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200頁

祝、200話!

皆様、いつも読んでくださってありがとうございます!

これからもよろしくお願いします!

ブルクハルトさんが俺の言葉を聞いて、怯えた様な表情をした。

無意識に怒りの感情を宿して話をしていた所為か、ブルクハルトさんに対して怒っているのかと勘違いさせてしまったようだ。


「すみません。ブルクハルトさんに対して怒っている訳では無いですよ」


俺が謝罪をすると、


「そ、そうですか」


ブルクハルトさんが安心した様な表情をして、息を大きく吐いた。

すると、


「ではビステル様、私はこれから言われた通りに行動します。私は基本的にはこの屋敷にいるつもりですが、移動の際に違う町などに行くので留守が増えると思います」


そう伝えてきた。


「分かりました。俺もこれからは帝都とジーグでの移動が多くなるので、もし俺が帝都にいなかったら俺が一応泊まっている宿に伝言をお願いします」


俺がそう言うと、ブルクハルトさんが手を差し出してきた。

そして、


「どうか、ご無事に」


そう言ってきた。

俺はブルクハルトさんの手を握ると、


「ブルクハルトさんも、道中はお気をつけて。もし心配でしたら、冒険者ギルドのエルヴァンに指名で護衛の依頼を出してください。エルヴァンには、ブルクハルトさんの依頼を優先して受けるように伝えておきます」


そう言い、俺はブルクハルトさんの手を放す。

そうして俺はブルクハルトさんに今後の事を伝えた後彼の屋敷を後にし、今度はレオノーラさんを探し始める。

レオノーラさんには反乱の事を伝える事は出来ないが、彼女には騎士団を辞めて間接的に亜人族の陣営に来ないかと誘うつもりだ。

どう誘えばいいだろうか?

俺がそう思って歩いていると、帝都ではお馴染みの喧嘩の声が聞こえてきた。

こういう時周りの大体の人達が止める訳でも無く、むしろ煽っていくので騒ぎになる。

近くに行けば、レオノーラさんとか来るのではないだろうか?

俺はそう考え、喧騒が聞こえる少し離れた所から辺りを見回してみる。

それから少しして騎士の人達が来たのだが、レオノーラさんでは無かった。

喧嘩も終わらされてしまい、また賑やかな道に戻ってしまう。

今日は会えそうにないかもしれない、彼女だって毎回仕事をしている訳ではなさそうだし、騎士団の本部とかに籠って書類を整理している可能性だってある。

なら、次に見かけた時に話しかけるしかないな。

とりあえず今は、俺に出来る事をしないといけない。

俺はそう思うと、本の中の世界(ワールドブック)を開いて塔に戻る事にした。

まずやる事は、ルミルフルにジーグの者達の考えを伝え、彼女に戦争に参加する意思があるか聞きたい。

人族の英雄、魔王を倒した男、閃光に対して恨みがあるのは彼女が一番だろう。

俺はそう思い、ルミルフルを探して塔の階段を下り始める。

おそらくこの時間だと、ルミルフルは畑の手伝いを終えて自己鍛錬の時間か、子供達と一緒に草原島で遊んでいるはずだ。

そうして畑に行ったのだが、すでに畑仕事は終わっていた様で誰もいなかった。

という事は、草原島にいるのかな?

俺はそう思い、草原島に行ってみる。

僅かに風があり、心地よく感じる草原島に行くと、


「………」

「むにゃ…」

「すー…」

「……ん…」


まさか4人が草原島に枕を持参して昼寝をしているとは思わなかった。

これは、起こす訳にはいかないな…。

俺はそう思うと、アイテムを入れている袋からシーツを取り出して4人に掛けた後、塔に戻って今度は靜佳の元に向かった。

靜佳の部屋の前に来ると、俺はノックをしつつ、


「シュリカ、いるか?」


そう声を扉の向こう側に掛ける。

俺が声を発すると、


「ちょっと待って~」


扉の向こう側からそう返事が帰って来て、少し物音が聞こえてくる。

何をしているのだろうか?

片付けなら、アイテムを仕舞うだけで良いはずだが…。

俺がそう思っていると、


「お待たせ」


扉が開いて靜佳が顔を扉から少しだけ出してそう言った。


「今時間あるか?」


俺がそう聞くと、


「大丈夫だよ。ささ、入って入って」


靜佳はそう言って扉を開けて部屋の中に入れと促してくる。

俺が中に入ると、靜佳は部屋の扉を閉めて鍵を掛ける。

…何故鍵を閉めるのだろうか?

俺はそう思いつつ、部屋の中に入って行くとそこには…。


「…完全に靜佳、いや、シュリエルの部屋って感じになったな」


そう呟いてしまう程の、錬金術師(アルケミスト)のクラスでは重要なアイテムの数々が並んでいた。

装備作成に必要な炉と金床、回復薬などを一度に大量生産出来る大釜に大乳鉢、完成した物を安置する棚など結構大きな物達が部屋に置かれていた。

なるほど、片付けとか関係なくこの部屋では少し狭いな。


「まぁ、私は畑仕事出来ないから、働いてる人達が怪我をしてもすぐに治せる様にしておこうかなって思って。お兄ちゃんの倉庫を見た時に、「あ、これはあまり使っちゃいけないな」って思ってね。素材になる薬草系も、畑や森で栽培してくれる様に頼んでおいたんだ」


俺が靜佳の部屋を見ていると、靜佳がそう説明しながら俺の横を通って部屋の隅に置かれている椅子に座る。

俺は靜佳のそんな様子に、


「部屋を拡張しようか。流石にこれだと狭いだろう」


そう提案をすると、


「ううん、大丈夫。ただ、隣の部屋を自室?みたいな感じで使わせて!ここは仕事部屋って感じで、少し狭いのが落ち着くの」


靜佳はお願いと言う様に手を合わせてそう言ってきた。


「構わないよ。それより、今から重要な事を話す。靜佳にも知っておいて欲しいから、真面目に聞いてくれ」


俺がそうお願いをすると、靜佳は分かったと言って俺の目の前に追加で椅子を出してくれる。

俺はその椅子に座ると、ジーグでの戦鬼さんの子孫に会った話や同じ日本からの転移者がいた話、少し前に話した俺がボロ負けした相手がこの世界に来て、亜人族を差別している事などを説明した。

そうして、人族に対して反乱をする亜人族の味方になる事を伝えると、


「お兄ちゃんのする事に意見だって言うし、反対だって私はするよ。それをして来なかった所為で、後悔した事が沢山あるから。だけど今回のその話、私は止めるつもりもないし、むしろ応援するし協力する。私も少しの間捕まって、他の亜人族の人達がどういう扱いを受けているのか知っていたし、畑仕事や栽培の事をお願いした時に働いてた亜人族の人と話して、酷い事をされた事も知った。だから、そんな人達がこれからしっかりと1人のヒトとして見られる様にするなら、私はそれに協力したい」


靜佳はそう答えてくれた。

俺はそんな靜佳に、


「ありがとう。これから迷惑を掛けると思うが、よろしく頼む」


感謝と謝罪の言葉を伝えた。


読んでくださった皆様、ありがとうございます!

評価してくださった方、ありがとうございます!

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評価や感想、ブックマークをしてくださると嬉しいです。

誤字脱字がありましたら、感想などで報告してくださると嬉しいです。

よろしくお願いします。

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