表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
148/501

147頁

今年も残すところあと数時間ですね、皆様は今年どのような一年でしたか?

私はいつも通りと言いますか、特に変化があった訳では無かったです…。

…悪い事も無かったと、プラスに考えましょう笑。

本当に、今年はありがとうございました。

来年も、よろしくお願いします!

そして申し訳ございませんが、三が日は更新はしませんのでよろしくお願いします。

次の更新は、1月4日です。

センジン・ムソウの呟きを聞いた瞬間、エルヴァンは振り下ろそうとした腕を止めて、


「その御名前をどこで知ったッ?!それと様を付けろッ!」


今までで一番感情を込めた言葉に、次の攻撃が来ない事に安堵し大剣と共に腕を下したセンジン・ムソウは困惑する。

自分が祖父の言葉を思い出して自然と呟いていた言葉に、目の前の強者はその事に訂正を命令して来たのだ。

そして何よりも、祖父が言っていた自分が握っている大剣の製作者を情報を知っている者が現れた事にセンジン・ムソウは驚愕する。

しかし、


「貴様、ヴァルダ様の御名前をどこで知った?事と次第によっては、今ここで斬り捨てる」


そんな驚きに浸っている程、今の状況は良く無い様だ。

目の前に立っている大男は、先程の闘気など遥かに凌駕する殺気を発して自身に問いかけてくる。

だが聞きたいのはこちらも同じ。

祖父の知り合いを知っているのなら、ぜひ教えて欲しいと思う。

センジン・ムソウはエルヴァンに対して声を出そうとするが、センジン・ムソウはすでに自分の体が自由に動かす事が出来ず、声を出す事も出来ないと悟り、


「ぁ……」


意識を手放した。

それを見ていたエルヴァンは、センジン・ムソウが倒れた姿に今まで発していた殺気を仕舞い込み、


「アンリ、行こう」


大剣を背負い直して踵を返し、少し離れた所にいたアンリに声を掛ける。

それを聞いたアンリが返事をしてエルヴァンの元まで行くと、2人は一緒に歩き出そうとする。

すると、


「ま、待ちなさいッ!」


センジン・ムソウの側に駆け寄り彼の安否を確認していたユキが、エルヴァン達の背後から怒鳴り声を発する。

それを聞いたエルヴァンとアンリが立ち止まると、


「エルヴァン様はその人を殺してませんよ。変に傷つけてもいないですし、早く休ませてあげた方が良いですよ」


アンリが振り返ってそう進言する。

それを聞いたユキは、


「そんなの分かっていますッ!しかし、だからといって今貴方達を見過ごす事は出来ませんッ!拘束させて頂きますッ!」


そう言ってエルヴァン達に鎖を投げて拘束しようと試みる。

ただの鎖に、エルヴァンもアンリも少し呆れてしまう。

こんなもので自分達を捕まえようと考えている事に。

すると、


「エルヴァン様、ここで捕まってしまうのはマズいかもしれませんが、チャンスかもしれません」


アンリが唐突にそう言ってきた。

それを聞いたエルヴァンは、


「どういう事だアンリ?」


アンリの考えが分からずに質問をする。

エルヴァンの言葉を聞いたアンリは、自分とエルヴァンの体に巻き付こうとする鎖を見つつ、


「下手をすれば罪人として捕まってしまいますが、おそらくセンジン・ムソウは気になる事がある様なので、僕達を死罪にしたり拘束させ続ける事は無いと思います」


そう進言をする。

それを聞いたエルヴァンは、


「こうなったのも私が悪い所があった、アンリの言葉を信じて素直に捕まっておこう。それに下手に抵抗するよりも印象が少しは良くなるだろうしな」


そう言って、背負っている大剣の柄に伸ばしていた手を下ろし、大人しくアンリと共に鎖に巻かれた。

そうしてただの細い鎖に拘束されたエルヴァンとアンリは、武装した亜人達に連れられて少し広い建物に連行された。

しかし、先程のセンジン・ムソウとの戦いを見ていた者達はエルヴァンに近づこうとせず、アンリの事だけを集中して監視している。

そんな周りの様子に、提案した身として文句は言えないが不満には思うアンリは、頬を膨らませて不満を露わにする。

少しして、エルヴァンとアンリは武器を取り上げられて調書を取られていた。

と言っても2人が話す事はあまり無く、むしろ秘密にしている事が多すぎる所為でほとんど話が進まない。

2人の調書が全然進まない内に時間が経過していき、


「やっと回復出来たぞ。さぁ大男、ヴァルダ・ビステルについて教えて貰おうか?」


疲労などの所為で気絶をしていたセンジン・ムソウが、時間が経過して回復しエルヴァン達を探して自警団の場所へと赴いたのだ。

そして建物に入った瞬間、大声でそう言い放ったのだ。

それを聞いていた自警団の亜人達は、自分達の仕事をしようとする為にはセンジン・ムソウの事は後に回さないといけないのだが、


「お前ら、こいつらは俺が直々に監視するから大丈夫だ。それに、何の力も無いユキの拘束を解かなかったって事は、抵抗するつもりが無いんだろう。それに、俺の方が足止めくらいは出来る」


彼の言葉に、自警団の者達は色々と納得してしまう。

センジン・ムソウのお陰で解放されたエルヴァンとアンリは、自警団の拠点の建物から出ると、


「もう夜になっていたか」

「結構暗いですね」


空は暗く、星空が広がっていた。

しかし街並みは意外にも明るく感じエルヴァンとアンリが街を見ると、そこにはこの街に来た時に見た煙突から炎が出ていた。

それを見てエルヴァンは、


「あの炎は大丈夫なのか?ジークの建物は木々や枯れ草などの束を使っている。燃え移ったりしないのか?」


センジン・ムソウにそう質問をした。

エルヴァンの言葉を聞いたセンジン・ムソウは、煙突から噴き出ている炎をチラリと見て、


「問題無い。あの炎は特別でな、例え他のモノに燃え移ってもすぐに消えるから大丈夫だ」


エルヴァンの問いに答えた。


「燃え移ってもすぐ消える?それってどういう事ですか?それに結構な量の煙突がありますけど、どれも一定の量の炎が噴き出ています。それはどうやって?」


エルヴァンに続いてアンリが質問する。

アンリの質問を聞いたセンジン・ムソウは少し満足気だった表情を曇らせ、


「………それは、今は言えねぇ。お前達が俺の爺ちゃんの知り合いの関係者だったら、少し説明してやる」


そう言って、その事はもう聞かれたくなかったのか話を終わらせてしまい、センジン・ムソウは先に歩き始めた。

流石にそれ以上は聞けないと判断し、先を歩くセンジン・ムソウの後を帝都とは違う街の景色を見ながら後を追いかけた。


読んでくださった皆様、ありがとうございます!

ブックマークしてくださった方、ありがとうございます!

評価や感想、ブックマークをしてくださると嬉しいです。

誤字脱字がありましたら、感想などで報告してくださると嬉しいです。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ