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冥界王だって働きたくないでござる! ~ハーデス様の素敵な引き籠りライフ~  作者: 軌跡
第三章 女神に公共のルールを求めてはいけない
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取り戻せアンケート! 5

「あの、そういうのを気にするのは私だと思うんですけど?」


「うん、そうだね。今のはちょっとした冗談だよ」


 やや生気のない笑みを浮かべ、渋々ヘラの後を追う一行。

 天界に入ってしばらく時間が立っているが、ハーデス達の注目度は高まる一方だった。そもそも女王ヘラが同行しているわけで。嫌でも目立ってしまう。


「なんか嫌だな……我、ジロジロ見られるのは苦手なんだけど」


「ふふん、旦那様。私にいい考えがありますよ」


「ど、どんなの?」


「周りにいる人全員、私だと思えばいいんです!」


「な、なるほどっ」


 それは名案だ! と、さっそくハーデスは実践に移る。

 だが。


「――いや、常識的に考えて無理じゃない? どれだけ思い込んだって、現実は目の前に存在するんだし……問題を隠しちゃうのは良くないよ」


「じゃあ、さっきみたいに目隠ししましょう、目隠し! 私たちが仲良しなのもアピール出来ます!」


「え、ええっ!? こんな公衆の前で!?」


「もちろんです! さあ――」


「待つのじゃあ!」


 天界全域に響き渡るような、威厳に満ちた声。

 雷鳴を轟かせながらやってくる神の正体を、知らない者は誰もいない。


「ぜ、ゼウス!?」


「ハハハハッ! 久しぶり――」


「ゼウスっ、アンタねえ!」


 降臨するゼウスに、ヘラの飛び蹴りが炸裂した。

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