊張し驚いていると、
「わ、私も褒めて頂きたいです!」
シェーファもセシリアに対抗して俺の元にお湯の抵抗で少し遅れながらも勢いよく近づいてきて、潤った瞳を向けてくる…。
頬と長い耳を赤く染めて、潤った瞳を向けてくるシェーファ。
表情に変化はあまり無いが、整った顔立ちに滴る水滴がキラッと光るセシリア。
…もう正直、この状況で理性を保っている自分を褒めてあげたくなってくる程、俺は自分を律している。
期待と、僅かな懇願を孕ませた4つの瞳に晒されつつ、
「いつも俺の世話から、本当なら俺がしなければいけない様に連れて来た者達のサポート、感謝してもし切れない程助かっている。いつどこへ行っても塔が汚れている事は無く、セシリアの献身が見て分かる。いつも、本当にありがとう。これからも俺は、おそらく塔に住人を無責任に連れて来てセシリアに任せてしまうかもしれないが、それは俺も反省し今度は改善出来る様に努力する。愛している、セシリア」
俺は反省の言葉を言いつつ、普段から思っている素直な気持ちと感謝の気持ちをセシリアに伝えると、
「………」
先程まで俺に向けていた期待を孕んだ瞳を、見開いて停止しているセシリア。
大丈夫だろうか?
俺がそう思っていると、
「ヴァルダ様ぁぁッ」
シェーファが、次は自分にと言う様に手を俺の二の腕に当てる。
と、とりあえずセシリアは停止した状態でお湯に浸かっているので、大丈夫だろうと判断し、
「シェーファには、塔の者達の橋渡し役から軽い雑事に重要な仕事など、様々な事を頼み過ぎていたと反省している。それでもこんな主を敬い従ってくれて、俺は感謝の気持ちしかない。これからはもっと忙しくなっていくと思うが、その際には俺ももっと塔の仕事をしようと思っている。今まで無理をさせてしまっていたかもしれないが、これからは俺もシェーファの負担を減らせる様に努力する。今までありがとう、そしてこれからもよろしく頼む。愛してる、シェーファ」
俺が感謝の気持ちを伝えると、シェーファはお風呂による頬の紅さでは無い程顔を真っ赤に染めると、
「わ、私も愛していますヴァルダ様」
少し頭を下げる様にしてそう言ってきた…。
湯船に入ると言う事でタオルに巻かれた白に近い金髪を見て、頭を撫でたかったがこれでは無理そうだな…。
と、少し残念な気持ちになりつつも、
「さて、結構浸かっていた事だ。そろそろ出るとしよう」
俺がそう言って立ち上がると、セシリアとシェーファは立ち上がらず湯船の水面を見ている。
どうしたのだろうか、もしかしてのぼせてしまったのだろうかと心配していると、
「ヴァルダ様、私達はもう少しお時間が必要ですので、お先におあがり下さい」
セシリアが俺の事を見ずにそう言ってくる。
それを聞いた俺は、体を拭く為に一度裸になるからそれはマズいと思ってくれたのだろうと、セシリアの心遣いを察し、
「すまないな。では先にあがらせてもらう」
俺は2人がのぼせない様にさっさと風呂場を後にし、体を即座に拭いて着替え部屋へと戻って行った。
「…セシリア、よく声出せたわね…」
「先に言われたから、シェーファがお褒めの言葉を頂いている間に持ち直せた。…シェーファは今…」
「………えぇ、今立ち上がる事は無理よ…」
「…それは同意。私もまだ色々と擦れたら…」
「…無いのに擦れる事なんてあるの?」
「…少しだけどある」
「………。ヴァルダ様って、魅了スキル的なモノを取得していたかしら?」
「していないはず…。この状態では持っていないと言い切れないけど…」
ヴァルダが風呂場を後にした少し後、2人は互いの状態が安定するまで動けずにいた…。
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