取り戻せアンケート! 4
「うおっ、眩しっ!」
天界を満たす光に、ケルベロスは驚くばかり。
一行はヘラを先頭に進んでいく。笑顔なのはペルセポネただ一人。
ハーデスは歩いてこそいるものの、黒々としたオーラをまとって俯いていた。彼にとって好都合な味方など、誰一人存在していないらしい。
「……っていうか、我まで一緒に来る必要があったのかな? アンケート用紙を取り戻すだけなら、他の人でも、ね?」
「アンタ、冥界から物が盗まれたのよ? ちょっとは恥ずかしく思わないわけ?」
「いや、我はこのアンケート自体どうでも――痛い痛い、痛いって! そんなに腕引っ張らないでよ!」
「じゃあキビキビ歩きなさい。……ってか、ここからはもう、ペルセポネに任せても良さそうね。逃げようったって逃げらんないだろうし」
「ええ、お任せください!」
先頭に立ってハーデスを引っ張っていたヘラは、手を離すと歩く速度を上げ始めた。
ストレス塗れの女神から解放され、安堵の息を零すハーデス。ペルセポネが隣へ並ぶころには、すっかり表情も和らいでいた。
「旦那様、どうですか? 久々の天界は」
「日差しが強い……我の白いお肌が焼けちゃうよ」