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俺は3件の依頼を受けた後、すぐに帝都を飛び出す。

まずは近くの川付近を狩場にしている盗賊達の捕縛か殲滅依頼。

近い所から行こうと思っていたが、それだと最初にマンドレイクの依頼で体力が持って行かれそうだと判断し、討伐系の依頼をさっさと片付けようと考え直したのだった。

そうして草原や丘を駆け抜けた俺は、十数分で川の近くへと辿り着いた。

クラスは騎士(ナイト)、装備は武器だけしっかりとした装備に変更済み。

ダメージを受ける事は無いだろうが、下手に逃げられない様に奇襲からの一気に倒していく作戦だ。

威圧スキルを発動しても良いが、意識をしてやろうとすると変に慣れていない所為か時間が掛かるんだよな。

俺がそう思っていると、


「いた」


俺はそう呟いて草むらに身を潜める。

すでに商人の馬車か何かを襲ったのか、馬車を移動させている。

人数は、10人だろうか?

見えている人数は10人だが、伏兵としてどこかに潜んでいる可能性もある。

1人を残して気絶か殺して、仲間がいるか聞くとしよう。

俺がそう思っていると、


「クソッ!今日は収穫に合わねえくらい汚れちまったじゃねえか!」

「ハハハッ!ならさっさと殺せばいいんだよ、何でわざわざ他の商人の事なんか聞く為に拷問なんかしてんだ」

「そんなの、次の獲物がどのくらいの商人で護衛を付けるか判断するに決まってんだろ」

「んの割には情報なんて持ってなかったがな!結局殺しちまうんなら、こんなに汚れなくても良い方法なんざ沢山あるのによ!」


そんな会話をしながら、血に汚れた服や荷物を川で洗おうとしてる盗賊達の会話が聞こえる。

慎重なタイプなんだろうか、しっかりと次の襲う相手を選んでいる様だ。

俺がそう思っていると、他の盗賊達が馬車から荷物を外に出して中身を漁り始めた。

今なら、川で血を拭っている者達と荷物の中身を漁っている者達の気が逸れている。

俺はそう思い、草むらから一気に飛び出してまずは川で血を拭っている男達の横顔を鞘のまま殺さない程度の威力で殴りつける!

痛そうな衝突音の後に、倒れた男達が川に落ちる、

流石の物音に気付いた盗賊達が俺に気づくと、怒号と共に武器を抜く。

しかし俺は一気に盗賊達との距離を縮めると、剣を抜く事無く盗賊達を撃破する事が出来た。

呆気ない終わりに、俺はこれで倍の収入が入るなら旨いもんだと思い、次に少し離れた場所にある森に現れたオークの討伐に向かった。

ちなみに、盗賊達は気絶させた状態で1人ずつしっかりと縛り放置しておいた。

また帰りにでも、引っ張って帝都に帰るとしよう。

そうして受付嬢に説明してもらった森に到着、周りにモンスターの気配は無い。


「…何も反応が無い?」


怪しい空気に、俺は静かに呟く。

普通ならオーク程度のモンスターがいても、森に棲んでいる生き物がいなくなる事は無かった。

何回も薬草系の採取依頼を受けていた森に来た経験が、こんな所で活きるなんて思わなかったな。

ただのオークでは無いか、別のモンスターが出現していると考えた方が良いだろう。

俺は少しだけ気を引き締めると、森の奥へ進む。

僅かな風で木々の枝が揺れ、葉同士が擦れる音だけが辺りから聞こえる。

物音があまりしない森って、意外に怖いんだな。

俺はそう思いつつも、自身の足音を出さない様に慎重に歩きながら奥へ奥へと進んでいく。

ある程度気配察知スキルを使用して歩いていると、一頭だけ反応があった。

オークはゴブリンと同じ様に群れで過ごすし、一頭だけで行動をする。

戦ってきた感じでは群れで戦うオーク達より、一頭だけのオークの方が戦闘技術があるように感じた。

今回はそういう事なんだろう。

俺はそう思い気配がある方に進んでいき、気配の主を確認した。

確かに普通のオークに見えるが、少しだけ今まで見てきたオークとは違った。

体中に斬られたであろう傷跡があり、片手には人が持つと大剣くらいの大きさの剣が握られており、更にもう片手には大きな盾が装備されていた。

棍棒を握っているオークはよく見るが、まさかあそこまで強そうなオークがいるなんて。

会話とか出来るなら、平和的に会話をして塔に来てくれないだろうか?

珍しいオークを見て俺がそう思っていると、


「ゴア゛ァァァァァッッッ!!!!!」


気配を消していた俺に気付いたオークが、周りの空気を振動させるような咆哮を上げて向かってきた!

会話は出来なそうにないか。

俺は少し残念に思いながら剣を抜き、オークの攻撃に備える。

すると、


「ッ!?マジか!」


剣で攻撃するのではなく、盾による突撃を仕掛けてきたオーク。

突然の予想していなかった攻撃に一瞬焦るが、所詮攻撃されても大したダメージにはならない。

だが、たまにはこうやって戦うのも良いと思ってしまう。

手加減というか、本気で斬って消滅させない様にしていた結果、討ち合う戦いに憧れていたのだ。

俺がオークの盾による突撃を避けると、その隙を突いて大剣を振り払うオーク。

意外に速い一閃に、俺は剣を使って弾き返すと軽く斬りかかってみる。

すると、オークはしっかりと盾で俺の攻撃を防ぐ。

戦いの技術を本能で会得したのだろう、体に残っている傷痕がそれを物語っている。

そして、このオークの所為で森の生き物が逃げていったのだと想像出来る。

ただのオークでは無い、言うなれば何度も戦いを経験したオーク。


「歴戦オークだな」


俺がそう呟くと、オークは更に俺に斬りかかってくる。

その攻撃を剣で受け止めると、盾を使って俺の体を吹き飛ばそうとし、躱せば更に剣で攻撃を仕掛けられる。

猛攻、様々な攻撃手段で俺を殺そうとするオークに、俺もオークの攻撃の隙を狙って攻撃を仕掛ける。

このオーク、ただのオークでは無い事は確信している。

自然発生のオークなのか、それとも別の棲み処から流れてきたのか?

もしくは、俺みたいに召喚士(サモナー)と契約して戦っている?

俺はそう考えながら、振り下ろされる大剣を剣で受け止める。

見ると、大剣は結構刃こぼれをしている。

召喚士(サモナー)と契約をしているのなら、ここまでボロボロの装備を着けられて戦う事は無い。

つまり、こいつは単純に強い野良のオークという事だ。


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