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100頁

100頁に到達しました!

…物語自体はあまり進んでいないなぁ。

皆さま、いつも「ケモナーサモナー、異世界で奴隷保護をする」を読んでくださって、本当にありがとうございます。

これからも少しずつですが、更新していきますのでよろしくお願いいたします。

アンリに一言言ってからエルヴァンは自身の背負っている大剣と同じサイズの武器を扱っている店に入ると、


「……いらっしゃい」


奥から渋い男の声が聞こえる。

エルヴァンはその声に特に反応する事は無く、ただ並べられている武器を見始める。

特に装飾が施されている訳ではなく、ただひたすらに敵を斬る事を追及されたような武器が並んでいる。

エルヴァンはその一振りを眺めていると、


「…持ってみるかい?」


店の主人が奥から姿を現して、興味深そうに眺めていたエルヴァンにそう聞いてみる。


「良いのか?大事な商品だと思うが」


エルヴァンが確認の為にそう質問をすると店主はヘッと嘲笑い、


「もう何年も飾られてる剣なんか、今壊れても惜しくはないさ。どうせあんたが触らなければ、そいつ等はまた何年も飾られてるだけだしな」


そう言った。

エルヴァンの発言に、俺の武器が壊れる訳が無いだろという意味で笑ったのではなく、自分の武器が何年も飾られている事に嘲笑ったのだ。

そんな店主の言葉を聞き、エルヴァンは一言触る事を確認した後に、目の前に飾られている大剣の柄を握り持ち上げる。

普段ヴァルダが用意した装備を着けているエルヴァンからしたら、今握っている大剣は新鮮な感じがする。

ヴァルダから渡される装備の全ては手に馴染み、振るうのも一番力を入れて振るう事が出来ていた。

しかし今握っている大剣は良い武器ではあると思うが、振るう時にしっかりと振るう事が出来なさそうだとエルヴァンは最初に思った。

言い表せない何かが、自分には合っていないと感じる。

エルヴァンがそう思って大剣を握っていると、


「……その剣はお前さんには合わない様だな」


店主がそう言ってくる。

エルヴァンはその言葉を聞き、


「あぁ。今まで振るっていた剣がやはり一番手に馴染む。剣自体は素晴らしい逸品だと思うが、どうやら私には合わない様だ」


店主に正直にそう話す。

その言葉を聞いた店主はのっそりと動き出すと、大剣を握っているエルヴァンの元にやって来て、


「……ふむ、確かにこの剣は良い代物だな。特別なモノでは無いが、おそらくお前さんが存分に振るえる様に調整してあるのだろう。少し触らせて貰っても良いかい?」


ヴァルダの創った大剣をそう評価し、握らせてくれとエルヴァンに頼む。

店主のお願いを聞いたエルヴァンは、ヴァルダが自分の為に作ってくれた剣を他人に渡すのは嫌だと感じたが、今持っている剣を大切にしたいのならもう一振り予備の武器が欲しいと考え僅かな可能性に賭けようと思い、


「…良いだろう。しかし大切な剣だ、丁寧に扱ってくれ」


店主にそう一言言い、背中から大剣を抜き店主に渡す。

エルヴァンから大剣を受け取った店主はエルヴァンの言葉を聞き、


「任せてくれ。剣の扱いは丁寧にしているつもりだ」


そう答えて、改めてエルヴァンが背負っていた大剣を見つめる。

エルヴァンはエルヴァンで、大剣がしっかりと扱われるか心配で店主の事を凝視する。

そんな視線に気がつかない店主は、エルヴァンから預かった大剣を少し構える様に持つ。


「ふむ、随分と繊細に創り上げられているな。お前さんの体と力に合う様にわざわざ創ってある様に感じる。オーダーメイドかい?」


店主がそう聞くと、エルヴァンは少し考える。

塔で大剣を使う者は自分自身の他には、基本的にヴァルダしかいない。

だが、ヴァルダ様は大剣を使う機会があまり無い。

という事はこの大剣はわざわざ、私の為に調整してくれたのだろうか?

エルヴァンはそう思いつつ、


「そこまでは、少し分からないが…。そうであって欲しいと思ってしまうな」


何とか色々と考えつつも店主の言葉にそう返した。

エルヴァンの心情を知らない店主は、今のエルヴァンの言葉を聞き少し首を傾げる。

すると、


「…この剣より手に馴染む物は、この世界中どこを探しても無いだろう。だがこの剣も絶対に折れないとは言い切れない。私はまだまだ実力が足りていない故に、もう一振り剣が欲しいと思っている。ここの中で店主が良いと思うのはどれだ?」


エルヴァンがそう言って店に並んでいる大剣を眺める。

すると、エルヴァンの言葉を聞いた店主は、


「俺の剣を予備扱いとは、舐めた奴だッ!と怒りたいんだが、実際にここまで完成度が高い剣を見せられちゃあ文句は言えねえな。生憎、今ここに並んでいる剣の中でお前さんが気に入り振るえる剣は無いな。…どうだいお前さん?………お前さん、冒険者としてはどれくらい実力があるんだい?」


自虐の言葉を吐いた後、エルヴァンに大剣を返しながらそう質問をする。

その言葉を聞いたエルヴァンは、


「実力…はどうだか分からないが、一応第一級冒険者として活動している」


少し考えた後にそう言った。

エルヴァンの言葉を聞いた店主は目を見開いた後、


「これは驚いた。まさか第一級冒険者がこんな廃れた店に来るなんてな。……よし!なら取引をしようじゃねえか!」


先程までより遥かに大きな声でそんな事を言ってくる店主。

店主の言葉を聞いたエルヴァンは、


「取引?」


突然の言葉に何て言って良いか分からずに、呟く様に言葉を発する。

エルヴァンのそんな呟きに、


「そうだ。お前さんが金を払ってくれれば、その剣に負けないくらいに良い代物を創り上げてやろう」


店主がそう言って不敵に笑う。

ヴァルダ様の創った剣に匹敵する剣を創るなんて、身の程を知れとエルヴァンは思ったが、それでも予備の武器は欲しいと思う。

この男の手の上で動く事になりそうではあるが、最悪武器が出来たら試し斬りに丁度良いだろうとエルヴァンは考えて、


「良いだろう。依頼の報酬金が入ったら、また来る」


エルヴァンはそう言って店の外で何やら手招いているアンリを見つけると、店主に背を向けて店から出ようとする。


「おうよ!それまでに俺も必要な物を集めておくからな!」


店主のそんな言葉を聞きながら、エルヴァンは店の外に出ると、


「エルヴァン様!あちらに闘技場という戦いを見る場所がある様ですよ!」


アンリが真剣な表情でエルヴァンにそう言い、遠くから歓声の様な雄叫びが聞こえる方向を指差した。


読んでくださった皆様、ありがとうございます!

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