取り戻せアンケート! 8
「……構わないけど、我からも一つ条件があるんだ」
「何かな?」
「天界から何人か、職員を応援として寄越してほしい。そうすれば我の仕事が増えることもないから、安心して引きこもれるよ」
「合い分かった。オリュンポス十二神の同意を即座に取り付け、冥界王の引き籠りを援助しよう」
「ありがとう……!」
熱い抱擁を交わす男子二名。
反対に、それぞれの妻は反応が異なっている。ペルセポネはいつも通り笑みを浮かべ、仕方ないですねえ、と納得。ヘラは憤懣やるかたない表情で兄弟を睨んでいる。
「ちっ! んなもんアタシが許さないわよ! でもとにかく、にアンケートの結果だけ見せなさーい!」
「あっ……」
二柱を突き飛ばし再びゼウスのマウントポジションを取るヘラ。抵抗しようとする夫を一撃で黙らせ、アンケート用紙を奪う。
集計結果を記した紙があるわけでもないようで、ヘラは自身での集計を開始した。
「なんだか、ヒドイことになってきましたね」
「だね……ていうかゼウス、大丈夫?」
「おおう、問題ない。頭がクラクラするし痛みが治まらんし目は両方開かんが……まったく問題ない。神じゃから」
「いくらなんでも無茶があると思います」
だよねえ、と頷くハーデスの向こう。
「何ですって……!?」
あっという間に集計を終えたヘラが、頭を抱えてくの字に折れている。
「アタシが、ビリだなんて――」